ほまげの制作は少し進捗があってから固めてポストしています。
「接着組立」という工程としては、今回が最終になると思います。ほまげの胴体の部分にあたるサブウーファーの箱も、残すところ底板と天板のみになりました。
ボディ上下の面調整
できるだけ精度よく接着してはいますが、沢山のパーツが重合して接着されているため、上下端面が完全な平坦になっていません。感覚的には0.1-0.3mmくらいは段差が出来ている様子です。
そこで、底板天板を閉じてしまう前に、上下を研磨してわずかな段差を完全になくします。


これは何?
これは21mmtのフラットな板材に#60のサンドペーパーを貼り付けたものです。
これを押し付けて研磨するわけです。

このように端面へサンドペーパー板を軽く押し付けながら軽く板を回していくと、端面の微妙な段差が消えてほぼ平坦になります。こうした治具が無いと、端面がかえって平面ではなくなってしまったり、切除面が丸まってしまったりするわけです。

効果絶大。上下端とも面調整に成功しました。平板を密着させてみると、隙間が全く見えません。

使ったサンドペーパー板は、また使えるかも知れませんので、清掃して保管しておきます。かなり削除粉が付きましたが、ブロワーで吹き飛ばせばこのとおり。ほぼ吹き飛んで復活できます。ハンディブロワーには本当に重宝しています。
上下端の面調整に成功したので、いよいよ底板と天板を取り付けていきます。
ボディ+底板20


吸音材の設置と塗装
この段階で、内部にはもう手が届かなくなるため、吸音材を設置します。

スキマになる部分(デッドスペース)にも、吸音材をぎゅうぎゅうに詰め込んでおきます。


正確にサイズを切り出してからインサートすると、接着剤さえ要らない感じです。
ほんの少量、接着剤を付けて取付しました。

天板に接合用のM6鬼目ナットを打っておきます。この後に及んで、手の届かない裏側はもう塗装出来なくてもあきらめる感じですが、「できる範囲で」防水塗装もしちゃいました。
ボディ+天板3


天地の平滑化をしたせいか、天地を接着しても欠片もスキマがありませんね。
ようやくボディ(サブウーファーブロック)が完成。
接着を伴う組立としては今回が最後だったかと思います。
ボディ外観研磨

少し平滑性が不足している部位にパテを盛って、さらに研磨します。

まずまず満足のいく仕上がりになりました。まだ僅かにエクボがある部位があるので、もう一度盛って研磨して、それで外観は終わりです。ボディ部も補強塗装のフェーズへ入ってゆくと思います。
完成は夏休み頃かな?と想像していましたが、やっぱり全然終わりませんね![]()
ただ、日誌で工程開始を見てみると5月25日だったので、木工工作で3ヶ月しか掛かってないわけです。これは、早い方というか早すぎるというか。もっとゆっくり組み立てても良いくらいです。終わったように見えるかも知れませんが、ここから更に数ヶ月掛けて、塗装、仕上げ、最終組付け(フックアップ)などなどを行ってゆきます。その後は実測・調整の繰り返しです。
傍から見ていると気が遠くなるかもしれませんが、そうしたプロセスがまた愉しいのです。数ヶ月掛けてプラモ塗装やジオラマを造る方々と、メンタル面は同じかも。
【この連載の目次】
- 次のスピーカーは奇行種を作ってみたーい
- チビ鬼ウーファーの再設計:MX-1000
- マトリックス用の板をオーダーしちゃった!
- MX-1000H (1)コンセプトと構造のご紹介
- MX-1000H (2)基礎設計
- MX-1000H (3)システムトポロジ
- MX-1000H (4)ボード加工図面
- いろいろなモノ、ぞくぞく着弾~
- MX-1000H (5)箱の組立手順
- MX-1000H (6)エンクロージャー材料も到着
- MX-1000H (7)木材にナンバーを
- MX-1000H (8)設計変更と木材ケガキ
- MX-1000H (9)中華パーツ着弾するが買物失敗
- MX-1000H (10)ボード二次加工開始~穴開け
- MX-1000H (11)トリマーで角穴を空ける手法
- MX-1000H (12)トゥイーターを選定するよ
- MX-1000H (13)バッフルのフラッシュマウント加工
- MX-1000H (14)フラッシュマウント加工の2
- MX-1000H (15)内部板材の二次加工
- MX-1000H (16)ミッキーさん耳加工
- MX-1000H (17)ミッキー耳貫通とバスレフポート
- MX-1000H (18)最大の角穴とマグネット干渉部のザグリ
- MX-1000H (19)ミッキー板の完成と、トリマー選びの大失態の話
- MX-1000H (20)左右スラントバッフルの切除加工、新トリマーよ頼む
- MX-1000H (21)スピーカー端子の穴!…とチョイ斜め削り
- MX-1000H (22)鬼目と爪付きをひたすら打ち付ける
- MX-1000H (23)仮組みをしてみる
- MX-1000H (24)マトリクスヘッド-組立開始
- MX-1000H (25)組立手順をチョイ変更
- MX-1000H (26)左右スラントバッフルを接着
- MX-1000H (27)面取り、ガスケット制作など
- MX-1000H (28)底板接着とインナー塗装
- MX-1000H (29)サブウーファーポートの成型
- MX-1000H (30)ヘッドのエッジカットと整形
- MX-1000H (31)ヘッドの下塗装、サブのボディ組立
- MX-1000H (32)サブの側板と、小鼻
- MX-1000H (33)ボディの組立完了
- MX-1000H (34)ボディとベースの下塗装開始
- MX-1000H (35)ひたすら研磨塗装研磨塗装研磨塗装…(以下略
- MX-1000H (36)サーフェイサーで塗装工程も佳境
- MX-1000H (36.2) 用のスピーカーベース
- MX-1000H (37)塗装の下処理がすべて完了
- MX-1000H (38)ボディをザラザラ・コンクリート調へ
- MX-1000H (39)ボディ仕上げとパッキン制作
- MX-1000H (40)マーブル塗装のジグ準備
- MX-1000H (41)鼻カッパー
- MX-1000H (42)大理石塗装:アンカーベース
- MX-1000H (43)大理石塗装:ヘッドブロック
- MX-1000H (44)大理石塗装:完了
- MX-1000H (45)研磨と塗膜補正
- MX-1000H (46)サブウーファー=ボディがほぼ完成
- MX-1000H (47)塗装と表面処理が佳境
- MX-1000H (48)表面加工が全て完了
- MX-1000H (49)トゥイーターの取付、フックアップ
- MX-1000H (50)アンカーベースにスパイクを
- MX-1000H (51)やらかした!ドライバー挿入不能
- MX-1000H (52)又やらかしたか! 今度は…!?
- MX-1000H (53)プレ実測用のXoverを組む
- MX-1000H (54)遂に姿を現した?
- MX-1000H (55)大きさ感を比べてみよ~
- MX-1000H (56)アメイジングな超低域
- MX-1000H (57)2way Xoverアライメント
- MX-1000H (58)アンプが燃えても工作はできる!
- MX-1000H (59)利用スキームについて解説する
- MX-1000H (60)インピーダンス計測
- MX-1000H (61)ついに始動 Ver.A音出し
- MX-1000H (62)ソースによる音質差が
- MX-1000H (63)剣の峰を歩くだと?
- MX-1000H (64)VerA-Rev01の測定
- MX-1000H (65)Xoverを改良してRev03へ。
- MX-1000H (66)低域改良して年越しだぁ
- MX-1000H (67)音質改良:VerAのFIX
- MX-1000H (68)VerAの空気録音
- MX-1000H (69)で好ましく鳴る録音
- MX-1000H (70)再始動、今度はネイティブマルチアンプにチャレンジ
- MX-1000H (71)裏蓋をバラす~ドライバ直結型へ
- MX-1000H (72)5ch分のケーブルを配線する
- MX-1000H (73)MTMのXoverを考察する
- MX-1000H (74)全体的なジオメトリを補償する
- MX-1000H (75)Ver.Bの確定、Ver.C, Dへの展開
- MX-1000H (76)Ver.Eの実力とフルレンジ単体の性能
- MX-1000H (77)最終回、けっきょくMX-1000Hとは何者だったのか?
- MX-1000H (78) Reboot! 久々のパッシヴXover Ver.A
- MX-1000H (79)パッシヴXoverの最終調整
- MX-1000H (80)サブウーファーフィルター後の最終特性

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