MX-1000H (49)トゥイーターの取付、フックアップ

MX-1000Homage（ほまげ）は、いよいよドライバー装着や回路ワイヤリングのフェーズへ突入します。

トゥイーターを装着

まず選定したファブリックドームをエンクロージャーへ実装していきましょ～。

これに関しては「接着」実装となります。

まず、トゥイーターへフックアップワイヤーをハンダ付けしました。
事前に制作しておいたペーパーパッキンを取り付けています。

普段なら、端子にはファストンを使うところですが、迂闊にワイヤーを引っ張ってファストンがはずれれば一貫の終わりです。二度と結線ができない。このため、太めのワイヤーを使って絶対に外れないよう、ハンダ付けしてしまいます。

接着剤を何にするか。数ある接着剤のなか、悩みましたがコレにしました。選択理由は、

・　透明である。

・　（おそらくトゥイーターフランジと同一素材である）塩ビと親和性が高い。

・　ある程度コンプライアンスがあって振動に強い。

万が一のことを考え、エンクロージャー側はマスキングをしておきます。

エンクロージャー内周部に爪楊枝で接着剤を塗り、素早く接着します。接着したらマスキングは素早く全部はずします。そして、フランジを圧着します。

巧く着いたみたいです。
ウェーブガイドのフランジがバッフル面とほぼツライチになりました。

そうしたら、”転ばぬ先の杖”　でボール紙でガードをします。

実装作業中、万が一でもファブリックドームを潰さないよう、養生する工夫です。
フルレンジを装着する段になったら、これも外します。

フックアップ開始

次に内部配線をしていきましょう。

左右のマトリックスブロックへ、配線を通します。

そうしたら、ボンドSuper Xで密封をします。やや下方にタレましたが、問題ありません。

次に吸音材（ニードルフェルト）を貼り込んでいきます。
写真は吸音材の設置がぜんぶ終わったところ。

あまり吸音材を張りすぎると、Qaが低下して肩が丸まってしまいます。かといって、張り込みが不十分だとメンブレン前面から反射音のリーケージが多くなったり、計測上に反射による共振ヒゲが出現したりします。（何いってんだか解らない人は少し勉強が足りません。）

フックアップワイヤーの末端には接続端子を付けておきます。裏蓋に実装したXoverと接続するときもこれを使いますし、初期実験のときにもこれが役立ちます。

フロントバッフル前面側も、端子の装着が終わりました。
ドライバーとXoverを装着すれば音は出ますが、そうは問屋がおろしません。まずは、直接接続で「センターフルレンジ」と「センタートゥイーター」をエンクロージャー実装した状態での裸特性を計測せねばなりません。

それが出来るとXoverのシミュレーションが可能となり、実回路設計へ移れます。

いろいろなプロジェクトがきっちり、バラバラに進んでいるように見えているかもしれませんが、それは記事を分けているから、そう見えてるだけなんです。
実はMX-1000HとMX-Λと空気録音は同時進行で進んでおり、ラムダの作業の隣で1000Hの作業をし、ついでに録音もする・・・といった並行作業で進んでいます。

余談

口すっぱく云い続けている事ですが、

✖　ダメダメなパターン

・　クロスオーバーを机上計算だけで設計し、スピーカーを結線する
・　聴感のみで／または測定してみてご満悦（正しくない測定環境で）

◎　正しいプロセス

・　エンクロージャーが完成したら、ハコ実装状態でのドライバ裸特性を擬似無響測定
・　その際、実装ジオメトリ影響やバッフルステップも全て拾うようにする
・　上記実測値(FRD, ZMA)を基にクロスオーバーSim／設計
・　クロスオーバーとドライバーを実装する
・　擬似無響に準じた測定をし、答え合わせをする（→PDCAを回す）
・　クロスオーバーを訂正する