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古のアナログプレーヤーが襲来

大昔のYAMAHAの YP-D7 というアナログプレーヤーがあります。
そいつを入手しました。

こんな商品です。1978年発売だから、48年前か〜・・・。約半世紀が経過。

着弾です。

大した製品ではないですが、それでも重いですねぇ。。。 14kgですか。梱包質量は15kg超えてます。
価格からは考えられないくらい立派な製品。

外観は・・・年式にしてはキレイというか、汚いというか・・・。(笑)
うん汚い。まあこんなもんでしょうか。

SpaceDeckを持っているのに、どうしてこんなモノをゲットしたのかというと。。。。もちろん、サブプレイヤーが欲しかったとか、そんな理由ではありませぬ。実は。。。。

お目当てのトーンアームです。

かなりサビ、くすみ、腐食が目立ちますね。

実は、このプレーヤーに付いているアーム「だけ」が欲しかったのです。プラッターやモーターやキャビネットはまったく必要ない。アームだけが欲しい。

実はこのYP-D7についているトーンアーム(YP-D9やD10も同等品)は、水平/垂直ともに初動感度が3mgという、オバケアームなのです。これがどのくらい物凄いかというと、もちろん後年のGT-2000よりも高感度だし、なんと、伝説の名器、Technics EPA-100 MK2よりも高感度なのです。お化け級の高感度と言われたEPA-100MK2でさえ5mgだった。それよりもさらに2mgも感度が高い。これがいかほど異常値かというのは、他の一般的トーンアームと比較することで明らかになります。

Tonearms Parameter Comparison
ブランド 代表モデル 初動感度(推定含)
Technics 8EPA-100、EPA100mk2 5mg(公称) ←当時.超高感度と云われていた
YAMAHA YP-D7, D9 3mg(公称)
SME 3009等 水平5〜10mg(推定)
垂直10〜20mg(推定)
SAEC WE-308、407/23等 垂直5〜8mg
FR FR-64s、FR-66 15〜30mm
TRIO KP-1100 7〜15mg(推定)

超高感度アームのメリデメ

もちろん、超高感度だけが高音質要素ではないし、感度が悪くても音のよいアームはたくさんあります。トレードオフがあるから。それでもあえて、高感度アームがどれだけ凄いのか、利点を説明してみますね。

超高感度ってなあに?

分かりやすく言うと、アームに蚊がちょんと留まっただけでも動いてしまう。つまり、フリクションが極限までに低いということです。そうすると、いったい何が起きるのでしょうか?

アナログレコードにはさまざまな「外乱」があります。高感度だと、それらを無効化できるという効能が生まれます。代表例がVinylの偏心や反りですね。Vinylは正確にセンターに丸穴が空いているわけではないんです。わずかにオフセンターに穴が開いているからカートリッジから見ると音溝は左右にフレて見える。また、Vinylには反りがひどいものもある。その場合はカートリッジから見ると音溝は上下にフレて見える。

それらの外乱は再生音にも影響が出ます。再生音が不安定になる、位相や音像がブレて揺らぐ、ワウやフラッターのようにレベルや音階の揺らぎとして感じられてしまう場合もある。しかし、アームが超高感度だと、これら外乱に「なんなく追従してしまう」から「無かったこと」にできるのです。

針圧2.0g(2000mg)で動いているカートリッジ。それに対して、たった0.15%の力で追随できるのです。ありとあらゆるカートリッジの動きに対し、「ほぼ制約なしに動けるアーム」と言える。上下左右に揺られようが、フリクションがゼロに近いから、追随できてしまうのです。筋力が高く体重が軽く、反復横跳びの得意なアスリートといえるでしょう。(逆は何がぶつがっても動じない、相撲取り力士。)

このような高感度アームでは、とりわけ「ハイコンプライアンスタイプ」のMCカートリッジが威力を発揮するでしょう。DENONの高いやつ、テクニカの高いやつなど。逆にDL-103やオルトフォンのようなローコンタイプにこんな高感度アームは不要でしょう。弊害の方が大きいかも。

  • DENON DL-1000A : 凄く向く
  • DENON DL-304 : 凄く向く
  • AudioTechnica AT-33E系 : 向く
  • AudioTechnica AT-F5系 : まあまあ向く
  • DENON DL-103 : あまり向かない
  • SHURE V-15等のMM系 : 向かない
  • entre EC-45 : 向かない
  • Ortofon SPU系 : 全く向かない

EPA-100mk2が”異次元の再生音”と称されたのも、その”超高感度あってこそ”だったのだろうと想像しています。このYP-D7のアームはそれを更に超えるほどの高性能を有しているというわけ。

ただ、高感度アームはあらゆる点でサイコーなのか?というと、トレードオフもあります。簡単に言うとカートリッジの個性や瑕疵がそっくりそのまま出すぎるのです。とくにカートのコンプライアンスの設計にはモロに影響を受ける。万能型ではないかも知れません。

わかりやすく、野球のキャッチャーなどに例えると:

  • 超高感度アーム:ピッチャーに気持ちよく好きに投げさせ、”ピッチャーの能力次第”では最高の成績
    (ピッチャーを一切拘束しないで最高性能を引き出す)
  • 中感度アーム:巧みなリードと配球で、どんなピッチャーが相方でもでそれなりの成績 
    (ピッチャーを強くコントロールして強引に補正する)

さて、そんなわけでこのアームをサルベージして、一体どうしたいんだ・・・という話は長くなってしまったので次回以降に延長します。
まずはキレイな状態へメンテしないと。

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4件のコメント

  1. 面白いことを始められましたね。

    垂直方向感度については、長期的安定性も含めて、ナイフエッジ一択と思い込んでいましたが、そうでもないのですね。ジンバルタイプの感度は7mgと記憶していたのですが、製品により差があったのですね。

    アームは輸送や取付け時に傷みやすいので、その点も気になります。

    1. >nkiさん
      コメントありがとうございます。
      昔、マイクロ精機使用時代にSAECのWE317というアーム(ダブルナイフエッジ)を所有しており、どっしりと安定感があり大変素晴らしい音でした。安易に手放してしまったことが悔やまれます。
        
      今回のこのアームが「音でもSAECを越えられる」などとは毛頭考えておりません。(^ ^;)
      ただ、今更SAECの買い戻しはできないし、EPA-100mkIIを超える初動感度ということで興味が湧いたため、サブアームとして採用することにしました。
      TechnicsもYAMAHAも独自のマイクロベアリングを開発することで、超高感度を実現しているそうです。また、ダブルナイフエッジは接触部に微細な局所変形やわずかな食い込みがあり、そのフリクション壁を乗り越える必要があるので、超々高感度には限界がある。ナイフエッジはむしろ、数字の静止感度稼ぎよりも、実際の音出し時の動特性に優位性があるらしいですね。原理的にガタがゼロ、機械系として一体化された高剛性。
       
      初動感度だけで良い音が出れば苦労はしませんね。
      ただ、極端な高感度だと音にどう影響するのかは興味の尽きない部分ではあります。
       
      > アームは輸送や取付け時に傷みやすいので、その点も気になります。
      そこも仰る通りで、なにせ半世紀放置された遺跡ですから。初期性能を維持していない可能性は大です。素人に静止初動感度を計測するのは至難なので、音で判断するしかありません。ガタや感度劣化があれば音質にも出るでしょう。
      まあ、サブのアームなので過度の期待はしていないが、愉しみたいというのはあります (^ ^;

      1. ダブルナイフエッジは、機構が複雑になるので、感度の点では不利そうですね。
        ベアリングが小さくなれば、初動感度が良くなる点も納得はできます。

        江川三郎氏であったか、ボールペンの先を軸受にしたトーンアームを自作されていたように記憶しています。

        しかし、音の良いトーンアームの要素とは何でしょうね?
        不要な共振を持たないなどが、挙げられそうです。

        1. >nkiさん
          当時のYAMAHAが考える音のよいアームの要素は、YAMAHAのカタログに書いてありました。(笑)

          厄介なのは、ブランド毎に、その考えている要件が異なるところなんでしょうね。顧客はそれに翻弄され右往左往。
           
          カートリッジで励振された振動がパイプを伝わって軸受に達する。その時の振動収束がナイフエッジは[素直]なのだそうです。剛結だから軸受を伝ってベースへ逃がされるのかしら。
          それと、SAECのナイフエッジは未だに職人手磨きなそうですから。バラツキもあるはず。確かに原理的感度は稼ぎにくいけど、7mgのものもあれば、2mgのオバケ感度も混ざってたんじゃないでしょうか。うん、もはや工業製品では無いですね。。。

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投稿者

KeroYon

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