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百均で造る、1000円予算のマトリクス・スピーカーシリーズ~っ。
正式なプロジェクト型番 = MX-0001Λ(らむだ)

今回は、百均の素材ばかりを集め、ご予算1000円以内で比較的立派な音のするマトリクススピーカーを創るという、相変わらずムチャな企画です。

フルレンジ・USB・ミニスピーカーを大量に入手しましたので。(これ全部でも428円!!)

これらの最大活用を考えていきたいということで。

これの類似スピーカーをダイソーで入手すると、トータル660円です。

私は偶然リサイクルショップで1/3の価格で入手しました。1セット107円です。強引にこじつければ、これも「百均」と言えなくもないので(笑)百均千円プロジェクト。ということにします。

箱に入った状態の特性

そこでまずは、このUSBスピーカーがどんな素性なのか特性を測るところから始めます。

70cm距離での疑似無響と、それから近接場での特性を測ってみました。

<まずこれが近接場>

<次にこれが70cm距離>

片方フラットで、片方少しガタガタしていますよね?
なんでこのような差が生じるかを説明します。

近接場でフラットな方。これはエンクロージャーの反射回折の影響をリジェクトして、ドライバーダイアフラムの素の特性を見ていると考えて良いです。

ではこちら、少しガタガタしている方。
時間窓を短く取って、床や壁の反射影響を排除しているはずなのに、なんでこんなにガタガタしているのか?
これは、スピーカーシステムのエッジディフラクションの影響を受けたり、それからこのスピーカーを取り付けた三脚からの反射回折影響を受けているということなんです。つまり、

これね。
このスピーカーの外観形状や支持している三脚のが良くないということなんですよ。

スピーカーのヘッド形状が小さければ「点音源で音場感が良い」みたいな大ウソを良く見かけるんですが、それ、全部ウソですから。信用しないようにしてください。科学的な根拠がゼロです。軸上応答特性がグチャグチャに乱れていて音場感が良くなるはずもありません。ラウドスピーカーは、バッフル/外形形状による反射回折の影響を最小限に抑止・あるいは補償して、はじめてマトモな音になるし音場感も最大化されます。


近接場におけるこのフラットな特性は、エンクロージャーから外して、このラウドスピーカーに使われているドライバー単体でのポテンシャルを示したものということになります。
これは私が想像していたよりも、かなり優秀。
特にコレがフルレンジではなくミッドレンジとして設計されたものであれば、満点をあげてもいいくらいに優秀。500-5kHz帯域は位相特性は特に優秀と見えます。また、その帯域での振幅もかなり平坦です。

低域は想像では200Hz止まりかな、と思っていたら150Hz位まで十分に伸びていて驚き、これならば低音「感」もあるはずです。この低域下降特性はこのエンクロージャー:Fs=270Hzの密閉箱へ取り付けたときの特性です。Fsが270HzであってもシステムQが飛び抜けて高いから、低域が盛り上がってくれるのでしょう。惜しむらくは、5kHzから上で、振幅も位相も乱れが顕著になっています。音楽を聴いていると5kHzより上の帯域でカラーレーションを感じることが多いかもしれません。

いわゆる「フルレンジ」は紙のメンブレンが使われることが多く、この図に見られるような高い共振峰は見られません。しかしそれは特性が整って良好なのではなく粗が分散されているからです。紙の場合は5kHzよりもっと低い周波数から分割振動が始まってカラーレーションが始まっているが、見かけ上は共振分散されているから特性上の粗は目立ちにくくなります。(共振していないということではない)

8kHzに大きなピークを創るこのスピーカーで、色付けは避けられませんが、ある意味では4cm口径としてとても「素直」な特性を持っているという見方ができます。ウチのAlphaの5cmミッドレンジは、5cmで10kHzまで信じられない線形性を保っています。さすがにソレには敵わないものの、このフルレンジも小細工をこうじていない素直で真っ当な特性を持っていると判断しました。

今回は、このフルレンジのハイカットをせずにフルレンジとして使いますので5kHzより上でのカラーレーションは避けることができないでしょう。中域の線形性には刮目すべき点があるものの、フィルターレスのフルレンジとして使う場合においてはアルミコンケーヴよりもペーパーコーンのほうが「七難隠して優勢」かもしれません。

次に、システムとドライバー単体のインピーダンスとT/Sを測っておきましょう。

(本当はブレイクイン後がいいんだけどね)

スピーカーシステムの箱に入った状態。

ドライバーが裸の状態。

マグネットはΦ30mmのフェライト。
中華製ドライバーでは、ネオジムも増えてますよ~
当然、ネオジムのほうが有利です。

配線を切って分解し、裸の特性を測定しました。

箱に入ったときのFsは270Hz、裸でのFsは155Hzのようです。ブレイクインしてないのに、思ったよりは低め。逆説的に言えば、能率は低いと思います。

このドライバの問題はQtsですねー。飛び抜けて高い。
完全にT/Sのシミュレーションレベルを飛び抜けています。

裸のQtsは3.27か。かなり高め。ウーファードライバーの適正範囲は0.25~0.7といったところですが、それより遥かに高い。これがトランスミッションラインで制御可能な領域なのか、やってみないと判らないところがあります。そこまがまた、楽しみで仕方がありません。後日、SpicyTLを使って低域を伸ばせるのかシミュレーションしていきます。

テストの最中に気づいたことですが、このスピーカーシステムは、正確なステレオ再生ではない。Lch Short Sine Sweepを印加すると、Rchでも同じ音が鳴ってしまう。ステレオミニプラグだし3W+3Wと書いてあるから、てっきりステレオと思っていたものが・・・。

このため、計測時には片chの振動板をマスクして音が漏れないようにして試験しました。ステレオのようでいてステレオではないだと?もしかしたらダイソーのもそうなのかしら?

私の場合は、ダイソーではないドライバーを用いていますが、これはもちろんダイソースピーカーに置き換えても問題ないです。
 
 
 

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投稿者

KeroYon

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