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お待たせしました。(?)

テツオの外盤A級セレクション

今日も今日とてVinylの話題。
外盤A級セレクションが4枚揃い踏み〜。です。

まず、カメルーンのオペラ。
ジャングル奥地の生々しさが素晴らしい。

ブリテンのWAR REQUIEM。
名盤中の名盤。録音もだが、とにかく曲と演奏の素晴らしさ、凄まじさ・・・!
歌詞なんて分からなくたって戦争は絶対にやっちゃはいけないと体感できる。決して癒されることはない魂、皮膚の焦げる匂い、そして戦死者の断末魔が聴こえてきます。

ショルティ棒のラインの黄金。
当時考え得る限りの贅を尽くして録音されたらしい、こんなにノシノシと重戦車のように迫ってくるヴァーグナーは今は無い。

そして、またまたDäfosです。RR-12。
Reference Recordings 不朽の名作。
 
今までは16bit, 48kHzでのリッピングだった。音質で上回る「究極・決定版」的なリッピングをし、ディジタイズの確定版とする。そして、ストリーミングとスペクトル比較を行う。今回の目的はこれです。

A/Dコンバーターとして24bit, 192のオーディオデバイスを使う。そして、32bit float, 192kHzでのマスタリングを行って、24/192へ落とし込むという計画です。信号処理としてのハイサンプリングにほぼ意味は無いのですが、後段におけるアナログLPFでの音質向上が見込めます。

Däfosの再々リッピング

Däfosは「で〜ふぉす」と発音します。
Däfosをディジタイズするのも、これでかれこれ3回目。
昔よりもA/D段が高音質化しているし、よりハイサンプルレートで保存ができる。カートリッジも好みのものが付いている。盤の状態が最良のうちに、一段よい音質で保管しておきたいのです。

今聴いてもRR-12はスクラッチノイズやサーフェスノイズがほとんどなく、大変良いコンディションをキープできています。黙って聴かせたらADと気づかない人も居るんじゃないだろうか?

この盤の特徴は、なんといっても45rpmであるところ。だから片面16分とかしか記録されていません。

33rpmのディスクに比べると、以下のすべての点で高次元なカッティングが可能となります。

  • カッティングレベルの上昇
  • 高域の伸長
  • S/N向上とダイナミックレンジの拡張
  • トランジェント(過渡応答特性)の向上
  • 高域歪みの軽減
  • 内周歪みの軽減

Nottigham Spacedeckで45rpmにするときは、スイッチで切り替えて・・・とかでは無いんですね。
図のとおり、プーリーとプラッターの上段へベルトをシフトすることで、45rpmへ切り替えます。ちなみに78rpmモードは有りません。

45rpmはプラッターのスピード感がすごいんです。まあ12inch EPなんかもこの速度ですよね。
これからすると、78rpmは怖いくらいに速いんでしょう。動画で高速感をどうぞ。


リッピング完了後に、レベルやタグを整えるなどしてからANDROMEDA Alphaで視聴しました、大音量で。

いや〜、、、解っちゃいたが、凄いのなんのって。歴代随一のDäfosを聴くことができた。
ほぼ「恐怖体験」でしたね。自分の目の前で起きていることが信じられないのです。狂気・凶器・狂喜。おっかねぇ音。。。リリース以来何十年も経過してからこんな音が聴けて、本当に幸せです。

最近、QobuzでDäfosが流れてくるようになったんで、ディジタル VS. アナログの対決ができるんです。改めて、両者をスイッチングしながら、比較試聴をしてみました。(といっても、アナログの方は”アナログをリッピングした”これもディジタル音源なのですが。)

Qobuz盤も十分に凄い音だと思って聴いて居たのですが、マジメに比較視聴してしまうとダメですね。誤解を恐れずに言えば「全く勝負にならない」です。Vinylの圧勝。Qobuzは普通に良い音でも、「怖くはない」んですね。
硬さ、風圧、破壊力、威圧感、圧力、張り手、生々しさ、実存感、異様に写実的な音場感。Qobuzはなにひとつ勝てません。誰しもこの音が眼前で鳴れば「アナログとは信じられない」ことでしょう。
 

スペクトル・特性比較

それでは両者のスペクトルを比べてみましょう。
本当に瞬間的ですが最も凄まじいパート、Side BのThe Gates of Däfosの後半部から抜粋して比べます。
 

The Gates of Däfos – Spectrum Comparison

ピンクがアナログ盤のRR-12。
そしてグリーンがQobuzから抜粋した同パートです。

どちらも非常に似通ったスペクトルをしていますね。大きな違いが出るのが最低域。20Hzではレベルが10dBも違い、10Hzでは20dBも違う。まあアナログの方の10Hz未満は楽音ではなくてアーム共振ですが。Spacearmの共振点が8Hz付近なので。先日ご紹介したThe Power and The Gloryに対しても一歩も負けません。

f特の違いだけ見ると、アナログは「低域が膨らんでふっくら柔らかい音調」を想像されるかもしれません。しかしこれが、全っ然違うのです。低音だけでなく全域で音が違う。例えばアナログはバスドラムの革の張りもが鮮明で、とにかく硬い。生々しい。そして豪快で引き締まっています。それでいて風圧、巨大感、威圧感も尋常ではない。現場に居合わせたかのような空間感・ヴァーチャルリアリティ要素も半端ないです。

f特を見ると、いわゆる重低音のドドスコ、ブーブー言うようなファットな音を想像されるのかもしれませんが、それよりもずっと低い帯域(30Hz未満)での違いが大きい。風圧や気圧変動、人を威圧し蹂躙する領域です。

ウチは物好きなので、RykodiskのCD盤もあるのです。実はそれとの比較で、Qobuzのスペクトルが酷似していました。つまり、Qobuzの音源はよくあるRykodisk版と見ても良さげです。Vinylを知らなきゃこれでも十分に楽しめるとは思いますね。音楽的に面白いし、音質もそれなりには凄いですから。異次元感と異世界感が無いというだけ。

ここで書いているような「聴感の大きな違い」は、(自慢するわけではないですが)拙宅のラウドスピーカーだから感じ取れている部分かもしれません。なぜなら、世にある”ジェネリックな”ラウドスピーカーでは有意差とならないような帯域で違いが生じているから。

いたずら心で、比較グラフを作ってみました。同じDäfosを再生しても、ジェネリックとはどんな「聴こえの違い」が生じるのか?下図、ピンク色が世の中で一般的に「低音が豊か」と評されている大型スピーカー。グリーンが自宅のANDROMEDAで再生したときのDäfosです。(つまりそのまんま)

ピンク色は38cmウーファーの4way。具体的にいうとJBL 4344 で再生したときのDäfosになります。これに対し、ウチのANDROMEDA(グリーン)は2オクターヴ以上下限が伸びきっていますので、ほぼソースまんま。Däfosを再生したときにこんなに極端な差になってしまいます。10Hzでは28dBも違う。つまり、4344クラスの大型スピーカーで聴く分にはRykodisc版/Rykodisk盤でも十分じゃないかということなんです。音質も・・・分からんけどそんなには大差にならないのかもしれない。

ウチのANDROMEDAはポールが8Hz付近に来ているという変態ラウドスピーカーです。一般的な定規では解釈できないようなことが起きます。実はそんなこんなで、アナログのアーム共振も「モロに」再生してしまっています。だから、大音量でのアナログ再生はできないというオマケ付きです。アーム共振を励起してしまうから。アナログを大音量再生したければ、いったんリッピングの過程を経る必要があるのです。

アナログとディジタルの拮抗

今回はVinylの圧勝という結果となりました。メディアの違うというよりはカッティング/マスタリングの違いと言ってよさそうです。ただ、もちろん「常に・何でも・アナログが上」などと言うつもりもありません。

例えば、先日比較したこちらなんかは:

こちらなんかはリマスタリングされたディジタルの方が音質は上のような気がします。音質上も、実測されたスペクトルもディジタルが上。

こちらもです。なによりVinylの方は傷が多くノイズも多めなので、その時点でディジタルの勝ち。このディスクについてはノイズだけでなく歪感もアナログが多めのようです。音の生々しさは同じくらいかな。

Vinylは盤の入手経路、もともとのプレス品質、永年の品質維持、カートリッジの品位やアーム調整をはじめとした再生装置によって振れ幅に大差が出ます。ゆめゆめ、「アナログだったらなんでも良い音」とは勘違いなさらないように。。。
ディジタルに比べると良音への敷居は高いです。

ディジタル領域の「リマスタリング」と言えば古くからのファンには評判の悪いのが常ですが、私の聴く限りにおいては現代で過去の記憶を上回れる優れたリマスター版がどんどん増えてきている気がしています。ディジタルオーディオの未来は明るい(?)。
 

(余談)Rhythm Devils – The Apocalypse Now Sessions

余談ですが。QobuzにはRhythm DevilsのThe Apocalypse Now Sessionsの音源もあったのです。

こちらも外盤A級セレクションのなかで激賞の1枚。これには狂喜乱舞しました。私は未所有かつ入手困難でしたから。

ただし、こちらもDäfosのストリームと同様。オリジナルの Passport Records や Wilson Audio ではない。Rykodiskの出したリイシュー、CDバージョンの音源です。

なんでそんな事が分かるのかというと、オリジナルとは曲順が変えられているし、曲の長さすら違うのです。

さきほどからRykodiskをまるで悪者のように言って居ますけど。Vinyl時代のレアな録音を拾って再販してくださる有難〜い存在ではあるのです。これでも十分良い音だし。ただ、他の事例から類推するに、この音源もオリジナルが持っていた「超」の付くような異世界転生体験は無理でしょう。Rykoを通過すると普通の音になってしまうのです。

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投稿者

KeroYon

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