DIATONEのP-610、改造が続く。
部品がなかなか届かないので構想のお話だけ

昔は、このバタフライ・スパイダーを自分で切って作っていましたが。
今回はこれは使わないんです。前と同じものを造っても面白さがないんで。新しい構造で作ります。
もう一つの化石:糸吊り
新しいと言っても実用新案とかそういうものではなく。私にとって初体験なだけ。バタフライ・スパイダーと同じくらいヴィンテージで有名なものとして、String Suspension / Thread Suspension と呼ばれるスパイダーがあります。日本でいう「糸吊りダンパー」というものです。ご存じですかね?
(お写真はありません)
あまりにもヴィンテージかつレアキャラなので、現存して動くモノはほとんど無いでしょうね。
私が今回挑戦するのはこのThread Suspension =糸吊りです。
えっ、フォーマーを糸で吊るの? そ〜なんです。糸で引っ張ってセンターを出すのです。
なんでも、振幅線形性とエアトラップの改善のために生まれたのだとか。織布のスパイダーよりも後年に生まれたらしく、布製スパイダーの改善のために生まれた技術です。
このように、必ずしも生き残ってるから性能が良いとは限らず、新しいから性能が良いとも限りません。しかし、死滅してしまったのにはそれなりに理由があります。
まず、
- 糸は先述のベークライト製スパイダーと同様にコンプライアンス(振幅変位)が取りにくい。Fsが高いと思われるしXmaxも取れない。
- 次に、おそらくはとても生産性が悪い。神経質。ちょっとでも糸張りのテンションが狂うとオフセンターになり、当時の古い=狭いギャップと接触してしまいます。
- また、糸は経年でどんどん伸びてきてしまうので、品質寿命も短かったと思われます。
「年がら年中再調整」という話を聞いたこともあります。
織布性のスパイダーは生産性は良いんだけれども、MotorSystemとで生まれる空間に空気をエンクロージングしまう。そこにエアトラップが生じる。すなわち、空気室とスパイダによる共振が生じて再生音を濁すわけです。それはハッキリ測定値にも違いが現れるような問題で、ケーブルの音質差などとは比較になりません。
近年では、こんな風にスパイダをバスケットで持ち上げて(または風穴を沢山空けて)

背面の共振やランブルを抜いて問題回避をします。こうした背圧を抜く構造をSpider Ventingなどと呼ぶんですが、このように新しい技術で、生産性と品質を両立させたわけですね。それで糸吊りなどは耐久性の課題もあって無用の長物になっていったと。
マスプロダクトにおける耐久性や生産性は、「瞬間的な絶対性能」よりも優先される傾向にあるように思います。ウレタン性のサラウンドも然り、性能は良いがもうどこも採用しない。
一方で、「FOSTEX」などというベンダーは、

コスト制約からか未だ古臭いバスケットしか採用できず、性能改善ができていません。そういう所もあります。(あるいは問題意識が全くない)
ただ、私が今回糸吊りをやってみたいのは背圧抜きが目的ではありません。独特の音が出るのと、創るのが面白いからです。本物のString SuspensionはFsが下げられませんし経年ですぐダメになります。
このため、糸の代わりを使うのです。
コイルスプリング・スパイダーの設計
今回は、糸の代わりに金属製のコイルスプリングを使います。
本来なら釣り糸とコイルを組み合わせて使うべきなんですが、実装スペースが無いので仕方がない。スプリングだけで賄います。
以下は設計MEMOです。
元々付いていたスパイダーの外径が78mm。VCフォーマーの直径は20mmだから、余裕を見てスパイダー側の内径は21mm。この残された面積で、構造設計しなければなりません。

まずはこんな寸法でプラスティック製のスパイダーを切り抜きます。そしてスプリングをセットします。
スプリングの取付が終わったら薄い水色の部分をカットアウトしてしまいます。

こんな感じになりますね。スプリングのテンションだけでフォーマーが宙に浮いている状態となります。
スプリングのテンションがまばらだと、ギャップの中でフォーマーがローリングしそうです。容易にギャップ擦音がしてしまいそう。しかし、そのスリリングさがヴィンテージでたまりません。擦るなら擦ってみろって感じです(笑)
大昔のヴィンテージマニヤは擦過音とギャップ調整が気になって夜も寝れなかったとか?(嘘)
また、このコイルスプリングには弱点があって、ビヨよよ〜んという共振音が出そうな予感がします。でも、それも「聞こえるもんなら聞かせてみろ」って感じです(笑)
そうなんです。良い音なんて求めてないんですよ。ただただ楽しければ良いのです。![]()
この構造のスプリングテンションで、Fsはいくつで、Qは幾つになるの?計算手段が無いから私にはさっぱり分かりません。出たとこ勝負です。試作して、調整するつもりなのか?そんな事しないですね。多分作りっぱなしです。
DAISOでパーツ物色
DAISOはオーディオDIYの宝庫です。侮ってはいけません。数千円かかってしまう所、数百円で済んでしまうこともあるのです。どんなコーナーでも、これはラウドスピーカーに使えないかな?と目を凝らして調査しなければなりません(そんな奴他に居ないって。)
たとえば私のTV用スピーカーのサランネットはぜ〜んぶ百均の構成物で出来ています。

文具売り場。
硬質カードケースです。今触っても軟度と強度がちょうど良い。昔はこれを引き裂いて蝶ダンパーに使ってたんだよな。保険に一つ買っとくか?
・・・と思ってたらもう少し良いものを見つけた。

粘土板ですって。先ほどのケースより少し強度がある。コイルスプリングのテンションで、スパイダーの骨はひしゃげます。だから強度はあった方が良い。でも、硬すぎたり厚すぎるとカットが大変。こちらを購入しました。
もうひとつ。ガスケットの素材を物色します。

ガスケットの代わりは百均のMDFで考えてました。昔は5.5mmのを売っていて、それが良かったのだけど、廃盤になって今は6mmになっちゃったんですよね〜 5.5mmがよかったな〜
・・・と思っていたら、その隣に「新製品」を発見。

これは新しいでしょ。
2.7mmは、ちょっと薄すぎるけど、薄すぎたら2枚重ねればちょうど5.4mmになります。こちらを2枚ほど購入。

帰宅したら、モノタロウからも着弾がありました。
百均とは違う、立派なプラ板です。SEKISUIのエスビロンだってさ。うーん、手触りも強度もいいな。DAISOさんには悪いけど、やっぱりこっちにするか?

パーツクリーナーも届いた。でっか! このデカさであの価格は激安。
これは昔「大阪魂」と呼ばれていたやつかな?とにかく、ホムセンで売ってるのより巨大。

続いて、ワイプオールも届きました。最初に頼んだのが70だったので、その後70ばかり頼んでいます。バイクには60や80の方がいいのかな。私にはこれが無いとバイクもオーディオも何も出来ません。
パーツが届いても、まだまだ作業には移りません。まとまった時間が取れるほど余裕ができないとやる気になれないのです。チマチマしていて、神経質な仕事です。

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