Andromeda – Gamma、
特段不満もなく毎日のほほんと音楽鑑賞もしています。
ここのところ片っ端から複数要素を計測してきましたが、Gamma計測シリーズとしては今回が最終回。
ルームゲインも含めた周波数スペクトルと、次にCSDを見て終わりにしましょう。
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まずはルームスペクトル(造語)からです。
簡単に言ってしまうと、部屋の残響を伴う、累積スペクトルも含めた、ルームゲイン込みでの、リスニングポジション付近の総合的な周波数分布。かな。
大昔に長岡鉄男センセが「スペアナ」と称して雑誌に載せていたものであるとか、WaveSpectraあたりを使っていい加減な測定をしたグラフと同じものと考えて大丈夫です。
さらにざっくり言えば、「擬似無響室測定ではない測定」ということになります。有響スペクトルとでも呼んでおきましょうか。

これが我が家のGamma V5を鳴らしたときの、リスニングポジション周辺の周波数スペクトルです。
さすがに無響計測のときのようにどフラットとは行きませんね。かなり暴れています。たとえば低域端は中域に比べると10dB以上盛り上がってしまっています。でもこれは有響室であれば一般的な傾向です。
ここで注意しておかなければいけないことは、ヒト聴覚にはこの有響スペクトルのような特性で聴こえていないということ。ヒト聴覚は特有の時間窓を通して音を認知しているため、長時間の累積重畳結果であるこのスペクトルとは異なる聴こえ方になっているということです。
拙宅の有響スペクトルはご覧のような有様ですが、低域が極端に太っちょに聞こえることはまるでなく。極めて自然です。
仮にこの有響スペクトルを判断基準にして、低域も平坦になるように音量調整してしまうと、低音がひどく痩せて寂しいものになってしまいます。音響調整はあくまでも無響室相当で平坦となるよう調整しなければなりません。Stereophileもリスニングポイントの特性でなく、擬似無響の結果を最優先の指標で評価しています。
では、この有響スペクトルにまったく意味はないのか?というと、そんなことはありません。
部屋の残響や定在波が要因で、極端なスペクトルの偏りやピークディップは出ていないかの確認。すなわちスピーカー制作の参考値にはならないが、スピーカーの設置方法やルームチューニングにはとても役立つ指標となります。
<Gamma V5, 有響と無響の比較>
ピンクが有響室のRTA。ブルーが疑似無響計測結果。

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では次にCSDを見ておきましょう。
CSDは俗にいうWaterfallのことです。こういうの。

CSDをご存知ない方のために簡単に解説も。
CSD = CumulativeSpectralDecay。日本語に訳すなら累積スペクトラム減衰。
俗にいうEnergy Storage=エネルギー蓄積の評価にもこの指標が使われます。
X軸が周波数。Y軸が音圧レベル。Z軸が信号印加後からの経過時間を示しています。
信号が印加された後に余計な尾を引かず、音がピタっと止まるれば最高性能です。すなわち、波形が手前側にいつまでも残っていると過渡応答特性が悪いと判断されます。ドライバーに信号が印加される。そのあと、キャビネットの共鳴が残ったり、バスレフポートの共振が残ったり、サラウンドやスパイダーの共振が乗ったり、ダイアフラムのブレイクアップが十分に潰せていなかったり。そうした基本性能の悪さ、設計のまずさなどがあると、CSDは劣化します。
(”共振”と名のつくものはQを持っており、大概においてなかなか止まらないものです)
グラフが奥側にぴしゃりとへばりついている程、性能がよいと判断してよいでしょう。仮に減衰が長く尾を引いていたとしても、その減衰レベルが十分であれば問題になりません。聴こえないですからね。
一方、低域になるにつれてCSDの減衰時間が長く見えるのは「自然」です。性能が悪いわけではないので見誤らないようにしないといけません。ちょっと考えればわかることですが、波長の長い低域を十分に再生するには十分な時間長が必要。だから信号印加時間も長くなっているはずですし、グラフにもそれが反映されているだけです。また、低域のCSDを見るには時間窓を長く取らなければなりませんが、有響室ではだんだんと反射影響を受け始め、正しいCSDの評価は難しくなります。
したがって、アマチュアが判断しようとすると、中域500Hz以上、5ms付近が限界かなとも思います。
(Stereophileの場合だと、Measurement時は美術館ホールのような広大な部屋を貸し切って、この課題を解決しています。そうした場合はかなり低い方まで正確に測れるでしょう。)
まとめますと、CSDは周波数領域だけでなく、時間領域の性能を見るのに好適です。
周波数ドメインで優秀に見せる・見せかけるのは比較的容易なのですが、クロスオーバーに手抜きがあったり、ドライバーの基本設計やエンクロージャーの強度に問題があったりすると、とたんにCSD(時間ドメイン)は劣化します。
CSDの悪いラウドスピーカーは一見するところフラットでも、楽器の音が不鮮明であったり、特有のクセを感じたり、はたまたステージ再現に問題が出たりすると考えられます。
ではでは、拙宅のGamma -V5のCSDを見ていきたいと思います。
まずは時間窓5msから。
Time Window = 5ms.
音圧Y軸 = -18dB
減衰Z軸 = 14ms.

うう〜ん?ずいぶんキレイに見えますねえ。
これはたぶん減衰時間を14msと長めにとっているせいでしょうね。
実のところ、私もCSDに関してそんなに評価眼が肥えているわけでもないので、良いんだか悪いんだかいまいち分からないところがあります。
CSDというものは、グラフスケールの取り方次第で良く見えるようにも悪く見えるようにもできてしまうので、注意が必要です。波形の形状だけ見て良否判断を見誤らないようにしなければいけません。時間窓はどうだったのか。常にY軸とZ軸のスケールに着目しなければなりません。
たとえば、上記グラフと全く同じものを、こんどはスケールを違えて「悪く見えるよう」してみましょう。
Z軸の減衰時間を短くして、「長く尾を引いている」様子をはっきり見せます。
Time Window = 5ms.
音圧Y軸 = -18dB
減衰Z軸 = 5ms.

いや、これでも・・・・かなりキレイなんじゃないかな。前述のとおり私は目が肥えているわけではないです。それでも、特にトゥイーター領域はかなり優秀に見えますね。
2.数kHzにわずかな共振が残っているように見えますが、これはETON(ミッドバス)側の高域共振が潰れきれず残っているか、またはエッジ共振じゃないかな。いずれにせよ-15dB未満には減衰しているんで、ほとんど影響は無いです。
ということで、少なくとも中〜高域セグメントではなかなか優秀なのではという見立てになりました。(あくまで私感ね。)ここまでは割と信憑性のあるデータです。=5ms以内だから。
さて、5msでは500Hzくらいまでしか見えないので、次に一挙に時間窓を15ms.まで広げます。
実のところ、23畳程の狭い拙宅ではいつもの設置場所にどかっとおいただけの状態で、タイムドメインを15ms.で正確に測るのは無理があります。つまり、反射をたくさん拾っている。また、CSDは演算量が極端に増えるらしく、15ms.では不安定となり、再現性にも難が出ました。すなわちココから先は信ぴょう性が怪しいです。ムリを承知で無理やり測ったのがこちら。
Time Window = 15ms.
音圧Y軸 = -18dB
減衰Z軸 = 14ms.

これでも、中低域はそれなりに尾を引いていますがまあ、減衰量がそれなりにあるので。
そんなに劣悪には見えないですね。
上図は時間窓が長すぎるから、床や隣のスピーカーからの反射波を再現してしまっており、正しくスピーカー単独CSDの評価になっていないのです。
さらに、減衰時間を縮めて見ると。
Time Window = 15ms.
音圧Y軸 = -18dB
減衰Z軸 = 5ms.

ハイ、尾引きのようすが一層鮮明になりましたね。
正直、これが良いんだか悪いんだか・・・・判断に苦しみます。なおかつこれ、部屋の反射をもろ拾っているので・・・単体評価になっていない気が。
判断に困った時は、市販ハイエンドスピーカーシステムのCSDを見るに限ります!いつものやつ、お願いします!つまり他のシステムとの相対比較によって、良し悪しを判断しようという手法ですね。
ってコトで・・・まず
Bowers & Wilkins さんの 804D4。

減衰時間が短めだから、まあ・・・優秀なんでしょうね。
4kHzはたぶんミッドバスの高域共振が潰しきれてないかな?
ダイアモンドなのに、18kHzになんかあるね。減衰量が大きいからまあいいか?
4kHzあたりは、多分ミッドバスの高域共振の名残・・・。これは聞こえるかも。
・・・というような見方をするわけです。
これはWilson AudioのAlexia2ですが。さすが!です。

このスピーカー必ずしもf特はフラットではないんですけどね。減衰時間の短さがさすが
2ms.ですべてがスッと止まる。音圧スケールにも着目です。たぶんコレは評価どおりに静けさをもったスピーカーシステムでしょう。全体として共振ざわちんな気配はしますが、これは剛体系スピーカーとして当然。にしては減衰量と減衰峻度がすごいです。明らかに優秀。
次はSonusのOlympica Nova2かな。

これもなかなかいいですね。
特に高域は、ソフトドームらしく付帯共振の気配すら感じさせません。
ただ、これに見比べてもAMTPRO-4の減衰はさらに速い気がします。
2-3kHzあたりには多分クロスオーバーに起因する共振の気配が見られますが、3ms.くらいでもこれは聞こえるのか。
ParadigmのFounder 120Hというもの。
あんまり良くは見えません。

高域のざわちんがレベルが高く、少々尾を引く様子が見られます。これが聞こえるか聴こえないか。こういう特性だと透明度に影響が出るかもしれませんし、はたまたカラーレーションを感じるかもしれません。もっとも、この帯域が聴こえない高齢層になるとモーマンタイという事にもなりそうですが・・・ (^-^;)
高域に至るまでの中低域~中高域の整いはまずまずと思います。
これらと比較してみた結論としては、ウチのGammaは
・中・高域だけならハイエンドと比べても遜色ない/比較的優秀なのでは
・中低域は良く分からない・・・たぶん普通、凡庸かな?
という感触になりました。
脱線ですが:・・・・これはなに?

これは、B&Wの804D4の箱にマイクくっつけて、箱の共振CSDを測ったのですって。つくづく意地悪なことしますね。ご覧のとおり、180Hzレベルの高い共振が長く長く尾を引き続けます。エンクロージャーって難しいな〜。
おしまい

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