MX-1000 Homage(ほまげ)。
お久しぶり、の再始動。3ヶ月ぶりに引っ張り出してきました。

さんざん屠り倒したMX-1000H。
もはやいじるところなんて無いのでは?
ところがぎっちょん、実はここからが本番なのです。
おそらくは世界初になるであろう、「マルチアンプ・マトリクス」にチャレンジします。

往年のMXファンには、何をやろうとしているのかサッパリ分からないと思います。
普通「マルチアンプ」といえば、帯域分割して多数のアンプで駆動することを指すじゃないですか。でもここでいう「マルチアンプ」とは、和信号差信号をDSPで捻り出し、別々のアンプで駆動することを指しています。

これまでは、上図のようなスキームで鳴らしていました。
これはつまり、オーデオマニヤの皆様がよくご存知の(一般的な)マトリクス・スピーカーの駆動であり、マルチウェイでもあります。パッシヴXoverや複雑な結線を介して、マトリクスを実現しているわけです。
これをいったん全部バラして、個々のドライバーを全部違うアンプで駆動しようというのが今回の再起動プロジェクトです。

こうですね!
最低でも5chのパワーアンプを使う。なんだったら6chのパワーアンプを使う。拙宅でしか実現できないスキームです。
知ってました?
拙宅にあるDSP(FlexEight)では和信号も差信号も信号処理でカンタンに作り出せるんです。
けったいな結線によって差信号を捻り出す必要性がありません。
分かりやすく説明するための仮セットアップのようすです。

Output 6 のINPUT1, INPUT2 が両方ともONになっておりかつ、INPUT2が[INVERTED]になっていること、お判りでしょうか?
この設定によってLとRの左信号を形成することがカンタンに実現できるのです。このセットアップの構図をまとめると:
Output 6 = 1.0L – 1.0R
Output 7 = 1.0R – 1.0L
Output 8 = 1.0R + 1.0L
となっています。
これをそのままパワーアンプダイレクトとすれば、

ドライバーへの結線はダイレクトのまま、マトリクス信号の生成と再生が可能になるわけです。また、このときマトリクス結線によるインピーダンス低下の問題、差動変動によるバランスアンプへの悪影響などいっさいのネガティヴが無くなります。低インピーダンス対応ではないどんなアンプでも使えるし、バランスアンプでも使えます。
そして何と言ってもドライバのバラツキによるマトリクスの不平衡課題の一切が無くなります。
まさに「理想のマトリクススピーカーの誕生」です。この試みをやっているマニヤの方は私の知る限り現存しませんので世界初の試みになります。
それだけではないんですね。miniDSPを使うかぎり、行列式におけるマトリクスのブレンド率も自在に変えられます。

上記から少しセットアップを変えてみました。
差信号分のゲインがそれぞれ -6dB されていますので、
Output 6 = 1.0L – 0.5R
Output 7 = 1.0R – 0.5L
Output 8 = 1.0R + 1.0L
Line Clovaのときは固定抵抗器を使ってこの “0.5” を調整していましたが。
miniDSPを使うとそんな工夫は一切いらないのです。
もちろん MX-1000H の背面に仕込まれた多量のXoverパーツは全部無用の長物になります。
ドライバは全部直結にします。現在の構想では、
Output 1 = L + R + LPF ; Sub Woofer
Output 2 = L – 1.0R ; Left Matrix
Output 3 = R – 1.0L ; Right Matrix
Output 4 = L + R + LPF ; Center FullRange
Output 5 = L + R + HPF ; Center Tweeter
と考えています。
最大のメリットは、
通例ならば色々な音質調整や変更はパーツ追加や結線変更でやらなければいけないところ、miniDSP + マルチアンプであればダッシュボードの数値変更ですべてが済んでしまう。どんなチャレンジもワンタッチという点です。そのトレードオフは、MX-1000Hの周りがケーブルまみれ、ぐちゃぐちゃに散らかるし結線も面倒だしスピーカー端子を増設せねばならない、というところです。
まずは久しぶりなのでPassiveで普通のMX-1000Hの音を今一度聴いておこうと思っています。
【この連載の目次】
- 次のスピーカーは奇行種を作ってみたーい
- チビ鬼ウーファーの再設計:MX-1000
- マトリックス用の板をオーダーしちゃった!
- MX-1000H (1)コンセプトと構造のご紹介
- MX-1000H (2)基礎設計
- MX-1000H (3)システムトポロジ
- MX-1000H (4)ボード加工図面
- いろいろなモノ、ぞくぞく着弾~
- MX-1000H (5)箱の組立手順
- MX-1000H (6)エンクロージャー材料も到着
- MX-1000H (7)木材にナンバーを
- MX-1000H (8)設計変更と木材ケガキ
- MX-1000H (9)中華パーツ着弾するが買物失敗
- MX-1000H (10)ボード二次加工開始~穴開け
- MX-1000H (11)トリマーで角穴を空ける手法
- MX-1000H (12)トゥイーターを選定するよ
- MX-1000H (13)バッフルのフラッシュマウント加工
- MX-1000H (14)フラッシュマウント加工の2
- MX-1000H (15)内部板材の二次加工
- MX-1000H (16)ミッキーさん耳加工
- MX-1000H (17)ミッキー耳貫通とバスレフポート
- MX-1000H (18)最大の角穴とマグネット干渉部のザグリ
- MX-1000H (19)ミッキー板の完成と、トリマー選びの大失態の話
- MX-1000H (20)左右スラントバッフルの切除加工、新トリマーよ頼む
- MX-1000H (21)スピーカー端子の穴!…とチョイ斜め削り
- MX-1000H (22)鬼目と爪付きをひたすら打ち付ける
- MX-1000H (23)仮組みをしてみる
- MX-1000H (24)マトリクスヘッド-組立開始
- MX-1000H (25)組立手順をチョイ変更
- MX-1000H (26)左右スラントバッフルを接着
- MX-1000H (27)面取り、ガスケット制作など
- MX-1000H (28)底板接着とインナー塗装
- MX-1000H (29)サブウーファーポートの成型
- MX-1000H (30)ヘッドのエッジカットと整形
- MX-1000H (31)ヘッドの下塗装、サブのボディ組立
- MX-1000H (32)サブの側板と、小鼻
- MX-1000H (33)ボディの組立完了
- MX-1000H (34)ボディとベースの下塗装開始
- MX-1000H (35)ひたすら研磨塗装研磨塗装研磨塗装…(以下略
- MX-1000H (36)サーフェイサーで塗装工程も佳境
- MX-1000H (36.2) 用のスピーカーベース
- MX-1000H (37)塗装の下処理がすべて完了
- MX-1000H (38)ボディをザラザラ・コンクリート調へ
- MX-1000H (39)ボディ仕上げとパッキン制作
- MX-1000H (40)マーブル塗装のジグ準備
- MX-1000H (41)鼻カッパー
- MX-1000H (42)大理石塗装:アンカーベース
- MX-1000H (43)大理石塗装:ヘッドブロック
- MX-1000H (44)大理石塗装:完了
- MX-1000H (45)研磨と塗膜補正
- MX-1000H (46)サブウーファー=ボディがほぼ完成
- MX-1000H (47)塗装と表面処理が佳境
- MX-1000H (48)表面加工が全て完了
- MX-1000H (49)トゥイーターの取付、フックアップ
- MX-1000H (50)アンカーベースにスパイクを
- MX-1000H (51)やらかした!ドライバー挿入不能
- MX-1000H (52)又やらかしたか! 今度は…!?
- MX-1000H (53)プレ実測用のXoverを組む
- MX-1000H (54)遂に姿を現した?
- MX-1000H (55)大きさ感を比べてみよ~
- MX-1000H (56)アメイジングな超低域
- MX-1000H (57)2way Xoverアライメント
- MX-1000H (58)アンプが燃えても工作はできる!
- MX-1000H (59)利用スキームについて解説する
- MX-1000H (60)インピーダンス計測
- MX-1000H (61)ついに始動 Ver.A音出し
- MX-1000H (62)ソースによる音質差が
- MX-1000H (63)剣の峰を歩くだと?
- MX-1000H (64)VerA-Rev01の測定
- MX-1000H (65)Xoverを改良してRev03へ。
- MX-1000H (66)低域改良して年越しだぁ
- MX-1000H (67)音質改良:VerAのFIX
- MX-1000H (68)VerAの空気録音
- MX-1000H (69)で好ましく鳴る録音
- MX-1000H (70)再始動、今度はネイティブマルチアンプにチャレンジ
- MX-1000H (71)裏蓋をバラす~ドライバ直結型へ
- MX-1000H (72)5ch分のケーブルを配線する
- MX-1000H (73)MTMのXoverを考察する
- MX-1000H (74)全体的なジオメトリを補償する
- MX-1000H (75)Ver.Bの確定、Ver.C, Dへの展開
- MX-1000H (76)Ver.Eの実力とフルレンジ単体の性能
- MX-1000H (77)最終回、けっきょくMX-1000Hとは何者だったのか?
- MX-1000H (78) Reboot! 久々のパッシヴXover Ver.A
- MX-1000H (79)パッシヴXoverの最終調整
- MX-1000H (80)サブウーファーフィルター後の最終特性

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