シリーズDIATONEのP-610、大改造。
最終バージョンの制作が終了しましたので、どんなパラメータに落ち着いたのかを再測定してみましょう。

じゃじゃーん これが魔改造P-610A (16Ohms) の2本です。
左側をLch(仮称)、右をRch(仮称)と呼びますか。
自由空間におけるT/Sパラメータを実測します。


あれれ、結構パラメータが違います。
ちょっと重ねて観てみますか。

結構、バラツキが大きいですね。
最初は私の実装が悪いからバラついているのかと思いましたが、どうもそういうわけでもないようです。
まず、すぐに気づくのがインピーダンスの絶対値の違いです。4オーム以上の違いが見られます。Reも4.5オーム近く違います。これは、巻線数が違うかまたは使用線の単位抵抗が違うために大きな違いになっているわけです。同一年代同一ロットなのに、です。
これにより、電磁制動力(Qes)に大きな違いが出来、よってもってQtsもVasも同じ値になりません。
他のMmsやBL積がまぁ常識的誤差範囲に収まっていますので、これらは製造上のバラツキによって出てしまった性能差であると判断できます。
「これは局用の規格だから」とか「プロの使う道具だから」という理由で、品質は厳格に管理されていて特性も揃っているはずだ。
・・・といった想像や先入観がただの幻想であると、インピーダンスカーヴを見ただけで打ち砕かれる訳ですね。
この時代のドライバーは工業製品とは言えまだまだ手作りの領域が多く、バラツキの大きなモノだったのかもしれません。
もっと看過できないのは能率差です。1W/1mでの能率表記なんて何の意味も無いのですよ。
(ここ重要、テストに出ます)
半導体アンプの終段は定電圧増幅なので、能率は1Wではなく2.83V表記(ワールドワイドのデファクト)で考えなければなりません。
1W基準で表記すると、
Lch 88.86dB @1W, 1m
Rch 87.95dB @1W, 1m
誤差は1dB未満ですが、
これが2.83V基準で表記すると、つまり実態の能率差で記述すると、
Lch 86.48dB @1W, 1m
Rch 84.34dB @1W, 1m
能率差は2.1dB以上に拡張されます。これはハッキリLRの差を認知できる音圧差です。
この大きな音暑差を生んでいるのがずさんな製造バラツキです。
まあ恨み節を並べたところでどうせ何も変えられないのだからこのまま使います。
使いますと言っても箱もバッフルもないわけだから恐らくあと数年はこのまま死蔵です。
オリジナルも交えてT/Sを一覧で並べておきます。
| T/S | Original | Modified-L | Modified-R |
| Fs | 82.26 Hz | 60.63 Hz | 51.24 Hz |
| Qts | 0.92 | 0.99 | 1.01 |
| Vas | 47.95 L | 26.52 L | 38.78 L |
| SPL | 93.58 dB (SPL 2.83Vrms/1m) | 86.48 dB (SPL 2.83Vrms/1m) | 84.34 dB (SPL 2.83Vrms/1m) |
| Re | 13.87 Ohms | 13.83 Ohms | 18.41 Ohms |
| Le | 0.36 mH | 0.41 mH | 0.39 mH |
| BL | 5.695 | 5.175 | 5.15 |
| Mms | 4.723 g | 6.044 g | 5.785 g |
前試作よりもわずかながらMmsが減り、Fsも上がりましたね。
Fsもばらついていますが、これはブレイクインが進めば若干は漸近してくるかもしれません。
魔改造シリーズ、すべての工程が終わりましたので死蔵開始。
なんで音を出さないのだとのお叱りを受けそうですが、元々これら死蔵予定でした。
これらが日の目を見るのは、数年後。ANDROMEDAのDelta、Theta、Phiなどが一斉に誕生する瞬間です。ANDROMEDAのサブバッフルは、とてもお金が掛かるのです。おそらくは5万円以上。だから、制作は数モデル一斉にやらねばなりません。また、仮にそれらラインナップを完成させたとて、休止時のサブバッフル格納場所がありません。パンクです。
【我が家のANDROMEDAバッフル格納庫】幅1.4m

製作の難度もさることながら、予算の確保、収納場所の確保や収納方法の企画がセットとなります。だから、今後作れるかどうかも分からないし、作るとしてもずっと先ですね。
自分でも忘れちゃうくらいだから、構想中のモデル名だけでもMEMOを残しておきます。
(青は完成品)
| Model | 読み | 内容 | |
| α | alpha | アルファ | AccutonとSBを使った4way |
| β | beta | ベータ | Thiel AudioとFountekを使ったメカニカル4way |
| γ | gamma | ガンマ | Dayton AMTとETONを使った3way |
| υ | upsilon | ウプシロン | TelefunkenとPRV Audioを使った3way |
| δ | delta | デルタ | NS-1000Mのミッドを使った4way |
| θ | theta | シータ | VICTOR, Hi-Vi, Vifa等を使った4way |
| φ | phi | ファイ | DIATONE P-610を使った1 – 3way |
本当であれば星座名であるアルフェラッツ、ミラク、アルマクなどと呼ぶべきですが、覚えられないし読者も読みづらいのでギリシャ記号のままで呼んでいます。(^_^;)

大昔と同じような、子供の頃懐古の改造ができて、スペックが変わっただけでも自分としては満足なのです。
音も聞かずにこれにて終了となります。駄文長文お読みいただきありがとうございましたー。 m(_ _)m

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