LS-11ES(8) え〜い、もう側板を補強しちまえ

KENWOOD LS-11ESを骨までしゃぶるシリーズ～

サイドパネルを何とかしたいの巻

まあまあ、随分キレイになっちゃって、、、あとは屠られるのを待つだけのLS-11ES。
しかし・・・直近の課題は次のふたつです。

　1) 詰んでるウーファーをどのように御するか

　2) エンクロージャーがゴンゴン鳴き過ぎ

1は制動材なりDSPなりで何とかするとして…。
問題は物理的な2の方。（1も物理だけど）

箱を拳で叩くとですね、ゴンゴンと盛大に鳴るのです。ちなみにAndromedaは叩くとカツカツ、Xbassに至ってはカキカキという音がします。そこまでは届かないにしてももう少し何とかしたい。吸音材増量だけじゃ何ともならない。

でも、エンクロージャーを徹底改造してしまうと…
もう「現状お戻し」は無理。売却することを考えると（いずれは売却するでしょうし）これはデグレード。どうするか・・・。悩んだ挙げ句、もう売れなくていいやオレが骨までしゃぶったると覚悟して、改造を決意しました。
…といってもこんなモンに過剰コストは掛けたくない。そこも最小限です。過剰なブレーシングをすると、内容積が大きく削れてしまう。シミュレーション結果からもタダでさえ内容積不足のこのスピーカー。補強材の容積も最小限にしないといけません。箱を叩いていると、板厚のあるバッフルはバスケットによる補強も効くし、無問題。天地は面積が小さいから15mm厚でも十分でほぼ鳴かない。問題はやっぱりサイドパネルです。ここが叩くとゴンゴンと無く。しかもかなり尾を引く。

…というわけで、サイドパネルだけに最小限のブレーシングをすることにしました。

補強工作編

成形・準備したのは上図4本の部材です。ラワン単板。ひとつの大きさは14mm x 30mm x 199mm。

199mmというのは大きめサイズで、このままではギチギチで入らないのですが、サンドペーパー#6で数百ミクロン磨いてギリギリはまるくらいにします。トンカチで叩かないと入っていかないレベルですが、その位が良いんです。

型紙を作ります。

型紙を箱の中に突っ込んで、接着位置をケガキます。

接着剤は定番、フランクリンのタイトボンドです。たびたび解説している通り、この接着剤は硬化すると木よりも強固になります。それでいて、柔軟性もゼロではなくクラックは入らないので、このような補強使徒には好適です。

たっぷりはみ出す位に塗って、トンカチで挿入して圧着します。重りやハタガネが無くとも圧着されるくらいキツい。接着剤のタレが嫌なので、1本ずつ作業していきます。

両脇へ2本の補強材がうまいこと付きました。ほぼガタなしです。ブレーシングが付いている箱と付いていない箱を拳で叩いてみると、やはり打音が違うように聴こえます。

…ということで。
側板の補強前/後で、拳で叩いたときの打音がどう変わるかを録音してみた。（トクベツ企画ですのでそのうち消します）

私感ですが、カンペキではないにせよゴンゴンがコンコンくらいには変わったかな？？

打音の周波数が低い方から高い方へシフトするのと、音圧が少し小さくなるのと、それから「尾引き」も多少は減ったように聴こえました。完全乾燥する前に録音してこれですから、乾燥した数日後に録音すればさらに乾いた高い音になるかもしれません。高い方へシフトするのは必ずしも良い事ばかりではないです。

いちおう効果は有ったと判断します。後は吸音材の種類と入れ方、それからスパイキングも含めた設置によっても、エンクロージャーの鳴り／鳴き方は変化するでしょう。