前から行ってみたいとは思っていた保谷市のJAZZ喫茶、Bunca(ばんか)へ行ってみました。
あ、そうか。今は田無市も保谷市も存在しないんでした、正しくは西東京市ですね。
保谷駅を地図で調べてみると、、、なんと意外と近いんじゃんということで。チャリ自走で向かいます。
ただし、効率のよい経路がない。
途中までは「保谷狭山親善公園自転車道線(なまえ長ぇ!)」に乗って快調でしたが、途中からGoogleナビ(最低野郎)に頼ったこととも相待って、経路がみるみるぐだぐだに。ほぼ「迷っている」と言って良いようなZIGZAG軌跡を描きます。
それでも、長年の ナビなし/27時間/夜通し/一般道ドライビン/ で培った野生の方位感(?)で、なんとなくは近づいてゆきます。


帰路は若干ながら直線的で。多少はマシになりましたね。
でも結局「野火止用水路」+「保谷狭山親善公園自転車道線」という分かりやすい経路が一番効率がよく。多少は回り道でも、迷いなく突っ走れる道が結局時短になりました。
もし次回チャンスがあるならば、きっと「気持ちよく」「快適な」ルートをチョイスできると思います。経路も決めずに行き当たりばったりでアプローチすると失敗しますね。しかしその彷徨いもポタリングの楽しみだったりして…。

武蔵大和駅の近く。ここが「保谷狭山親善公園自転車道線」の起点・入口になります。

ま正確に言うと。その反対側の狭山湖自転車道からずっと続いているんですけどね。

ここは何度か走ったことあり。
整備され、木陰が続く非常に気持ちのよい経路です。西武線に沿って東南へ下り、最後は武蔵境まで至るCRです。
とはいえ、サイクリング専用のCRというわけではなく。歩行者やランナーも沢山いるので極端に飛ばすのは厳禁です。途中、輪止め、一時停止、陸橋などはあるのですが、基本的には車が歩行者や自転車を優先して止まってくれる道でもあるので、信号以外はほとんどノンストップで走れるという、河川CRなみにすごい道。

じゃっかん迷って、Buncaに到着したのは14:45頃。

Buncaは駅近ですが、喧騒から離れた住宅街にひっそりと建っています。非常に雰囲気のよい外観。
薄暗い店内。
残念ながら満席とのことで、しばらく外で待ってみる。

実は、私のほかにも、この店外にはロードバイクが4台も・・・! やっぱりロード乗りはこういうところへ「来たがる生物」なのですかね。
15分ほど店外で待っていると、カウンターなら空いていると声をかけていただき、中に入れてもらえました。
仄暗い店内。さすがJAZZ喫茶の雰囲気でスモーキーです。(タバコは誰も吸っていませんが(笑))写真で見る以上に薄暗く、実にイイ感じを醸し出している。

レビューでも有名なケーキセットをオーダー。ケーキは数種類から選ばせてもらえる。私はこの紅茶モンブランをいただきました。ハロウィン仕様ですかね? もう、食べなくても分かる。美味いに決まってるやつです。

珈琲も美味しいですね。おかわりもいただきました。ブレンド600円に対し、おかわり300円だとついつい頼んじゃますね。


途中から、カウンターではなく良席が空いたので、移動させて頂けました。JBLを正面から捉えられるポジション、音楽を聞くならよい席です。ケーキも珈琲もゆ〜っくり、頂きました。長居したいというのもあるんですが、食べるのが勿体無いくらいのケーキなのです。丁寧な味がする。

店内は極端な低照度。私のスマホカメラでは、何度撮ってもピンボケ風の写真にしかなりません(笑
でも、どんな席に座ったのかは判りますね。たまに中央にも行かせていただき、サウンドステージも確認させてもらいまいた。
席に座っている皆さん、なかなか帰りませんね(笑)だいたい1時間以上は滞在している様子に見えました。単にCafeに来たと言うより、JAZZに浸りに来たという感じが出ています。
どうせ来客はオッサン/爺ばかりなんだろう、と思っていたら、若めの女性も幾人かいらして、世代を問わない感じでした。さすがに子連れはいませんが、カップルはいらした。
ラウドスピーカーは JBL-4344かなと思ったら、どうもこれは4343らしいです。
棚の上に2235H(フェライト)のスペアらしきドライバーが積んであったから、4343-Bタイプなのか、はたまたフェライトをアルニコへ載せ替えた結果として未使用のドライバなのか、どちらかでしょうね。
顧客や店主の邪魔にならないよう、こっそりと装置などを物色してきました。
鳴らしているランナップはこんな感じです。
- アナログプレーヤー: YAMAHA GT-2000X
- カートリッジ:不明 よく見えない
- プリアンプ: UESUGI U-BROS-1 (使っている人、初めて見た!)
- パワーアンプ:SUN AUDIO SV-300BE stereo
- ラウドスピーカー:JBL 4343(B?)
ほかに、SUN AUDIO のSV-2A3PE (monoアンプ x 2) も置いてありましたが、鳴らしているのは300Bのステレオ一体型でした。
プリ〜パワー間は8m以上のラインケーブルで引っ張り回しているものと思われます。
壁面には数万枚と言われる、素晴らしいアナログのコレクション。よくぞ集めたりという感。しかも、ジャケットの痛み具合を見ればわかる。死蔵しているのではなく、相当に聴き込まれた形跡が見られます。「生きたコレクション」と言えると思います。これもあってか、店内で流れているソースはほぼアナログです。

棚の上にはさまざまな装置が置かれています(置いてあるだけ。)
特に近づかなくても、私には何者であるかが何となく分かってしまいます。

入店直後はART PEPPERの名盤が掛かっていた。
私が居た時間帯に掛かっていた盤をざっとご紹介しておきます。
マニアックではなく、メジャー処の名盤を聞かせてくれたのが嬉しいです。

Art Pepper Quartet – modern art

Grant Green – The Latin Bit

Bill Evans – At The Montreux Jazz Festival

The Jazz Messengers / Art Blakey – At The Cafe Bohemia Volume 1
とまあ、この4枚をほぼフルで聴かせて頂いた。
Buncaの音
それなりの音量(オーディオファイルには中音量、一般人には大音量)で鳴っているにも関わらず、やかましさが全くなく、実にゆったりと鳴っています。4343/4344は色々聴いたが、こういう音で鳴らしているのを初めて聴いたかも知れません。4343はもっと迫力があり/しかし、ともすると神経質な金臭い音や脚色も感じる…のですが、Buncaの音はもう少し包容力があって、なんなら「艶(なまめ)かしい」…まである音でした。
最初、鈍くて丸い音なのかな〜と感じましたが、決してそうではなく。包容力はあるが実にアトラクティブで浸透力もある音。
まず、ギター、アルト、テナー、ハイハット。どれも音が”分厚い”ことに感銘を受けます。決して細身にはならないんです。そんなに高分解能タイプではないが、しかしトリルやブロウやブラシワークは巧みに「それらしく」聞かせる。「JAZZはやっぱりこうでなくちゃ」みたいな説得力の伴った音質です。
コンプレッションドライバーが受け持っている帯域は特によいと感じさせる、さすがホーンだなと思わせる浸透力ですね。
レコードを掛け替えるたびにスクラッチノイズでアナログだと分かるのですが、明快にキズの入った盤を除けば不思議とスクラッチが目立たないチューニングで、むしろノイズが環境ノイズとして良い味も出しています。

周波数レンジは、決して広くはないですね。もっとはっきり書くと「狭い」。
ですが、制限されたその帯域内の密度が「ぎゅっ」と濃ゆいのです。闊達なだけでなく色気もある。
「数万枚のJAZZコレクション」を鳴らすための音。まさにそんな感じ。JAZZをJAZZらしく、同じ雰囲気で聞かせる。どんなソースでもJBL色に染め上げて再生する。そんな印象を持ちました。
例えば、低音や中低音は量は十分だがブーミー感があり、バスレフ特有の濁りや歪みも感じる。コンプレッションドライバー以降の中高域に比べると、中低域以下はいろいろ世代的な限界も感じます。ベースのエッジの隈取も自宅と比べるといまひとつですが、音階はしっかり分かるしボディ感は十二分です。小型スピーカーだとこうは行かない。
まあ、古いスピーカーなので。「サウンドステージって何?」というくらいに音場感はありません。ステージや定位(というかほとんどモノラル音源をパンしただけなんですが)は感じません。ですが「それが何なの?」と言わんばかりに毅然としてマッスで聴かせる。説得力があるんですね。これがジャズだ!みたいな。それが証拠に、座って聴いているとオーディオの音質などどうでもよくJAZZの演奏にこそのめり込んで、席を立つ気がしなくなるのです。
これは永い歳月を掛けて作り上げられた、JAZZを愛しJAZZに奉仕するためのJAZZ喫茶の音なのだと得心しました。
よくも悪くも、拙宅のANDROMEDAとは似ても似つかない音です。
帰宅後慌てて、”記憶が鮮明なうちに” ART PEPPERとBILL EVANSの当該盤を聴きました。やはり全然違う。
レンジの広さは高低ともにANDROMEDAが上。解像度や細部の分解にはかなり差がある。Art PepperはANDROMEDAで聴くとビシーっとセンターに定位しちゃって、びくともしない。モノラル盤だからなのですね。モノスピーカーなど必要ない。あたかも中央に置いてあるただ1本のスピーカーからのように聴こえるのだから。
Art PepperのアルトもANDROMEDAの方がずっと強く音が飛んでくるし、さらにハイハットに至っては、繊細微妙なタッチや空気感や透明度は別次元です。拍手のそれっぽさもANDROMEDAが数段上。ベースの透明度と音階の鮮明さもかなり違う。
一方で、あまりにも赤裸々であからさまで「しらける」ような感じもある。なんだったら「古臭〜い録音」であることをあからさまに「ネタバラシ」レベルで違いを分解・露呈してしまうわけです。Buncaの音はもっと空間全体がおおらかに鳴る感じで、音楽の暖かみとマッスを感じた。そして、どの盤を聴いていても同じ質の「共時性」を感じました。まさに一長一短。ソースへの忠実度では劣るんだろうけれど、「らしさ」「当時世代の空気感の再現」では、Buncaには到底敵わない気がする。ジャジーでブルージーな、少し大雑把で荒々しいくらいの音がJAZZらしさがある。「JAZZがぜんぜん判らない」とほざく私が言っても説得力は無いんですけれど、長年JAZZを愛し続けて音楽に献身するためだけ、音質ではなく「JAZZのおいしさ」を作り続けた音とは年季が違うのだよ、と言われた気がしました。むろんこれは4343だけではなく、空間、コンポーネントとの相互作用で巧みに作り上げられた世界です。
これは理詰めのオーディオじゃ勝てない領域です。
クサい言い方をすれば、再生芸術とでもいうんですか?
可能なかぎり続いてほしいお店です。そして、願わくばもう一度くらい聴きに行きたい。

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