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百均部品で造る、2000円予算の天変地異なラウドスピーカー・プロジェクト、拡張編。前回はノッチフィルターを組んで聴感の違いを確認しました。

今回はそれを実測して、どうなったのか検証してゆきます。

ノッチの実装結果

ノッチを加える前はこんな特性でしたよね。

こんなNotchを加えて高域のブレイクアップを補償したわけです。
結果、どうなったかを計測してみましょう。ついでにBassのレベルも微調整して少々控えめとしました。

これはウーファー/フルレンジ共近接場での実測です。
近接場なので、ドライバアライメントや回折影響はリジェクトされています。

この段階でもう、高域共振はかなり巧いこと潰れているのが判りますね。

ついで、こちらが最終的で正確な実測特性です。低域側はニアフィールド。500Hzから上はファーフィールド。1/6th Oct.でスムーシングしています。
じゃっかんピークは残っているものの、驚くほど綺麗にブレイクアップが潰されました。実測も聴感も再調整の必要性を感じませんので、この定数でFixします。

140Hz付近にクロスのNullが見えます。やっぱり逆相にした方が良いと思いますので開けてみます。ちなみに、リバースヌルが深いことを最優先するようなアプローチもありますが、ヌルはヌルでしかないのでそこばかり追求することに実はあまり意味はありません(良い音にはならないという意味です)。それよりも、できるだけブロードでリニアな群遅延を目指したほうがサウンドステージはより好い結果が得られるでしょう。

一番上に示した「吊り橋」に比べると、ずいぶんとフラットな特性になりました。

非常にニュートラルで当たり前の音に近づいたのですが、その分、当たり前過ぎて面白みには欠ける音になったのかもしれません。また、f特がニュートラルになったからといってキャラクターやカラレーションがこれで皆無になったわけではないです。

やっぱり低域はブーミーでバタ臭いし自然ではありませんし、高域にはアルミ臭い輝きが乗ります。ブレイクアップは非最小位相系ですから、ブレイクアップを潰せたところで、カラレーションは残ってるのです。ラウドスピーカーは聴者の経験値が上がると、ケブラー臭、アルミ臭、チタン臭、ファブリック臭などが嗅ぎ分けできるようになります。さすがに、最新鋭のベリリアムやダイヤモンドになると識別不可能なくらいに無個性的には成ってきて、あとはベンダー特有のキャラクターだけが僅かに残る傾向になります。

ついでにヘッドブロックのインピーダンス特性も確認しておきましょう。

グリーンがドライバ裸でのインピーダンス。
青がハコに装着した状態でのドライバ単体のインピーダンス。
そして、紫が抵抗やマトリクス結線されて系トータルでの(片ch側から見えた)インピーダンス特性です。

変ですね? ドライバー単体(緑)よりも箱に装着した方がむしろFsは下がっているし、実はQtcも下がっています。普通はドライバを箱に取り付けるとFsもQも上がるものですよね?これはどういう事かと云うと、トランスミッションライン系の影響です。トランスミッションラインがマスロードとして負荷されたために管共鳴の共振に引っ張られて系のFsやQが低い方へシフトしたものです。

系の共振が空気質量負荷で潰されて低くなるようすも克明に現れています。

低域のドライバをリバースする

少々面倒臭いんですが、

箱をもう一度開けて、ウーファーの配線を逆相へひっくり返してみました。

ついでに、あと一息調整をラクにしたいBassレベルの調整ツマミ。ここの抵抗値をさらに低く換装しました。

 2kΩ → 820Ω

にしてみた。

これです。赤いスリーブのが820Ω。
取付のようすは省略。一挙に完成。

再び聴いてみる。Bass Levelの調整は一層ラクになりました。さほど大きな音質差は感じませんが、多少は良くなったかな?

逆相で結果がどうなったか、もう一度測定しましょう。

再測定・再視聴

こちらはまず、ニアフィールドです。
ウーファーもフルレンジもニアフィールド。
あら、ディップが無くなっちゃった。よさげですね。

それと、この中域の驚くべきフラットネス。前にも説明しましたが、このLAZOSのフルレンジは高域共振を別にすれば素性が良いのです。高域共振が均されたお陰で、いっそう特質が顕わになりました。

では次に、ニアフィールド+ファーフィールドつまり、正しい疑似無響計測です。

こちらもいい。少なくとも低域のヌルは消えた。

でもニアフィールドでは真っ平らだったのに、なんでファーフィールドだとこんな風に高域に凸凹が出るの?これはもうキャビの設計が悪いからです。ドライバ1本単体では真っ平らでも、バッフルエッジディフラクションの影響が出る。マルチドライバの位相干渉だってある。これを均すにはどうしたらよいか。ANDROMEDAのように本格的なバフル設計をするしかない。バッフルが小さいことも災いしています。少々のラウンドバフルにしたところでこれはどうにもならない。世の中にはバッフルが小さければ音場感が良いみたいな思い込みや先入観がありますが、それはただの先入観。正しい設計をされたラウドスピーカーの音場感が良くなります。

改めて色々と聴いてみたが、音楽鑑賞用やBGM用ならやっぱりNotchが在った方が良いかな~?音響的な凄みならNotchを抜いた方が頭抜けるが、かわりに明らかに不自然で、長く聴いてると疲れる。音楽を聴く時はNotchを入れ、音響快楽がほしい瞬間だけはNotchをショートしちまえば、両方が楽しめそうです。Notch有りでも過日のKENWOOD LS-11ESとか、JBL J216Proとか、Celestion SL6Sとか、その辺りよりは私好みの音が出ています。(嗜好性/指向性がワタシ的というのかな?) 世界最小最軽量最低価格。シャレとギャグで始めたプロジェクトでしたが、予想外にトンがったスピーカーになったような気もします。

やれやれ。

長々と引っ張ったΛがようやく整った感じです。
整ったので、予告どおりこのラウドスピーカーは譲渡する予定です。

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投稿者

KeroYon

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