百均部品で造る、1000円予算の天変地異なラウドスピーカー・プロジェクト。
MX-0001Λ(らむだ)。
作り手が「千円掛かってない」と言い張っているスピーカーです。
すくなくとも、これを作り始めてからの持ち出しは1000円を下回ってます。
- 1本50円相当のドライバー(笑)
- ベッコベコで良く鳴るエンクロージャー。
- いい加減な設計。
- チョー適当な塗装と仕上げ。
良い音なんかするわけがないですよね。
でもコレを使っている最中に事件が起きたのです。
久々に、MX-0001Λに火を入れて聴いてみます。
そして、マトリクス用のせとりを聴いてみます。
あれっ・・・・?なんか、おかしくね?
MX-1000Hは、遠く遠く数m離れないと、音場感が良くなかったですよね?
しかしこのラムダは目の前で鳴っているのに、スピーカーを無視してかなりの音源が空間定位するのです。
んん~?
なんかチョットいいかも!
試しに色々掛けて、離れて聴いてみると、音色の妥当性では負けていても、サウンドステージではむしろHに勝っているような気がしてきました。
そんなハズはない。あっちは11万円。こっちは千円。100倍値段が違うのだから、負けるわけがない。
実はココであることに気づきます。

あれこれ、コンソールでch1と2をONすればXbassが一緒に鳴るじゃん。
そうなんですね。
で、ΛにXbassを追加して鳴らしたのが運の尽き。

(我が家の旗艦低音、Xbass。市販製品で10Hz付近まで平坦再生できているスピーカーはほとんど存在しないです)
な、な、、、
なあああああにいいぃぃ
待っていたのは、10年に一度あるかないかの衝撃オーディオ体験でした。
初めてAndromeda Gammaを聴いたときに近いかな。
誤解しないでくださいね。Andromedaを超える音が出たとかそういう事ではないです。ただ、あまりにも「1000円」という先入観と、固定観念に対するギャップ萌えの凄まじさに衝撃を受けたということです。
MX-1000Hでは、視聴条件とソースを思い切り選ばないと、サウンドステージが広大無辺になりません。しかし、Λ(+Xbass)は遠く離れなくても音場が広がるし、比較的どんなソースでもスピーカーの位置を無視して音像定位し、ステージが広がるようです。さらにXbassを加えたそれは、制約なし、広大無辺、圧倒的な空間感、圧倒的なスケール、不気味な実存感。残念ながら、現段階で1000Hは勝てません。
MX-1000H(37点)<<<< MX-Λ+Xbass(92点)
えっ。なにこれ。大差です。コスト実質11万円掛けたスピーカーが、千円のスピーカーに大差で負ける。だと???
これはXbassが優れているということではなく、低域側を補助してもらえばΛにはHを超える音場再現のポテンシャルがあった、ということだと思います。
このときの私の落胆。想像できますか?(笑)
ホント、、、、イヤになってしまいます。

そんなはずはない。。。
そんなはずはない。。。
ブツブツ呟いている自分がいました。
なぜ、こんな ”あってはならない” ような事が起きるのでしょうか?だってこれ1000円なんですけど。
(しかしこうしたコスト完全無視した下剋上が起きるのが、オーディオのオモシロさですよね? 1万円が1000万円に勝ったりするからね。)
顔をじーっと眺めていると、アッ。と。ある仮説が浮かびます。

音色だけなら、HもΛもイイ線行っているんです。むしろΛは固有のカラレーションがある。Hは決して負けていない。しかし、差を付けられてるのはサウンドステージです。
もしかしたら「距離離れないとダメ」というのは、音源の集中度(∝指向性)によるのではないか?というのが仮説です。
測ってみると、1000Hは口径28cmに該当し、ラムダは仮想口径たった13cmにしか該当しないのです。その差、倍以上です。音源が集中していないことが、リニスニングポジションの神経質さにもつながるし、離れていないときの音場感にも大差をもたらしているのかも知れない。そんな想像が膨らみました。
そういえば何気にMX-Λって「世界最小のマトリクススピーカー」なのですよね、たぶん。だってドライバ口径が38mm位しか無いんだもの。
フシギですよね~
ステレオって、左右を離せば離すほど、左右の音量差と位相差が顕著になって、拡がるものじゃなかったんでしょうか? でも、ここでは真逆の結果が出ています。
左右が集中音源になるほど、自然かつ異様な音場の拡がりを見せるという。
とても勉強になるような、ショッキングな体験でした。
ドライバ線形性だけなら、W3-2141だって負けていないと思うのですよ。5kHzくらいまではブレイクアップの気配さえないし、位相特性もフルレンジにしては良い。だから、形状や大きさの要因以外でHi-Fi視点では負ける要素が考えづらいのです。
Λ+Xbassは、背後で大きなサブウーファーが鳴っているようには聴こえません。小さな小さなスピーカーが鳴っているよう。それどころか、音源が特定できないから「ナニが鳴っているのかさえ判別できない。」
ただひたすら、異様に広大で巨大スケールの音場が目の前に現出し、圧倒されます。
MX-1000Hは偉大な子分=ベンチマークができてしまったため、これに追いつけ追い越せで切磋琢磨しなければなりません。・・・とか言いながら、別にこのままでもイイけど(爆)
ラジカセ相当
なんか凄い音のしそうなスピーカーとして描かれていますが。
安心してください。
拙宅では、
「MX専用のせとり」というものがある一方で、
「郷愁」という名の、70~80年代のポップスやロックを集めたせとりがあります。
その郷愁を聴くぶんにはΛは「ちょっと良くできたラジカセ」そのものです。音像は全部中央(Λ)にへばりついて、ちょっとも分離しないし、Xbassを切ってしまえばレンジもしょぼくて狭い。つまり、何でも凄い音で鳴るわけではない、です。
ごくごく一部の優れた収録をされたソースだけが、とんでもない音で鳴るということです。
少なくとも、70年代の歌謡曲のようなものは全部「安いラジオ」のような音で鳴りますのでご安心ください。分かりやすくいえば、大筋においてΛは驚くような音でもなんでもない。ということなんです。
空気録音

実はその後も、NEEWERマイクフォロンを使って空気録音にチャンレジしていますが、なかなか巧くいきません。単一指向性も使いましたが、以下の傾向で無指向性と同じです。
- 低域が少し膨張してしまう
- 残響過多で、お風呂場で聴いているよう
- 高域が少し落ちて丸く聴こえてしまう
そこで、NEEWERをあきらめて久々にTASCAMのレコーダーを引っ張り出してきました。

結論としては、遠点でレコーディングするとコレでも同じような傾向になってしまいましたが、NEEWERより多少マシな感じはしました。
MX-1000Hの飛び抜けたワイドレンジは捉えることができました。残念ながら肝心の「音場感」は録音すると魅力が半減未満の感じです。MX-1000Hは遠点で録音しないと魅力がわからない。しかし、遠点で録るほど残響が(聴感よりも)過多になるというのがジレンマで課題になっています。録音では分解能も1/2くらいになってしまう感じです。録音は本当に難しい。
【この連載の目次】
- MX-Λ (1)百均DIY構想
- MX-Λ (2)千円に収めるためには?
- MX-Λ (3)こんな小さな板に収まるの?
- MX-Λ (4) Gen-AIに設計少し手伝ってもらっちゃった
- MX-Λ (5)3D-CAD設計しておいた
- MX-Λ (6)男はつらいよ、カッターで切れない編
- MX-Λ (7)トリマーテーブル出撃~
- MX-Λ (8)パーツを二次加工だぁ~っ!
- MX-Λ (9)組立、ガンガン!
- MX-Λ (10)できちゃった
- MX-Λ (11)塗装も終わっちゃった
- MX-Λ (12)ドライバ実装も終わって先に音が出ちゃった
- MX-Λ (13)大きさを体感してみよう
- MX-Λ (14)端子板を作ろう
- MX-Λ (15)ターミナルが付いた
- MX-Λ (16)子分の物理特性
- MX-Λ (17)下剋上なのか?
- MX-Λ (18)いったん最終回、空気録音:S/N悪し
- MX-Λ+ (19)また粗大ゴミを買ってしまい…
- MX-Λ+ (20)Z4の基板を改造
- MX-Λ+ (21)進められる所だけでも
- MX-Λ+ (22)Λ専用サブウーファーが完成した
- MX-Λ+ (23)ぶっ壊したアンプを修理して完成
- MX-Λ+ (24)いくつかの改善点着手
- MX-Λ+ (25)測定とNotchの確認
- MX-Λ+ (26)完成、Notchの効果測定とリバース
- MX-Λ+ (27)真・最終回

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