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ラウドスピーカーのブレイクイン中、20Hzのハーフパワースイング中に出力端がショート。パワーアンプから白煙が上がり、壊れてしまいました

修理のために開腹していきたいと思います。

 

裏板と天板のビスを徐々に外してゆく。ビスを紛失しないようサルベージします。

 

久々に天板を開けます。
天板に塵のようなものが乗っている??よく見ると、黒いススでした。うわ~、嫌な予感。

 

開腹して中を良く観ます。アンプ。目で凝視する、匂いを嗅ぐ・・・とても大事。

ああ、もう一目瞭然だ。
 

第5チャネル(左奥) 

黒煙を吹いたかのような形跡が。ススが飛び散っています

 

 

判りますかね。PCBの一部も基板ごと黒焦げです。
こりゃ基板ごと交換必至だな。

 

反対側の、(使っていた)第6チャネルは無傷っぽい。
やっぱり5chのみショートしたのですね。

まあ、5chのPCBが丸々ダメなのは判ったとして。他の故障箇所も特定します。全部バラしていきましょう。

 

分解前に、メモ写真をたくさん撮っておきます。自分で作ったものでも、ワイヤリングの重ね合わせまでは入念に覚えているわけではありません。 

フロントのビスも外します。こういうとき、スクリュードライバーを当てて傷を付けやすいため、ドライバーに手を当てながら慎重に外します。
フックアップも全て外します。

 

取り付けているPCBごと放熱器が外れました。中途半端はいけない。全バラシしていきます。
6chアンプの分解は普通のアンプよりもタイヘンです。ワイヤーの数がハンパ無いので、電源基板へアクセスするためにはケーブルを外して外しまくらないといけません。

 

改めて観てみると、被害状況はひどいものでした。

 

判りますか。バイアス抵抗部位も真っ黒焦げ・・・というより基板も含めて溶融しており、もうこのPCBは使えません。炉心融解レベルの大事故です。

ところで半導体の故障には、オープンモードとショートモードがあります。オープン=安全、ショート=危険と覚えておいてください。
今回は出力端ショートによる過電流破壊ですから、MOS-FETのASO破壊です。パワーMOS-FETでのASO破壊は、ほとんどがショートモード故障になります。(キケン、って事です!)

 

ご参考:

https://www.renesas.com/ja/document/grl/semiconductor-reliability-handbook

https://www.semicon.sanken-ele.co.jp/guide/basics/mosfet/3.html

Pch、NchともにD-S間ショートになりますので、するとG-S間にも過剰電位が瞬間的に掛かり、ゲート抵抗に大電流が流れ溶けたわけですね。
D-Sショートということは、コンマ数Ωでの電源短絡を意味します。電力供給源である電源回路もそれに巻き込まれて持って逝かれた可能性が出てきます。それが定電圧電源であれば制御Trがやられていたと思うし、また、今回のように非定電圧であれば前段である整流ブリッジが道連れにされた可能性があります。150A耐性の整流ブリッジがやられるほどの電流であれば、今度は電源トランスのエナメル絶縁が溶融してショートした可能性だってあります。こういうのを芋づると言います。。。怖い怖い!  これが極端な大電力になると、火災まで繋がります。

まずは電源回路のヒューズを調べました。
よかった。これは溶融していない。電源トランスが融解するような事故であれば、まずヒューズがやられている筈なんですよ。

 

じゃ、電源基板を外して観ていきましょう。

 

この基板、便利な機能が付いています。それは放電LEDです。
電源切ってもしばらくはこのLEDは点いており、平滑キャパシタの放電が終わるとLEDが消える仕掛けです。放電チェックしつつ安心して作業できるというわけです。抵抗+LEDが放電器の役割も兼ねています。
しかしながら、念の為に抵抗で平滑Cの放電もしておきます。

さて、整流ダイオードの故障をチェックしましょう。手持ちテスターのダイオードチェックモードを使います。

 

観たところは焼けたようには見えないですねえ。

 

ちょっと分かりにくいですが、放熱器の表側と裏側と、両方にショトキーのダイオードアレイが付いています。これで+ー別々にブリッジを形成します。
つまり、+側で4個。ー側で4個の合計8素子のショトキーでブリッジを形成するという、たいへん贅沢な作りになっています。

逆に言うと、8個ぶんチェックが必要というわけですね。。。

 

外見TO-247のショトキーのダイオードアレイ。カソードコモンです。レアキャラなので、型番を写真しておきます。

 

1本ずつ、合計8回、ダイオードの状態をチェックします。
電位が0.6V~0.7Vあたりからスタートし、徐々に電圧上昇していけばOK品です。
これが極端に低かったりO.Lだったりしたら、ダイオードがやられています。

電圧が0.6から一定せずにジリジリ上がっていってしまうのは、繋がってるキャパシタにチャージされていってしまうから。(笑
結論としては、8本すべて大丈夫でした。良かった~~。ニヤリ

なんといっても、ダイオードOKということは、他はやられていない事の(確実ではないが)査証になります。どうやら修理は最小限で済みそうな予感。

 

最悪の事態は回避していそう、と、ホッと胸を撫で下ろしたという所で夕食に出掛けます。基板交換やテストは少し先になりそう。

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投稿者

KeroYon

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