シリーズDIATONEのP-610、大改造。
いよいよ本番。最終工程まで一挙に終わらせます。

今回の本番品はスパイダーの裏側に吸音フェルトを貼り込んでみました。
これはスパイダー裏側、バスケットからの反射抑制です。
ラウドスピーカーのドライバーは、メンブレン(ダイアフラム)だけの純粋な音を聴いているのだ。・・・・と思いたいものですが、現実は大違いだったりします。

まず、スパイダーは織布などの損失が大きく音の出にくい素材を使ってはいますが、それそのものが発音源になったりします。次に、メンブレン背面から出た音圧はバスケットやマグネットプレートで反射してメンブレンまで戻ってきます。
それらがメンブレンを通して前面の再生音に染み出してきてしまう場合があります。
「染み出して来てしまう」という表現は必ずしも正しくないかもしれません。少なくとも、透過度の低い振動板であっても背面反射音がメンブレンの振動を励起して位相干渉し、それがはっきり特性にも現れてしまいます。それらは大概波長の長い低周波ではなく、中高域に現れることが多く、数dBに及ぶ場合もあるようです。
十分に低い周波数でカットオフされたウーファーならこれは問題にならないかもしれませんが、これがフルレンジなどの全帯域ドライバ、ましてや振動板がペナペナに薄いフルレンジでは問題になる場合があります。当然ながら、それが巨大な直径のマグネットなどを背負っている場合は(見た目の満足感はあるかもしれませんが)そのマグネットプレートでの反射波がメンブレンの正しい音圧に悪影響を及ぼすのは避けられません。

たびたびご紹介しているように、現代ドライバーは上記問題を回避するためマグネット径を小さくしてバスケットの背面透過率を上げるのがトレンドです。

見た目は凄そうなのですが、こういう設計が一番問題があります。

これもそうした背面輻射の影響を低減すべく着けてみたものです。
もともとこの魔改造はスパイダーがスプリングになって輻射面積極小となったため、メンブレン前面への干渉は少なくできたと思います。ですが、バスケット背面での反射はむしろ目立ってしまうため少しでも、との思いで貼ってみました。

もっと輻射を減らしたいなら、さらにこのプラバンの上、バスケット裏側にもフェルトを貼ると良いと思います。お手元で実験したい場合はもし、背面吸音処理によって前面の特性に差異が出たとしたら、背面反射の悪影響が「あった」という証明になります。
P-610のダイアフラムは非常に薄く背面音を透過しやすいため、なんらかの工夫がベストと思いました。
さて、VCフォーマーガイドを挿入して位置合わせしながら、まずスパイダーを接着しました。

次に、VCセンター出しのペーパー治具を挿入して、慎重にコーンを接着します。

わずかに残ったスパイダー跡地の全周に少量の接着剤を打って静かに落とし込みます。


接着剤はこれだけたくさんの物を準備しました。
「何と何を接着するときに」「どんな作業で」「どの接着剤が最も好適か」はAIとの壁打ちで炙り出しました。
せっかく購入した「Aogo GT520Sは硬化後のコンプライアンスが低すぎ」「SuperXGは硬化スピードが早すぎて作業性に余裕なし」でどちらも却下。驚いたことに今回作業で生き残ったのは、百均で買ったプラスチック用GPクリヤーでした。いつでもこれが最高というわけではありません、接着剤は作業+対象により最適解が大きく変わるのです。

セーム革サラウンドの内周部を先に貼ります。
1/4周ずつ、ゆっくり貼りました。

センターキャップを押してみると、ギャップのVCタッチは微塵もありません。むしろ「オリジナル」よりもセンター出しは厳密にできているのでは?と思うほど。

使い終わった接着剤はエタノールで拭きとって綺麗にしておきます。
やらなくても構わないが、やっておけば次回使うときのクオリティに差が出ます。


全部で5本ものP-610。
すべての補修ならびに改造が完了しました。
次回は新しい魔改造ドライバーの測定をしてみます。T/Sは若干変動したハズ。

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