DIATONEのP-610、改造の続き、です。
前回で2本のウレタンサラウンドの換装(つまり現状お戻し)は完了しました。次は改造編です。
次の2本は単にリエッジするだけではなくて、リスパイダーもして大改造しようという作戦です。簡単に言えば、子供の頃にやっていた事をトレスしてみよう、というプロジェクトなのです。
スパイダーごとコーンアセンブリを全部外す
実は今回、このAが4本の他に、

実は1本だけBの余りがあるのです。この余りを使って予備実験をしていきましょう。
まず、切るときに伸びてしまったセーム革のサラウンドを縮めるため、アイロンがけをしようとしました。ところが数日置いていたら、



3枚中1枚だけ、少し伸び気味のサラウンドがありました、ホラ。
これを実験用に提供しようと思います。このように、素人細工とはいえ部品選定は重要な行程です。


最初はこのファインソルブEを塗布してから、ピンセットやードライバーでガリガリ引っ掻いてみました・・・ 駄目ですね。固着していてびくともしません。
オレンジオイルで溶かしても良いんですが、そもそもスパイダーは廃棄してしまうのです。温存して綺麗に剥がせる必要はありません。だから昔のようにカッターで切ってしまうことにしました。

はんだ吸い取り機を当てつつ、裏側から優しくティンセルワイヤーを引っ張ります。
復旧のためにターミナルに盛られたハンダは吸い取っておきます。

ティンセルワイヤーが抜けましたね。ここを抜いておかないと、コーンアセンブリを取り出せません。
そして、スパイダーをデザインナイフで少しずつぶった切ります。フォーマーが歪まないように。ワイヤーまで切ってしまわないように。慎重にね。
ということで、


取り出したらすぐ、アセンブリは誰かに触られたり、自分でも触って事故が起きないように遠くの安全な場所に退避します。なぜって、しばらくは触らないですからね。

・・・と同時に、MotorSystemのギャップはテープで保護します。
よくやってしまうのが、磁気を帯びたごみ(鉄粉とは限りません)がギャップに融着してしまう事故。一度吸い込まれると、そう簡単には除去できませんよ。← 経験あり。

残ったスパイダーには接着剥がし剤(オレンジオイル)を塗布し、2時間ほど放置します。


残った接着剤はアセトンで清掃しました。結構な固着でしたので、コーンが付いたまま融解剤だけでスパイダーを剥がすのは難しかったかもしれません。
なんでこんな変なコトしてるの?
この理由を説明するには、私の子供時代に遡った長い話をしなければなりませんので、ご興味のない方はさっさと離脱してください。長いしつまらない話です。なんかにんげん過去の話なんかするようになったらジジイになったのだなと思いますし、ついにその時が来たのだなとも思います。
私が小〜中学生の頃の近所の図書館には凄く古い年代からのStereo Sound誌(以下ステサン)のバックナンバーが置いてあり、しかも貸し出し可能だったんです。オーディオ好きだった私はそれを貸出しては自宅で穴の開くほど読み耽っていました。(なんとも変な子供です。)
ステサンですよ?そこには買えもしないような煌びやかな海外製品が大量に載っている。その中でも大昔の名機、いわゆるヴィンテージの構造や技術やノウハウまでの詳細が記事になっているわけです。オートグラフ、KLANGFILM、A4、AXIOM80、オイロダイン・・・全部ステサンから知りました。ハイ、正直かぶれてました。そんな中、確かAXIOM80の記事だったでしょうか、ベークライトで出来た「蝶ダンパー」なる物の存在を知ります。
蝶ダンパー、正確に表記すると Butterfly Spider とはこんな構造です。

黎明期のヴィンテージはサラウンドにセーム革なども使われていたという。そして、それらのヴィンテージは現代ドライバーでは出ないような音が出るという。
それは、そんな話ばかり読んでいたらどうしたって音を聞いてみたくなるじゃないですか。しかし小僧でお金があるわけではないので現実は買えない、聴けない。実はこの頃のこのジレンマこそが、私の行動原理の原資になっている。と今になって思います。
金はないが、時間だけはたくさんある。だからドライバーの改造や自作のような事をするようになっていきました。それから何年かして、知人からP610Aをタダで譲り受けます。「あげるよ」と。
考えられますか?P-610ですよ?
何度も何度も書いていますが私のオーディオ歴史は大人の愛でできています。P-610も無償でもらったし、最初のアナログプレーヤーは500円でいいよと売ってもらったもの。そういえば、今使っているイコライザーアンプも貰い物だった。
P-610を数ヶ月オリジナルのままで使い続けた私の頭の中はもう「改造」の2文字しかありませんでした。P-610なんて私の中ではヴィンテージそのものなんです。こいつをAXIOM80のような音にしてやろうと。(なるわけないでしょ、そんなの。)
ベークライトのスパイダーなんて個人でかんたんに作れるわけもないです。私がいくつか試行錯誤して最後に選択したのは学校下敷きの素材でした。中にポスターが入れられるようになっている薄い素材です。サラウンドはセーム革にしました。
最初の出音は今でも覚えていて、普通のスピーカーと違うなんとも幽しげでフシギな音がしました。
DIATONE P-610から素晴らしい音を出してやろうとか。そんなことハナから考えていないんですよ。ムリですし、そんなの。だから、これは子供の頃にやっていた事をトレスしてみたい
という・・・つまり単なる郷愁ですね。それがこのプロジェクトの正体です。
そして、こんな事をやるようになったら私もオワリです。若い人は前だけ向いてチャレンジしかしないですから。しかしオーディオという趣味そのものが後ろ向きなのだから、それで良いとも?

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