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先日入手した古の小型名作アンプ。YAMAHA AX-10を分解していきます。(、少しずつ。)

分解目的

動作品なのにどうして分解なんかするの?
内外装を徹底清掃・洗浄したい・・・というのも勿論あるのですが、大改造の前提として、

  • 回路の徹底解析
  • PCB毎のブロックダイアグラムの分析
  • 再構築のワイヤリング計画

をするのが最終目的です。

こういうのは、PCBを全部バラした上で、プリントパターン(単にパターンとも呼ばれます)を読むしか無いのです。以前Clova WAVEでやった事と同じですね。

アレはPCBが2枚だけだったから楽だが、今回のは基板が非常に多い上にシグナルが行ったり・来たり・を繰り返しているから読解が本当に大変です。(だから、”プリメインアンプ”って大嫌いなのです)
ただし全回路を読解して回路図を起こすまでは必要ない。要は、追加回路を「どっから入れて」「どっから出すのか」そして「どの既存回路を潰すのか」だけを読破して決めればいいだけですから。
とはいえ、これはアンプの回路が「ある程度解っている人」でないと。配置された素子とパターンを見ただけで「何をしているモノか」が判断ができる人でなければ難しい工程だと思います。

・・・ということなんですが、ここから先は「私の為だけの」記事なので観なくて大丈夫です。現状復帰をするためのひたすら写真とメモが続きます。(このブログの最大目的はソレですから)
 

ボンネットとリアパネルを外す

まずはボンネットだけ外してしまいます。

手前の太いねじは、ボンネットの側面パネル「だけ」に使われています。このことを覚えておく。

このアンプ、ほぼ99%がこの共通ビスで組み立てられているのです。これは「覚える側」からするととてもラク。迷わず同じビスを使えばいいのですから。逆に、「これではないネジ」が使われている部位だけをメモしておけば復旧ができます。ざっと100本以上のビスやボスがありますからメモは大事。

ボンネットを外した段階で、背面向かって右側にあるACケーブルのブッシュを右側へスライドさせて外しておきます。

まっ、こんな感じでー。

このアンプはビスの他に矢印のようなプッシュリベットが多用されています。これらも忘れずに外します。

外れたプッシュリベット。

リベットやビスは全部再利用するのだから、無くさないようケースなどに収納しておきます。

このアンプは無茶苦茶構造が複雑です。「機構設計した人スゴい」と思えるほど複雑。

でも中途半端にバラそうとするから難しいんですよ。たとえば、バラしは最小限にして、必要な基板裏だけにアクセスしたいとか?それは難しい。でも、

ひとつ残らず徹底的に全部バラすぞ!

と心に決めてバラしていけば、実はそんなに難しくないんです。なぜって、全てのねじやコネクタを外してしまえば、必然的にバラバラにはなるはずじゃないですか。組み立てたのと逆をやるだけだから。

ただ、このように古いアンプの場合はコネクタの解除にだけはちょっと神経を使います(後述)。

はい・・・プッシュリベットもビスも全て外したら・・・リアパネルが外れました。まあ当たり前ですね。「順序さえ間違えなければ」最後は必ず外れますよ。パージ順序を推定するところが少し難しいんですが。

古臭い設計+コストダウンの恨み

前稿でも触れましたが、このアンプは圧倒的に多機能。その上に小型。そして設計が1990年代で古い。だから高密度実装の皺寄せが「PCB構成」や「コネクタ」に集中します。具体的に言うと、こういうロジックです:

  • 旧世代なので1枚PCBへの高密度実装には限界がある
  • 必然的にPCBの枚数が増え、PCB構成が複雑になる
  • そのPCB間で信号の往来も多い(数本〜十数本)
  • そこでPCB間にフレキやリボンケーブルを多用する
  • 全部フレキに頼るとコネクタコストが上昇、音質にも悪影響
  • そこでPCBを立体的に構成して
  • 直付けコネクターで半田付けしてはめ殺しにしてしまう(2度と外せない)

まあ・・・一言で言えば「古臭い」んですよ。現代設計なら、シリアルで制御信号(たった1本!)を流して、フロントエンド近くで入出力制御も音量制御も音質制御もすべてFPGAでまかなってしまう。結果、音声信号で引き回しは「1本」だけとなり結果として音質も向上する。でもこの世代ではそんなものあるわけがない。このアンプにだってロジック回路は入っていますがやっぱり旧世代の遺物。

たとえばこのアンプで言えば:

  • フォノEQ基板
  • LINE入力-プリ基板
  • REC-OUT基板
  • マザボ(メインアンプ)

この4枚が立体構造で組まれ、がっちりコネクタまたは直出しフレキで半田付けされて、2度と取り外しができないわけです。だから、ピンク矢印のねじは外しちゃいけません。外すと強度がなくなりコネクタ結線が切れるか、またはパターン剥離やクラックが発生します。

この4枚基板は一生ペアセットで扱うしかないのです。

マザボ(パワーアンプ基板)とLINE-INプリアンプ基板の接合部。このコネクタも外せないように見える。もしかすると外せるかもしれないが、位置的に非常に厳しい。(抜くことを想定していない組立)

マザボに回路基板が「立っている」というと、アキュフェーズやマランツが走りだったんですが、それら高級機はきちんと外せるコネクタだった。これは「はめ殺し」。つまり、小型化とコストダウンの皺寄せってことなんですね。

ホラ現代設計ならば超多機能+超複雑回路でも内部はこんなスッキリ。
しかもグラウンディング最高+シグナルパス超シンプルのオマケ付き。
 

コネクタやリボンケーブルを外す

というわけで、セット内には「外せない」コネクタも多々あるわけなんですが、

少なくとも「外せるモノについては」片っ端からコネクタを外していきましょう。隅から隅まで見えるところは一つ残らずです。中途半端に外すから、苦労したりあるいは壊したりする羽目になります。

実にさまざまなタイプのコネクターが使われています。しかもいずれも1994年当時という・・・。設計が古いうえに、コストダウンで妙なもの/外しにくいもの/品質面で疑念のあるものが沢山使われています。しかもそれがスゴい数なわけです。なぜそんなにコネクタが多くなるのか。
それは多機能・かつ高密度実装・で基板の数がすごいから。です。

このコネクタなんかは矢印の部位へマイクロマイナスドライバーを突っ込んで少しずつこじれば、開くことができます。

外れましたね。

これもですね〜

外れた。ご覧のとおりで、ハダカ線のリボンケーブルを樹脂ガイドと一緒にして差し込んで共締めするという構造。コストダウンにはなりそうです。

問題はこれとか、

これですねえ〜。ちょっと推定するのに時間が掛かった。とにかく硬いのです。そして、ロックを外すための隙間や部材の切れ目が見えない。これ、旧世代のフリクションタイプのコネクタだったのですね。すなわちロック機構がなく、端子のバネ力だけでフレキを押さえつけているコネクタ。

すなわち「力づくで挿して」「力づくで抜く」タイプだったのです。

といっても、力任せにグイと引っ張ってはダメです。0.3mmくらいずつ、左、右、左、右、左、右・・・とじりじり並行を保ってこじりながら抜いていきます。3mmほど抜けたところでふっとトルクが軽くなります。挿すときも、挿入口に垂直を保ちながら、慎重に少しずつ差し込んでいきます。

冷や汗ものですが、なんとか外せました。(そのくらい硬いのです)

「ロジック・ボリューム基板」と「信号コントロール基板」をブリッジしている「ブリッジ基板」があるのですが、そこもコネクタで接合されています。まさに「基板と基板をブリッジしているだけ」のフレキのような基板。なぜ基板にする必要があったのか? 「フレキかリボン使えよ」と思ってしまいました。
このブリッジ基板コネクタは、矢印のあたりにマイクロマイナスドライバを突っ込んでこじれば、少しずつ浮いてきます。くれぐれもPCBへストレスを掛けてはいけない。

サイドの電源基板にあるプッシュリベットも外していきます。
 

ワイヤーラップを外す

電源トランスから、基板に向けてはワイヤーラッピング工法で結線がされています。1次側が2本。2次側が5本。その合計7箇所のワイヤーラッピングを外していきます。

これが2次側の5本。常識的には赤・黒・赤のレイアウトが多いが、このアンプは左から黒、赤、赤。こういう時は写真メモが役立ちます。間違えればアンプは一発で焼損。

私の場合は、ピンセットではなく「トゲ抜き」を使ってラッピングを解きました。ピンセットよりもトルクがあり、ラジペンよりも繊細な作業ができます。荒い解し方をするとワイヤーがばらけて汚くなるので、ゆっくり慎重にほどいていくのが肝要です。
 

これは1次側。極性関係ないけど、一応 黄・灰 は再現したほうが良いでしょう。

このタイラップも切っておきましょう。

これらワイヤーラップを外さないと:
アンプを完全分解した後も、重い電源トランスがぶらぶらと回路基板へ付いてきてしまいます。断ち切っておいた方が良いでしょう。

ワイヤーラッピング繋がりで。ついでに。

LINE-INプリアンプ基板からも、マザボに対してGNDラインが伸びてます。これもワイヤーラッピングですので、この段階で外しておきましょう。

あらためて。普通のジャンパーと極太バスジャンパーの太さを見比べます。とてつもなく太いですね。サビ気味だけど(笑)

フロントパネルとフロント基板をバラす

ボリュームノブ、セレクタノブ、その他ツマミやスイッチ類は全部、前方へ引っ張れば抜けます。この段階で抜いておきましょう。ただしパワースイッチだけは樹脂製の特殊構造なので引っ張ってはいけません。

INPUTセレクターとボリュームのツマミの奥に、なんとPCBが仕込んである。なんだこれ?

この2つは自照式のノブになっているので、そのためのLEDが仕込んであるのでした。PCBにはD型の穴が切ってあり、ノブと一緒に廻ります。これはこのまま生かしましょう。

回ってもフックアップが切れないように、ワイヤーは少し軸に対してカールが掛かっています。そこを引っ張れば緩めてボリューム軸からPCBを外せました。

アンプのフロントパネルは表から見える数箇所のビスを取れば簡単に外せます。

リアパネルにつづき、フロントパネルも外れた。

裏側の樹脂製パネル両サイドにロータリーヒンジが付いている。これによって下部シーリングパネルを開閉できるようです。

シーリングドアを外す時に傷を付けそうだから、マステで軽く養生しておきます。

ドアを開けた状態で、この2箇所のビスを外します。するとドアが外せる。

ほら外れた。

この機会に中性洗剤と簡単米ペットでパネルを徹底洗浄します。ヒンジをへし折ると復旧は難しいから、洗浄中に引っ掛けて折らないように注意します。

ピカピカになりました。

この商品は「準美品」ってカンジ。顕微鏡レベルで微細に見れば打ち傷はあるのだが、写真に映り込まないレベルの傷。洗えばかなりの美品ということ。

洗い終わったら、もう当分出番はないので、養生してしまい込んでしまいます。まあ、別に養生はしなくてもいいけど(笑)

次はその背後に現れる、フロントサブパネルです。

ボルト、ビス、プッシュリベット。目に見えて外せる部分は全て外しておきます。

この部分はM3のボルトが使われていました。
概してこのフロントサブパネルだけはM3を多用しているようです。判りやすいです。

ここもM3です。大概M3ですね。フロントは。

ヘッドフォンジャックの手前に嵌っている金属ストッパーは、

横方向へスライドさせることで外せます。このストッパーもねじ類と一緒に大切に保管しておきます。

このパワースイッチの裏側に隠れているプッシュリベットだけは外さないで大丈夫。

このプッシュリベットは、外す必要があります。
 

この緩衝スポンジは両面テープで付いていたのですが、両面テープがカピカピに風化しており、ポロリと取れてしまいました。後で別の粘着テープでつけるため、場所をメモしてからサルベージしておきます。
 

ボリュームの基板は穴を通せませんが、

ロジック+ボリューム基板のこのコネクタを外してしまい、手前から引っ張った方が外しやすいです。
 

すべてを外した段階で、もうパネルもPCBもグズグズの状態になっています。すぐにでも外せる。

このとき、基板を外しにかかるよりは、鉄板パネルを手前に引いて引き抜きます。

予めコネクターは全て外してあるので、これでPCBをバラせます。

フロントサブパネルを外した。

そして、PCBが全部バラバラにできました。画像のコントラストが低いから判りづらいですが…フロント側だけで、なんとPCBは7枚もあった・・・・!!

セットトータルでは13枚でしょうか。なかなかのモノ・・・。

識別しやすいように、各PCBを命名しよう。

「ロジック+ボリューム基板」
ロジック回路、モーター制御による入力セレクタ、そしてモーター駆動によるマスターボリュームが載っています。

「REC OUTセレクタ基板」
  REC OUT セレクタつまみが載っているだけの基板です。

「バランス+トーン基板」
  バランスボリュームとTREBLE, BASSトーンコントロール回路が載っています。

奥: 「スピーカーセレクタ基板」
  スピーカーA/B切替スイッチ、PURE-DIRECTスイッチ、ヘッドフォンジャックの載った基板です。

手前: 「ブリッジ基板」
  スピーカーセレクタ基板とロジック+ボリューム基板を橋渡しして信号経路になるだけの基板です。

フレキかリボンにすればいいのに。と思いますが、きっとこのブリッジが基板間を橋渡しして水平強度を上げる目論見もあったのでしょう。ロの字になりますからね。

また、「スピーカーセレクタ」とか「ピュアダイレクト」と言っても、この基板に直に音声信号が流れているわけではないです。マザーボード上のリレーをON/OFFするためのリモート信号がここに来ているというだけ。

しかもこのブリッジ基板で「いったんロジック+ボリューム基板へ渡し」、「ロジック回路でそれを処理し」、「さらにロジック+ボリューム基板からリボンケーブルでマザボへ降ろす」といった長大な迂回経路を辿っています。もう「お疲れさま」としか言いようがありません(笑)

「セレクタLED基板」「ボリュームLED基板」

とでも呼びましょう。そのまんま。

天面: 「フォノEQ基板

側面: 「LINE-INプリアンプ基板」

「マザボ」(笑)
主電源、プリ用副電源、パワーアンプと出力制御の載った基板です。PURE DIRECTの切替リレーも載っているみたいです。

「REC OUT基板」
REC OUT用のバッファとLPF、PRE OUT用のバッファなどが載っていてちょっとしたプリアンプ風。
フォノEQ基板、LINE-INプリアンプ基板、マザボと接合されて「ロの字」を形成しています。がっちりくっついていて外せません。(つまりメンテナンス性は最悪)

「ACアウトレット基板」
電源ケーブルと電源コネクタを中継して電源基板へと誘導する中継基板です。

「電源基板」
とはいえ、ここに主電源が載っているわけでもありません。
この基板の役割: 小さな電源トランスで常時通電されており、主トランスへ導通するためのリレーが載ったリモート基板です。当然ながら、ロジック回路にも繋がっています。(リモコンで電源OFF/ONできるので。)

一応これで半分以上のバラしはできましたからね。後はラクですよ。

今日はこのくらいにしておいてやるか〜

ゆっくり、少しずつ進めた方が楽しいのです。プラモデルと同じです。(バラしてあると部屋の中でジャマですけど。)

つづく

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投稿者

KeroYon

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