
Steve Hacket – Spectral Mornings
いわずと知れた名盤です。
何百回これをプレイバックしたことか・・・。なのですが、この日に聴けたこの音は色々な意味で初めての音した。
そして、後ほど述べますが、純粋な音質以外で初めての体験もしました。
死ぬほど聴いている愛聴盤ではありますが、聴いたことのない音で鳴ったのです。近年はCD音源のDLNAばかりでした。大昔の愛聴盤ですから、ANDROMEDAになってから真面目に向き合って聴いたことが無かったかもしれません。まして、Nottighamでターンテーブルに乗せたのもこれが初めてかも。
とにかく今までに知っている音ではないです。今までいったい何を聴いてきたんだろう、これが本当のSpectral Morningsの音だと思いました。大した録音ではないです。昨今の優秀録音に比べればレンジも狭いし解像度もありません。それでも、音楽の感興がまったく違うのです。
一番最初に気づいたのは、中低域〜中域での波動です。大した重低音が入っているわけではないので、「腹に響く低音」とかそういうものではないです。また、大した大音量ではなく普通の音量です。なのに中低域のびりびりとした波動で皮膚が。産毛が。ひりひり、ふるふると励起されるんです。それが何か妙な生々しさと音楽体験につながります。
次に気づいたのは、ベースの明快さ。なんと音程が明確なのか。音階がよく分かるだけでなく、どんなピッキングなのかが克明に判って聞き入ってしまうのです。これは何百回も聴いた愛聴盤だからこそ気づけた違いかもしれません。今まで聴いてきた装置が、ラウドスピーカーが、いかに曖昧モコモコの低音だったのかを思い知らされました。(それでも良い音だと思い込んで聴いていたんです)
音楽全体の姿が変わりました。終いには音質などどこかへ飛んでしまい、音楽の世界へ没入できました。まるで初めて聴いた頃のように・・・。
Steve Hacketは1st、 2nd、そして今回ご紹介した3rd.までが全盛です。(これはグローバルでの彼の評価と一致しています)時代の趨勢があり、このような音楽は作れなくなっていったのです。捨て曲なしのアルバムと思っていますが、また新しい魅力を発見できた気がしています。また音質が判らなくなったら、これ、それもアナログ (Vinyl)へ戻ってこようと思っています。

ところで、これを聴いている最中に「カートリッジの慣らし」のような体験がありました。
アンプの暖気は良く訊く話ですし私も何度も体験しています。しかしMCカートリッジでこれほど音が変わっていくさまをまざまざ体験したのは、もしかして初めてかも知れません。
最初のEverydayに針を落としたとき、高域が鈍いなと思いました。もちろん良い音ではあるのですが、音が柔らかすぎる。この曲のハイハットはもう少し輝きと繊細な切れ込みがあったはず。それは、以前からもレポートしているとおり、このMCカートリッジAT-32EIIの個性であり限界だなと思っていたのです。ところが、曲が進むにつれ10分ほど経過した頃には徐々に繊細な切れと輝きが聞けるようになってきた。
さらに、B面へひっくり返して聴くとそれがどんどん、どんどん加速してゆき、最後は超微粒子の金粉のような輝きが空間に散乱しはじめたのです。えっ・・・? ベルやシンバルだけでなく、前述のベースもどんどん切れと豪快さを増してゆく。まさか、これはカートリッジのダンパーが慣らしされているとでも言うのでしょうか??

長年オーディオをやってきて、これほどまでカートの音が変わってゆく様子を聞いたのは初めてなのかもしれません。この日は寒波で部屋がとても寒く(といっても16度くらいだと思いますが)その影響はあったかも知れませんが。とにかく、初体験です。このカートリッジはアルバム1枚聴き終わった頃にようやく真価を発揮するということが判りました。
思えば、MCカートリッジだって機械振動系を持つ音響変換系デバイス。ラウドスピーカーがブレイクイン中に見る見るT/Sを変えてゆく様を私は知っていますので、カートだって徐々に性能が変化してゆくのはとても自然なのかも知れません。もしかして、このカートリッジって実は「おろし」で、バーンインが済んでいないのかも??

このような鮮烈な体験の後、追試するためにディジタルも聴いてみました。Qobuzに同じ音源がありますのでそれを。
もちろん良い音で鳴るんです。しかし、前述のような「ナニコレ」体験はありませんでした。これもアナログ特有の現象のようで、私にとっては数年に一度、あるかないかの音楽の奥底へ没入できるような感動体験となりました。

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ふむ。カートリッジにも鳴らし
の時間があるということですね。
参考になります。
>hkhk321
そうですね、私も初めての経験です。
「十分に慣らしの終わっているカートリッジに対して」
それでも鳴らしている数分のうちに音が変化していくんです。
ラウドスピーカーの実測テストでは経験があって、鳴らしていくうちに
FsとQtsがみるみる変化していく(どちらも低くなってゆく)んです。これは面白かった。
そして、音を止めて数分すると、値がまた元へ戻ってしまうんです。
これと全く同じ現象がカートのダンパーにも生じているのかな、と。
寒い日特有なのかもしれませんし、どのカートにもこういう症状が出るのかは判りません。