書いてたらウルトラ長文になってしまったから、屁理屈がご面倒な方はココで離脱お願いします。
マルチウェイを構成する各ドライバーの受け持ち帯域=Xover(クロスオーバー)周波数をどこにするかは、メーカー製はもちろんのこととして、DIYerにも永遠の課題です。今回は、市販ラウドスピーカーの幾つかを事例を挙げつつ、Xover周波数のあり方について考察してみたいと思います。
加えて、Andromedaの一連で狙っていたクロスオーバー上の工夫についても少しだけ比較説明します。
前説 ウーファーの中域課題
ラウドスピーカーにおける沢山のカラーレーション要因のひとつとして、ミッドバス・ドライバーに高い周波数を受け持たせているということが挙げられます。これは事実でもあるし、また、仮説でもあると思います。カットせずに全部垂れ流しているフルレンジは論外として。
ラウドスピーカーのカラーレーション(色づけ)理由の大きな要素がブレイクアップ/分割振動に拠るというのは異論のないところでしょう。
[ダイアフラム形状/構造から狙いを読み解け] の稿でも説明したように、ダイナミック型ラウドスピーカーのメンブレンの口径(∝距離)が直接ソレを左右しています。だからこそラウドスピーカーはマルチウェイ化が必須となり、大〜小の口径を組み合わせる必然性が生まれます。これは今も昔もそんなに変わりません。

メンブレンの表面伝播音速ももちろん重要です。ですが、どんなに高性能を狙っても音速が一足飛び3倍5倍になるわけではないので、性能には限りがあります。また弊害も産まれます。その物理限界が判っているから、ベンダーはあえて音速の遅いソフトドームやインナーロスの大きな紙を採用したりしますよね。
メンブレンの音速を上げることは線形性を上げる上で無意味ではないです。「無駄なあがき」とも言いません。ですが、口径でおのずと決まってしまう性能限界というものが在ります。もうすこし分かりやすく表現すると、5インチを越えているようなコーンミッドレンジ(ミッドバスドライバーの採用が多いです)は、どんなに高剛性ドライバであろうが、中高音を再生させるとカラーレーションが増えると言うことです。
それも有ってか、DIYerというのはトゥイーターのクロスオーバー周波数をやたらと低く取りたがります。つまり2wayならばミッドバスに中高域をできるだけ再生させたくないと思う。3wayでも、スコーカーに採用されているドライバーが2wayと似たり寄ったりで、5-7inchくらいのミッドバスだから、やはり中高域を再生させたくないと考えるわけです。それで、ミッドバスのハイカット周波数を下げたいから必然的にトゥイーターは出来るだけ低い周波数まで使いたいと、そう考えるわけですね。
ところがです。トゥイーターでそんな低いクロスオーバーまで使えるドライバーなんて、実はほとんど無いのです。レアキャラと言っても良いです。

例えば、一般的なドームトゥイーター。低い周波数まで使えるものはほとんど有りません。これには理由があります。まず、低い周波数まで印加すると耐入力に問題が出ます。=歪も増えます。2kHzまで使えるトゥイーターが有ったとします。直接放射動電型の音圧は加速度一定。よって、1oct.下の1kHzまで持たせようとすれば速度=2倍。偏位=2乗で4倍。持ちっこありません。また、低い方まで使わせようとするとサスペンションを柔くしてVCトラベルをたくさん巻くわけですが。そんな事をしたら能率が極端に低下してしまいます。加えてハイエンドの伸びも見込めません。そんなこんなで、トゥイーターが実用性能が出なくなってしまうので、Fsを極端に下げることは改悪につながります。
実例を少し見てみてください。口径1inchのドームトゥイーターは90dB/Wの能率を持つが、同じく1inchの”フルレンジ”になると82dB/Wまで低下してしまう。このことが、実用的で無くなることを表しています。
一般に、ドームトゥイーターはFsのx4倍くらいの周波数より上で使うのが良いとされています。Fs=500Hzのトゥイーターであれば、総合的に考えると2kHz前後まで下げるのが限界点ということ。理由として、Fsの影響を極力除外したいということと、前述の耐入力歪率の問題があるからです。それが1次や2次で工夫のないフィルタであれば尚更、2kHzよりもっと上げた方が良いでしょうね。
以上のように、DIYerはドームトゥイーターのクロスを極力下げたいと考えます。Fsの低いドームトゥイーターは概して高級品で高価格帯になります。なので、市販ブランドでも安価なスピーカーシステムはクロスが高めになりがちです。今度、価格対クロス周波数にも注目して見てみてください;特に2way。
以上のようにミッドバスに中高域を再生させたくないから、今度はトゥイーターに無理をさせようとする。しかし、トゥイーターに無理させるとソレはソレでカラーレーションになってしまう。そこにはシビアなトレードオフ、ジレンマが存在します。だからDIYerはギリギリの線でその辺を追い込もうとするのですね。
ミッドバスで高い周波数を回避するには
さて、ドームトゥイーターじゃクロス周波数を下げられない事は分かりました。ではどうしたら周波数を下げられるんでしょうか?それにはもう様々なアプローチがあります。
ミッドバスとトゥイーターを直接繋がず、間にもうひとつ小口径のミッドハイを挟む。つまり3way-4way化してしまえばいいんです。ドームスコーカーとかね。つまりこーゆーことですね。


これなら、ミッドバスに高い周波数 (1kHz – 3kHz)を受け持たせないで済むので音質劣化は生じません。
ただ、この課題はクロスが2-3kHz付近の2wayにも同じことが言えますので、2wayには回避策がないことになります。
次のアプローチとして、トゥイーターの面積を増やしてしまえば良いというのがあります。具体的には2 inch(5cm)くらいのコーン型/バランスドライブ型を採用すれば良いと思います。例えば、古くは2S-305やLo-D HS-400などはその技法で、Fsが常識破りに低く、振幅変位の大きく取れるトゥイーターを新規開発し、なおかつ大面積だから能率の低下も回避しながら1500Hz /1100Hzという当時としてはかなり低いクロスオーバーを実現していました。最近で言うなら三菱4NB70もそれの流れを汲むものだと思います。![]()


(バックチャンバの巨大さがFsの低さをも物語っている)
別のアプローチとしては、ドームやコーンではない特殊ドライバーをハイレンジに使う。
Thiel Audioのようなメカニカル同軸。ハイルやリボンで低いクロスで使えるような大型プレーナ。またはDDDやマンガーのような分割振動を利用したBendingWaveDriver。




これらはEfficiencyが高くかつ、ハイエンドの伸びに問題がないので、無理なく低いクロス周波数で使えます。
弱点があるとしたら、大面積故の指向特性の劣化かな。
上記のように、カラーレーションの無い忠実度の高い再生を標榜しているエンジニア的には、5-7inchという大口径ミッドバスに中高域を受け持たせないような工夫をします。中でも注目すべきは、1976年発表のHS-400です。出音はともかくとしてこの設計思想がこの年代というのは驚嘆に値します。8inchのアルミメタルコーンですから、ブレイクアップは高い周波数(推定3〜5kHz)に生じています。常識的に考えれば、この剛体ウーファーに2kHzまで持たせたいと考えるのが人情というものです。しかしカワムラセンセはそう考えなかった。ブレイクアップが高い周波数でも、アナログ帯域抑止力には限界があったり、もしかするとビートダウンで音を濁すかもしれない。指向性も劣化する。(今で言うならDIの劣化)全帯域フルピストニックモーションを標榜しつつ、いっさいのカラレーションも許さない。そこで超絶Fsの低いMH-35トゥイーターを新規開発し、1,100Hzという常識破りのクロスオーバーでブレイクスルーを果たしたのですね。そこには「8インチに2kHz再生など、絶対に許さず」というカワムラセンセの透徹した意志・矜持を感じます。

今だったらMH-35的ドライバーも多数あるんでしょ?…かって言うと、実は現代でもほとんど無いのです。2nd. 3rd.歪率が0.3%って・・・ほぼ2020年代スペックだと思いません?

以前の分割振動の話でも説明したとおり、一見特性がフラットに見えていても、そこには細かい分割振動の重畳で平坦に見えているだけだから=分割振動に起因したカラーレーションは潜在しています。メタルコーンですらそこを懸念している人がいます。内部損失の大きな振動系であれば、なおさら低い周波数まで色付けが懸念されるでしょう。
市販製品のクロスオーバー事例
上記のような予備知識を踏まえ、いくつかハイエンドと呼ばれるスピーカーの実態を眺めてみましょう。すると、最近よく見られるようなマルチウェイ構成において、ミッドレンジ/トゥイーター間のクロスオーバーが少し高すぎるんじゃないかな?と思うものが散見されます。
まずは、Sonus FaberのAida2 という超超高級スピーカーです。
彼らが「一次」と言い張っているので、アコースティック1次スロープで模擬してみました。

このスピーカーシステムは、7inchという比較的大きな口径のミッドレンジ(実態としてはミドバスドライバー)を搭載しています。そして、その7inchに3kHzという高い周波数まで持たせています。この7inchのメンブレンは「紙」です。メタルとかではないです。したがって、周波数特性に仮に凸凹がなくとも、なんらかのカラーレーションが疑われます。世の中には「技術革新」という便利な言葉があります。実際、モーターシステムの革新による超低歪などの進化はあるのですが、ことダイアフラムの分割振動に関してだけは物性的な難しさは変わらず、今も昔も大差は無いのです。7インチの紙の大口径でかつ、3kHzクロス。ましてや本当に1次スロープだとすると、高域の個性(くせ)がじわじわと再生音に染み出してきており、固有の音色を加えます。
もっとも、ソナスというブランドは没個性Hi-Fi指向ではなく、むしろ個性や美点を尊重しそれを伸ばすブランドポリシーを感じますので、このミッドレンジドライバーの生み出す「個性」を尊重した音作りなのかも知れず、責められるような設計思想ではありません。ソナスは自社でのドライバー開発環境を持たず、特注OEMドライバのアセンブル作業がメインです。なのでどうしても一般的構成になりがちということと、斬新なドライバでの技術革新よりは手慣れたドライバ、手慣れた手法で手慣れた音を構築するところに重きを置いているようにも見えますので、こうした内容に落ち着くも必然かも知れません。
続きましての題材は、B&Wの800 Diamondです。近年のB&Wも取り上げたいのですがXoverが非公開なので作れないのです。

B&Wはドライバーが自社開発ですし、技術革新と自ら叫んでるから、技術コンシャスな感じがしますよね。作ってる規模(台数)もぜんぜん違うから、他のブランドが「工房」的な雰囲気であるのに対し「マニュファクチャラー」って感じもしますね。高級機のXoverパーツも、それはそれはゴージャスの極みで、他のベンダーはコスト競争力でとても敵わないと思います。(それでも買えないほど高いんですが)B&Wは公称スペックもゴージャスです。周波数バンドも偏差も歪率もどうだ凄いだろうといわんばかりの諸特性が並びます。その割にStereophileによる準無響の実測データで毎回おんぼろな結果なので、いまいち信用しかねる部分が多いのですが。
さてこの800Diamondは、350Hz/4kHzのクロスです。最近のモデルは非公開になってしまったから判らんけど、ドライバー構成がほとんど変わらないから、おそらくこれと大差無いでしょう。ネットワークボードの素子数から何となく2次くらいかな?ということで、2次で図を作りました。800Dは公称6inchのミッドレンジを載せているんですが、これがエッジレスでメンブレンが巨大だから、実効7〜7.5inchくらいの大口径。それに、なんと4kHzまで受け持たせているんです。漢ですね〜。よほど、性能や音質に自信があるんでしょうか? B&W自身が「分割振動は殺すのでなく上手く使う」的な発言をしているから、そういうポリシーなのかも。この大口径でましてや4kHzまで使ってしまったら、このメンブレン特有の個性の発現はおそらく避けることができません。それもコミで音作りをしているという事なのでしょう。個性は出てるけど、その個性は「没個性」とかね(なんだソレ)。他のブランドと違うのは、OEM/ODMではないので、これはピュアミッドレンジだということ。汎用のミッドバスドライバーではありません。おそらくは振動系が軽いし、高域側も伸びている。だからといって口径なりの分割振動が出ないということではない(大口径フルレンジと同じです)。
昔のB&Wはどれもケブラー(アラミド繊維)のミッドレンジを搭載していました。ショップやショウでもB&Wは散々聞かされたし、自身でも安物ケブラーを使っていた時期があります。

その経験からアラミドは高い周波数まで使うと、何か鼻に付くような固有の音色を感じていました。近年、B&Wのエンジニア自身もその癖がアラミド繊維同士の擦過音によるものだと認めており、それで近年のあの白いコーンが誕生したらしいです。なのでケブラーの4kHz時代よりは没個性になってるのだと思います。にしても、4kHzはいかんせん高すぎるでしょう。800系列の恨みとして、トゥイーターがダイヤモンドというのがあります。セラミック系列ダイヤはもろく割れやすいので、2kHz以下の強烈な信号が印加されると割れるかも知れないのですね。そこを配慮するとミッドレンジに無理させることになります。だったらもう少し口径小さくすればいいじゃないかとも思いますが、あのアイコニックな壺型ヘッドは各機種共通みたいで、帯域バランスや型代考えると共用せざるを得ないのかなど、いらん想像をしてしまいます。あそこ5inchくらいにすればだいぶバランスしますが、中低域が痩せるのかも知れないですね。けっきょく、音色重視か。
最後に採り上げるのは Wilson AudioのAlexia V。こちらも超超高級。
WilsonもXoverを公表しないクチなのですが、Stereophileが実測スロープを測ってくれたのでそこから直読みで実効クロスが判りました。

うぉぉおおお!! 7inchのミッドバスに対してクロスが1.5kHzだ! さすがHi-Fi志向のWilson!
失礼ちょっと興奮しちゃいました。私も7inchなら1500Hz, 8inchなら1000Hzが限界という感触を持っているので、このXoverには激しく共感納得します。ミッドの上を担当しているのは、バックチャンバーが巨大なソフトドーム。Fs=440HzのOEM高級トゥイーターを高次フィルタでぶった切り、強引に1.5kHzで繋いでいると推察しました。この周波数分割なら、おそらくミドバス分割振動に起因したカラーレーションはほとんど感じられないと思います。Wilsonは極力色付けを排除してソース側に忠実でありたいというブランドポリシーと読みました。似たようなドライバー構成でもベンダーによって設計思想に大きな違いが見られるあたり、見ているだけで面白いですね。
ダラダラ書いていてめっちゃ読みにくい駄文・長文になってしまいました。
Andromedaではどうしたかったのかを少しだけ書いて終わりにしたいと思います。
第二部 ミッドバスに無理させない設計とは
興味のある方だけもう少しだけお付き合いください。所詮は自作スピーカーやろうの戯言です。
おさらい
前稿では、色づけの原因になるのでミッドバスにできるだけ高い周波数を受け持ちさせたくない。という趣旨を説明しました。しかしトゥイーターとのクロスを不用意に下げると今度はトゥイーターが苦しくなる、というトレードオフの話もしました。
これを分かりやすいよう図示するとこんな感じになります。

もしこれが7インチミッドバスだとすれば、高い方まで使いすぎです。
これは2wayとして見たときは帯域バランス的にもウーファーに依存しすぎですね。それでもう少し左側へシフトしたくなるわけなんですが…

低いところまで使えるトゥイーターはレアなので、普通のドームだとトゥイーターが苦しくなりなかなか難しいねと、そういう話でした。
話を簡素化するため、スロープの話をしていませんでした。当然ですが、上記のフィルターの遮断特性もおおいに音に影響します。個性の抑制だけが目的ならスロープは急峻であればあるほど良い、という事ですね。
なんでこんな話を始めたのかっていうと、実は昔、結構鮮烈な体験があるからです。
当時、私は7inchのミッドウーファーを使った2wayを使ってたんですが、そのときトゥイーターとのクロスオーバーは2.7kHz位だったんですね。そのトゥイーターは極端に変位が取れるような物ではなかったので。で、音はそれなりに気に入っていて、独特の透明な空間感が好きだみたいなお話をしていたところ「それはこのウーファーの個性を聞いて好きだと言ってるだけだよ」と言われたんですね。実際、そのとおりだったんです。それからクロスオーバーを思い切って1.5kHzまで下げてみたんです。ほったらかしのブレイクアップもきっちり潰して、3次くらいだったかな。(アコースティックには4次くらいのスロープ) クロスを下げたうえに回路が複雑化、高級パーツも投下したのでお金も掛かりましたね…。
そうしたらね、音が変わったんですよ。ややそっけない音にはなったけど、とても静かになった。本当に没個性な感じになった。代わりに、何を聴いても違う音がするようになった。今まで聴いていたのはスピーカーの個性だと気づいた。これはショッキングでしたね。。。ロクハン程度で、3kHzが使えないってどういうこと?って、正直思いますが。
それでも、良くなったのはのは小音量だけで、ボリューム上げるとやっぱりトゥイーターがキャンつくというか悲鳴を上げるのですよ。それはそれで色づけでした。限界でした。この体験があるんで、Andromedaではクロスオーバーにポリシーというか方針みたいなものが有るのです。
Andromedaはミッドバスに無理させない設計思想
私がAndromedaを考え始めた時に、最初はミッドローを7インチで考えていました。しかしこれが最期のスピーカーになるし、あまり小型にはしたくなかったこと。また、スーパーローとの繋がりの連続性を考えたら、ミッドバスは8インチが良かろうと。
7″ と 8″ は、ほんの僅かしか口径が違いませんが、標準的エンクロージャー容積には大きな違いがあります。ざっと2倍くらい違う。
で、8inchならば高い方はどこまで使えるのかというXoverを設計するわけですが、このとき1kHzを上限と決めました。
Andromedaは、Upsilonを除いてすべてが8インチですが、3種類のウーファーは全て違うドライバーです。そんないい加減な決め方でいいんでしょうか?いいのです。口径によって分割振動の起き始める周波数はだいたい決まり、指向性が劣化しはじめる周波数もだいたい決まります。仮にカワムラセンセのような先達を知らなくても、経験則でそうしていたと思います。
「ナニを上に持って来ようが、絶対にクロスは1kHzより上げない。」最初にそう決めました。このミッドバスの上はどんなドライバーなら1kHzまで使えるのだろう?という逆算から、中高域ドライバーをセレクトしました。
では、最終的な仕上がりをちょっと見ておきます。

これはAlpha (4way) です。ミッドバスとミッドハイの有効クロスはグラフ直読する限り、710Hz付近のようです。これは元々ミッドハイを加えて4wayですので調整に優位ですよね。全く問題ありません。帯域余裕も大きいから、セラミックのブレイクアップの遮断も優秀です。

これはGamma (3way) です。こちらが一番腐心したでしょうか。面積が大きいといえど、プレナーに1kHzまで持たせるのはそれなりに負担になります。現在は実効で960-1kHzあたりにクロスがあるようです。大音量再生しても、今のところ破綻は聴こえません。高次クロスなこともあり、まずまず上手く行っているようです。
もう1本のBetaですが、残念ながら有効な計測データが少なすぎてクロス線が描けませんでした。そのうち測らないと。
Betaのハイレンジは乱暴に言ってフルレンジみたいなものですから、一般的なコーンやドームよりずっと低い周波数まで使えます。おそらく現在のクロスは500~700Hz付近に来ています。
以前のレポートでも、「Alpha, Beta, Gammaの音は驚くほど似ている」とコメントしていたかと思います。その理由のひとつはミッドバスのクロスを限界まで下げて、中域~中高域の個性を抑えつけているからだと思います。ペーパーコーン、アルミ、セラミック・・・マテリアルが違うのに音は酷似するのです、特にファンダメンタルな帯域については。(高域や音場では違いを感じます)
悪さをする帯域を「使わないように」すれば、音は入力信号に近づいて、音が似ていくということだと考えています。
マルチウェイは、受け持ち帯域Oct.が均一になるのが理想です。Alpha, Beta, Gammaは図で見ても、ドライバー間の担当バランスがよく、うまく負荷分散できたかなと考えています。
分割振動は本当に悪なのか?
これまでの説明では、まるで分割振動を諸悪の根源みたいな表現をしていますが、もちろんそんな事はないのです。Andromedaでは、「振動板の個性が介在しない、ノンカラーレーションで生成りの音を聴いてみたい」と思っていたからそういうアプローチを採ったというだけです。もし完全にそれらを否定するのであれば、こんなモノを好きと言うわけがない。

(全身が共振と分割振動のカタマリと言ってよい)

(10inchのフルレンジを50-5kHzで使って分割振動たっぷり。4兄弟の中にあってはこってり豚骨風味だが、捨てきれない魅力)
分割振動は起きないのではなく、所詮は起きるもの。ならばむしろ積極的に発生させ、かつ大きなインナーロスで収束し、平坦な特性にしてしまえ。その代表例がソフトドームであり、Bending Wave Transducerです。これらも現実を見据えた妥当なアプローチです。また市場を観察する限りは逆行も感じます。極端な忠実度指向より「個性」を尊重して加飾をくわえるタイプのプロダクトの方がずっと「ウケ」ているように見える。所詮は忠実再生など幻想でしかないのだから、オーディオならではの演色で「らしさ」を追求することこそ、現代オーディオだという考え方もあります。
また注目すべきは、極端な剛体ピストンモーション指向はフィルターにも高度を要求してくるという現実があります。代表例が、日本オーディオ全盛期のブックシェルフ3wayです。ハード系一色だった時代があります。それらは何処で聴いてもほとんどに個性を感じます。中を開けてみれば、ノッチひとつも載っていない只の2次であったりする。これでは、この結果は当然です。これだったらソフトな振動系を使った現代ハイエンドの方がよほど尤もらしい再現をします。ハード系のメンブレンを使いたいのだったら、徹底した不要帯域リジェクトをしない限りは、むしろソフト系より「個性的」な音質になってしまうという事だと考えています。; 逆算するとハード系はネットワークにも金が掛かるという事ですね。
B&Wの事例では、7inchに4kHzクロスは高すぎるんじゃないかな?的な揶揄を書きました。
しかしそれも思想の違いと思います。あのミッドは内部損失が非常に大きなメンブレンのようだし、特性としては平坦化されてるのでしょう(多分)。B&Wとしては、位相・アコースティックセンター・指向性に敏感な最重要ファンダメンタル帯域ではクロスオーバーを回避したい、というフルレンジ的な着想でXoverを考えているのかも知れません。それはそれでひとつのアプローチと思います。
おしまい。


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