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ディジタルオーディオにおけるジッター影響

ディジタルオーディオのディジタルドメインにおける代表的な音質劣化要因として、ジッターが挙げられます。

ただ、私の知る限りほとんどが「個人の感想文」レベルの話にとどまり、ジッターがヒト聴覚検知できるかの科学的立証や、有効性を論理的客観的に扱った文献を見たことがありません。

そこで、AIに科学的なエビデンスを調べてもらいました。

オーディオ信号のジッター(時間軸の揺らぎ)による音質劣化をヒトの聴覚が認識・識別できるかどうかについては、多くの議論と研究があります。ただし、明確に「ジッター単独の影響」を証明した論文は少なく、多くの研究では**「ジッターの影響が音質に及ぼす可能性はあるが、可聴性には条件がある」**という結論が一般的です。

1. 既存の研究・論文

いくつかの研究や論文では、ジッターが音質に影響を与える可能性があることを示しています。

① Benjamin & Gannon (1998)

  • 論文: “Theoretical and Audible Effects of Jitter on Digital Audio Quality”
  • 概要:
    • デジタルオーディオ信号のジッターによる影響をシミュレーションし、聴覚実験を実施。
    • 一部のジッター(特に高周波成分を含むもの)は可聴である可能性があるが、一般的な環境ではほとんど検出されないと結論。
    • つまり、特定の条件下でのみジッターは聴覚的に認識されうる

② Hawksford & Malcolm (1997)

  • 論文: “Jitter and Digital Audio Performance”
  • 概要:
    • 高いジッターレベル(数ナノ秒以上)が発生すると、信号の位相誤差が増加し、音質の変化が測定される。
    • しかし、通常のオーディオ機器において発生するジッター(ピコ秒オーダー)は、聴覚的にはほぼ検出不可能と結論。

③ Julian Dunn (2000)

  • 論文: “Jitter Theory and Practice”
  • 概要:
    • ジッターの種類(ランダムジッター、周期ジッター、データ依存性ジッター)によって音質への影響が異なる。
    • 周期ジッターが特に可聴となる可能性があるが、その影響は非常に微小。
    • つまり、通常のオーディオ環境では影響を受けることはほぼない

2. 研究の共通点

上記の研究の多くでは、以下のような結論が共通しています。

  1. ジッターの影響が可聴となるには、極端な条件が必要

    • 数百ナノ秒(ns)以上のジッターが発生しない限り、聴覚的に識別するのは難しい。
    • しかし、一般的な高品質なオーディオシステムではジッターは通常ピコ秒(ps)オーダーであり、可聴閾値を大きく下回る。
  2. ジッターが影響を与える場合、それは間接的な要因であることが多い

    • 例えば、DAコンバーターのジッター耐性が低いと、ノイズや歪みが増加し、結果として音質が劣化する可能性がある。
    • しかし、ジッター単独ではなく、DA変換の質の方が音質への影響が大きい
  3. 周期ジッターの方が影響を与えやすい

    • ランダムなジッター(ホワイトノイズ的な揺らぎ)は聴覚で検出されにくい。
    • 一方、周期的なジッターは高調波歪みの原因となるため、可聴性が上がる可能性がある

3. ジッターの可聴性を実験的に証明した研究はあるのか?

  • 「ジッターが確実に聴覚的に識別できる」ことを証明した研究はほとんどない。
    • これまでの研究では、ジッターの影響を示す理論的モデルやシミュレーションは存在するが、実際のリスニングテストで明確な違いを示した結果は少ない
    • リスニング環境、音源、機材によって可聴性の結果が大きく異なるため、一貫した結論を出すのが難しい。

4. 結論

  • ジッターが音質に影響を与える可能性はあるが、通常のオーディオ機器では可聴性は極めて低い。
  • 聴覚実験で明確に識別できるという証拠は少なく、ジッター単独での音質変化は理論的には微小。
  • 周期的なジッターは可聴性が高くなる可能性があるが、それでも一定以上のレベルでないと知覚されにくい。
  • DAコンバーターの設計やノイズの影響の方が、ジッター単体よりも音質変化の要因として重要。

5. 参考文献

  • Benjamin, E., & Gannon, T. (1998). Theoretical and Audible Effects of Jitter on Digital Audio Quality. AES Convention Paper.
  • Hawksford, M. & Malcolm, O. (1997). Jitter and Digital Audio Performance. Journal of the AES.
  • Dunn, J. (2000). Jitter Theory and Practice. AES Technical Papers.

ジッターの影響についてさらに詳しい研究や論文が知りたい場合は、**AES(Audio Engineering Society)**の論文データベースを調べるのが有効です。

 

確証バイアスやバンドワゴンで変動するヒト聴覚伝達関数

視聴において、確かに音は変化します。

しかしそのとき、再生側の物理特性が本当に変化したとは限りません。聴取側の各種変動要因によって受け側つまりヒトの伝達関数が大幅に変わってしまうケースが多いことを忘れてはいけません。「確かに、そのヒトにとっての音は変わって聴こえる」のです。だが、それはヒト側の変動要因である場合があります。さらにオーディオ装置側の伝達関数とは比較にならないほど、それは大きく変動する。

この場合、音は絶対に違って聴こえます。

ヒト聴覚・・・というよりヒトの認知性能は再現性や信頼性がありません。トレーニングによる神的な耳は存在しますが、測定器にはなれません。いつも受容特性が揺れ動いている測定器はありません。

ヒトは先入観によって、認知結果が大きく変わる。

以下、ご興味があれば認知阻害要因について学んでみてください。

  • プラセボ効果(Placebo Effect)
  • 確証バイアス(Confirmation Bias)
  • ハロー効果(Halo Effect)
  • 逆ハロー効果(Horn Effect)
  • アンカリング効果(Anchoring Effect)
  • ピグマリオン効果(Pygmalion Effect)
  • ゴーレム効果(Golem Effect)
  • クレショフ効果(Kuleshov Effect)
  • フレーミング効果(Framing Effect)
  • バーナム効果(Barnum Effect)
  • 後知恵バイアス(Hindsight Bias)
  • ステレオタイプ(Stereotype)

例えば、確証バイアスは、年齢層が高ければ高いほど強めに出る傾向があります。アンコンシャスバイアスも、同様。自身の審美眼には常に疑念をもって臨む冷めた姿勢が必要です。

というわけで。私が「差がある!」「Aがいい!」「Bがいい!」と叫んでいる実験についても、まったくもってアテにはなりません~。(と免罪符にしてみる実験)

この原稿は次回以降の試聴の前フリだったりします。

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投稿者

KeroYon

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