MX-1000 Homage(オマージュ)。視聴を繰り返すことで、徐々に全貌が明らかになってきています。毎回長文でグダグダが続くので、もはや何を言いたいんだかも良く判らなくなりつつありますが、要約するとこうです。
前回は、
思ったよりダメな感じ~
で今回の原稿が、
あっ、狙った音に近いの聴けたかも!
です。おしまい。
今日もやたら長いので、上記サマリのみで離脱も、強くオススメできます。

おっそろしく、聴く環境、聴き方、音量、ソースを選ぶ。
オマケに云うなら、「聞き手」も選ぶかもしれない。
色々と神経質な装置を使ってきたつもりですが、もしかすると、ココまで神経質なラウドスピーカーは初めてかも知れない。
この後、このスピーカーの真のすがたと、それからあまりにも狭い狭い利用条件が明らかになるのです。(カンベンしてくれ~ぃ)
ウーファーにLPFを入れてみる
前回の試聴記の感想ですが、実はウーファーにはスルーの信号を印加していたのです。その前回視聴記で、低音が汚らしい事に触れていました。かなりバタ臭くて、鈍くて汚い低音感をなんとかしたい。
サブウーファーの実測の時に触れたとおり、ポートからは相当量の中高域の漏れが観測されました。汚い正体はこれです。
低域が汚いと感じるとき、実は低音域ではなく、バスレフポートからの盛大に漏れ出してドライバと干渉する中域/高域と、それからタービュランスノイズが原因であることが多い。(つまり低音が汚いときに真犯人は低音じゃないってこと。)そこで、サブウーファーはminiDSP上でローパスを入れてみました。

また、これを機会にディレイ・タイムを見直し。INVERTだったウーファーを正相へ戻しました。また、これまではフルレンジのゲインをウーファーに合わせて下げていたのですが、逆にフルレンジを0dBにしてウーファーに+7dBを付加。これにより、常用しているボリュームレベルでの鑑賞が可能になりました。miniDSPが-7dB未満のゲインであるかぎり、このセットアップで行けます。
これらによって、全体の音色は混濁が減ってかなり澄んだ音色に。ゴウゴウ言っていた低音はかなり見通しが良くなり。それと共に、少しくすんだ高域も切れと透明感が出てきた気はします。代わりに柔らかさや温かみは一歩後退。いわゆる、「カブる」という現象だったのかも知れません。ただ、これだけでは音場感までが劇的改善することはありませんでした。
遠点での鑑賞に活路が
フルレンジとウーファードライバーに対し、20Hz連続サイン波で20分x2セットほどブレイクインを施します。少しでもほぐれて状況が良くならないかな?との願いです。
MX-1000Hはあんなに細い体躯なのに、その身体よりも側方へ広く音が広がるのです。でも、言ってみればただそれだけ。視覚との違和感が少々あるだけ。ANDROMEDAの音場と、MX-の音場を聴かせてどっちがビックリするだろうかというと、これはANDROMDEDAの方でしょう。
ブレイクインも進み、色々いじっていく中でかなり改善されてきているのは感じています。ただ、うつろな記憶のなかの音とでも言うのかな、夢想していたマトリクススピーカーの音というのがあるんです。それはもっと包囲感があって、部屋を埋めるような音。なかなか出ません。
その後。気の迷いでしょうか。
いつも聴いているソファーよりもさらに後方に下がり・・・スピーカーの振動板面から実測すると約4.8mも離れた遠点。つまり、う~んと離れて視聴したとき、突如その変化は起こりました。
ああっ。これだ・・・!?
遠い記憶のなかにある音に近い音が、とうとう出たのです。
さらに離れてみて距離5.4m・・・・ ふぉぉおおおおおお・・・。
こんなに離れているのだから指向性が効いて、もう少々耳の高さが狂っていてもいいでしょうと・・・それが、ダメなんです。なんと神経質なのでしょう。耳の高さは厳密にトゥイーター軸上に合わせないとダメだし、頭をわずかに左右に動かすのもNGでした。30cmのイスだとNG。20cmのクッションOK。
しかし、そうして頭部監獄拘束に近い状態で聴いたその音が、夢の中で鳴っているその音だったのです。音はとうとう、私の周辺まで取り囲みはじめ、モノによっては耳元すぐ傍とか、頭部の後方まで回り込んで鳴り始めました。これこそ、私がMX-で聴きたかった世界そのものなんです。部屋が音で埋め尽くされました。まるで山中のもやのようにもわもわした謎のAtomosphereが部屋中に充満して、幻覚のように聴者を包み込みます。これよ、これ。
ただし、ANDROMEDAの形成するそれ(サウンドステージ)とはかなり異質なものでした。ANDROMEDAでは、空間をアトモスフィアが埋め尽くして、その中で音像が鮮明に空間定位します。それに比較して、MX-1000Hは音像定位も茫洋としているのです。なにもかも茫洋となるわけではなくてしっかり外側に定位する音像もあるのですが、「音が何処で鳴っているのか?掴めない」いわゆるOut Of Phaseの状態がよく聴かれます。つまり、柔らかい音で部屋中が埋まる、もわわ~んとして茫洋とした音を想像していただけば大丈夫です、合っています。
おっそろしく神経質なスピーカー。
音量が最適値から外れるのダメ。物凄く離れないとダメ。離れれば何処で聴いてもOKかと言うと、軸上から外れてもダメ。頭動かすのもダメ。軸上から少しでも外れると音が汚らしく感じます。不思議です。
左右は10cm。上下は数cmしかスイートスポットが無いような感じがします。頭を動かせません。これではリラックスして音楽鑑賞なんて、不可能です。
おいおい、F1マシンなのかコレは。
(性能がF1なのではなく、神経質さと不愉快さがF1。)
ラグジュアリーなサルーンカーなら、ふんぞり返ってリラックス運転できるのと比較すると、これはまんま地獄。まず頭部はカチカチのバケットシートに埋められて全く動かせません。横Gで首がバキバキになります。音量調整に該当する回転数は、9000~11000回転までしか使うことが許されていません。≒音量調整の範囲狭すぎ。レースが終れば全精力を使い果たしてグッタリ倒れ込むのもF1と同じ。
つまり、首も腰も痛いし集中して聴いてドッと疲れるし、神経そがれるスピーカーってこと。
私もこんなにセンシティヴで厄介なスピーカーは初めてです。「使えねー」と言ってもよいかもしれない。ただ、その狭い狭い領域で使ったその瞬間に「桃源郷」のような音が出るのです。それはさながら、麻薬のよう。
ハズレだったら娘のラジカセ化 ・・・などと思っていたが、コレはそんなタマではなかった。BGM的な利用が最も不得手。とんでもない”荒くれ者”を作ってしまいました。聴くのが苦行。
剣の峰を歩くとはこのことか?峰の足をすこし踏み外せば奈落・・(のように音が悪い)。
ところで、あれだけドンスコの癖が気になっていた低域も、この距離で聴くと柔らかく心地よい空気感を伴って、身体を包み込むような感じに変化。また、このスピーカーは距離が離れても音量低下感がほとんどなくリスナーに到達します。これはテツオセンセも触れていたと思うのですが、とても不思議。
本来なら測定もこの距離ですべきですが、この距離では疑似無響計測ができないので、ほぼ意味がない。。。マジでどうしようか迷います。両方測ってエナジーバランス整えるのかな。

ソースの聴こえが変わった!?
ええっ?
聴く時にそんなにスピーカーから離れないとダメなの?バカなの?どういうこと?
でも離れないとダメだったんです。
特に生粋のワンポイント録音、すなわちマイクロフォンを2本ないし3本しか使っていない、本物のステレオ録音: それはもう本当に変わりました。
以前リポートしていないモノも含めて少しだけご紹介します。

The Composers Quartet
Elliott Carter: String Quartet No. 2 Introduction
NONESUCHの超絶名録音。
3mで聴いていた時とはまるっっっっっっっっっきり違う音です。
とうとう、スピーカーの位置を無視して楽音が明後日の位置に定位を始めました。冷え切ったホールの残響音も素晴らしく拡がります。ただ、ANDROMEDAのように鮮明で隈取のある音像感ではなくて、「スピーカーの場所に居ないことは判るんだけど、ソコ!!と指刺し確認ができるほど定位が明快ではない」そんな定位です。これがOut Of Phaseそのものなんですね、それを混ぜているのだからこう聴こえるのが自然なのですが、ようやくそれらしきモノが聴けた事に?なります。

前回ダメ出ししたソースです。
なんだこりゃ。。。。まるっきり違う音です。音量不足で細かい気配や微細音が聞き取れなかったのに、離れたら音量上げなくても聞き取れるようになりました。離れたほうが良く聴こえる?なんで?もうワケが解りません。ムワーっと部屋中に不気味な音響空間が現れます。ただし、バスドラの打音で、ウーファーがボトミング寸前で悲鳴を上げるところは同じ。低域の再生限界まで改善されたわけでもありません。
ただ、音量を極端に上げなくても「聴こえ」が改善されたのは福音です。

James B Welch
Dieterich Buxtehude-Praeludium, Fuge And Ciacona
これも。元々静かな曲ですので、音量を上げないと音の実体感が得られない。しかし、音量を上げるとMXは容易に破綻するという。。。(ちなみに、コレはANDROMEDAで聴いていてもウーファー飛ばされるかと、相当にヤバい感触のあるソースです)。
ところが、超遠点に離れると、音量を上げなくても良く聴こえるのです。なんとも柔らかく優しいサブソニックが身体を包み込み、気持ちいい体験になりました。もともとワンポイントなので音場感もよく、パイプオルガンはそもそも音像が曖昧な楽器なので、相性バツグンに生まれ変わってしまいました。

Walter Tilgner : Waldkonzertより
Woodland Stream
これもかなりイイ。部屋が森化した感じです。先日よりもずっと遠点に鳥の声が定位します。雨音もリアルです。また、途中で小動物らしきもの(たぬき?リス?)がガサガサ出現するのですが、それは私の近くまで寄ってきてくれました。いやーコレはいいわ。

こちらも。人工レコーディングの真骨頂というか面目躍如というか。部屋中に音が充満し、音が飛び回ります。頭部の後方定位とかなんとか書いているのは、この曲のことを言っています。この調子でいけば、多分Steven Wilson辺りもイケるでしょう。

素晴らしいです。音場が無限遠点まで拡散していくような錯覚の起きる音。
壁をぶち破り、どこまでもどこまでも平原が続いています。
こういうのが聴きたかったんです。中学の頃に体験した音を遥かに超えている気がします。そして、音色や低音や忠実度の問題を除けば、音場についてはジレンマが完全になくなりました。

こちらは特に優秀録音というわけでもなければ、音場が秀でているわけでもありません。が、好きなんです。上手く鳴りました。おダンゴになり過ぎず、それなりに雰囲気がよく帯域バランスが素晴らしく、艶と色気のある音。古い録音ですが、意外にHi-Fi調であったりします。
低音はバスレフ臭く少々古臭い低音でもあるが、とても豊かで超大型スピーカーの如き低音です。
飛ばし聴きです。フルには視聴していません。リスニングポジションの問題、イスの問題、姿勢の問題。。。数曲を飛ばし聴きしているだけでもかなり疲れるし集中力を要求されます。まぁ、楽しいんですけど。これをリラックスして鑑賞できる日が来るのかというと、そんな日は来ない気がしてきました。もうすぐ比較しますが、気楽に聴くならMX-0001Λのほうが良さげです。
現代では、マトリクスの仕組みはそれこそ、そこかしこにあり、どなたでもそれを体験することが出来ます。代表的なもので言えば、一部のスマホ。MacBook。その他一部のノートPC。そして、一部のテレビ商品。次回詳しく説明します。今日聴けたMX-1000Hのそれは、そうした既製品と比較したら異次元の別世界でした。
まだMX-1000Hは発展途上で未完成の状態です。しかし、現段階でも過去のオリジナルMX-1の音の印象を軽く10倍は超えてきました。なにより当時、こんなにワイドレンジで整った自然な音調ではありませんでしたし、音色の素晴らしさもさることながら、懸念だった音場の広大無辺さも超えてきたと思います。
あくまで「私の中では…」ということではあるのですが、究極のマトリクススピーカーは ”もはや完成した” と断定しました。(あくまでも私の中でね~)
【この連載の目次】
- 次のスピーカーは奇行種を作ってみたーい
- Matrix: MX-1000の構想その2
- チビ鬼ウーファーの再設計:MX-1000
- MX-1000、圧迫感はどんな感じ?
- マトリックス用の板をオーダーしちゃった!
- MX-1000H (1)コンセプトと構造のご紹介
- MX-1000H (2)基礎設計
- MX-1000H (3)システムトポロジ
- MX-1000H (4)ボード加工図面
- いろいろなモノ、ぞくぞく着弾~
- MX-1000H (5)箱の組立手順
- MX-1000H (6)エンクロージャー材料も到着
- MX-1000H (7)木材にナンバーを
- MX-1000H (8)設計変更と木材ケガキ
- MX-1000H (9)中華パーツ着弾するが買物失敗
- MX-1000H (10)ボード二次加工開始~穴開け
- MX-1000H (11)トリマーで角穴を空ける手法
- MX-1000H (12)トゥイーターを選定するよ
- MX-1000H (13)バッフルのフラッシュマウント加工
- MX-1000H (14)フラッシュマウント加工の2
- MX-1000H (15)内部板材の二次加工
- MX-1000H (16)ミッキーさん耳加工
- MX-1000H (17)ミッキー耳貫通とバスレフポート
- MX-1000H (18)最大の角穴とマグネット干渉部のザグリ
- MX-1000H (19)ミッキー板の完成と、トリマー選びの大失態の話
- MX-1000H (20)左右スラントバッフルの切除加工、新トリマーよ頼む
- MX-1000H (21)スピーカー端子の穴!…とチョイ斜め削り
- MX-1000H (22)鬼目と爪付きをひたすら打ち付ける
- MX-1000H (23)仮組みをしてみる
- MX-1000H (24)マトリクスヘッド-組立開始
- MX-1000H (25)組立手順をチョイ変更
- MX-1000H (26)左右スラントバッフルを接着
- MX-1000H (27)面取り、ガスケット制作など
- MX-1000H (28)底板接着とインナー塗装
- MX-1000H (29)サブウーファーポートの成型
- MX-1000H (30)ヘッドのエッジカットと整形
- MX-1000H (31)ヘッドの下塗装、サブのボディ組立
- MX-1000H (32)サブの側板と、小鼻
- MX-1000H (33)ボディの組立完了
- MX-1000H (34)ボディとベースの下塗装開始
- MX-1000H (35)ひたすら研磨塗装研磨塗装研磨塗装…(以下略
- MX-1000H (36)サーフェイサーで塗装工程も佳境
- MX-1000H (36.2) 用のスピーカーベース
- MX-1000H (37)塗装の下処理がすべて完了
- MX-1000H (38)ボディをザラザラ・コンクリート調へ
- MX-1000H (39)ボディ仕上げとパッキン制作
- MX-1000H (40)マーブル塗装のジグ準備
- MX-1000H (41)鼻カッパー
- MX-1000H (42)大理石塗装:アンカーベース
- MX-1000H (43)大理石塗装:ヘッドブロック
- MX-1000H (44)大理石塗装:完了
- MX-1000H (45)研磨と塗膜補正
- MX-1000H (46)サブウーファー=ボディがほぼ完成
- MX-1000H (47)塗装と表面処理が佳境
- MX-1000H (48)表面加工が全て完了
- MX-1000H (49)トゥイーターの取付、フックアップ
- MX-1000H (50)アンカーベースにスパイクを
- MX-1000H (51)やらかした!ドライバー挿入不能
- MX-1000H (52)又やらかしたか! 今度は…!?
- MX-1000H (53)プレ実測用のXoverを組む
- MX-1000H (54)遂に姿を現した?
- MX-1000H (55)大きさ感を比べてみよ~
- MX-1000H (56)アメイジングな超低域
- MX-1000H (57)2way Xoverアライメント
- MX-1000H (58)アンプが燃えても工作はできる!
- MX-1000H (59)利用スキームについて解説する
- MX-1000H (60)インピーダンス計測
- MX-1000H (61)ついに始動 Ver.A音出し
- MX-1000H (62)ソースによる音質差が
- MX-1000H (63)剣の峰を歩くだと?
- MX-1000H (64)VerA-Rev01の測定
- MX-1000H (65)Xoverを改良してRev03へ。
- MX-1000H (66)低域改良して年越しだぁ
- MX-1000H (67)音質改良:VerAのFIX
- MX-1000H (68)VerAの空気録音
- MX-1000H (69)で好ましく鳴る録音
- MX-1000H (70)再始動、今度はネイティブマルチアンプにチャレンジ
- MX-1000H (71)裏蓋をバラす~ドライバ直結型へ
- MX-1000H (72)5ch分のケーブルを配線する
- MX-1000H (73)MTMのXoverを考察する
- MX-1000H (74)全体的なジオメトリを補償する
- MX-1000H (75)Ver.Bの確定、Ver.C, Dへの展開
- MX-1000H (76)Ver.Eの実力とフルレンジ単体の性能
- MX-1000H (77)最終回、けっきょくMX-1000Hとは何者だったのか?
- MX-1000H (78) Reboot! 久々のパッシヴXover Ver.A
- MX-1000H (79)パッシヴXoverの最終調整
- MX-1000H (80)サブウーファーフィルター後の最終特性

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