オーディオの音質チェックにも使える超絶録音盤をご紹介するシリーズ。
今回は Terje Isungset さんをご紹介します。

Terje Isungset :
Beauty of Winter – Ice Music Live –
Terje Isungset は、ノルウェー出身の打楽器奏者・作曲家です。
彼はもともとドラマー/パーカッショニストとしてノルウェー・ジャズシーンで活動していました。
北欧ジャズ特有である
・静けさ
・空間の広さ
・即興性
・民族音楽との融合
といった流れから派生して、更に音そのものや空間を重視した音楽へと展開していきました。
もともとはジャズ出身の即興演奏家だったが、自然素材と音響実験へ進化していったアーティストと言えるでしょう。
「JAZZ」とカテゴライズされる事が多いのですが、これがジャズだとしたらかなり前衛寄り。スイング、ビバップ、モダンのような「一般的な」JAZZを想像すると全ハズシです。環境音楽のようなものをイメージした方が当たっているでしょう。
近い系譜で言えば Jan Grbarek, Arve Henriksen, SupersilentといったECM系や欧州アンビエントが思い浮かびますが、それらともまたちょっと違う。
氷の楽器を使った Ice Music

彼を唯一無二たらしめているのがこれ。氷で楽器を自作する・・・!?
Terje Isungset は 氷で楽器を作って演奏する先駆者として世界的に有名です。
楽器の事例:
- 氷のドラム(超巨大なバスドラム含)
- 氷のホルン
- 氷のハープ
- 氷のコントラバス
- 氷の打楽器
- 氷のマリンバ(氷琴?)
- 氷の笛
・・・これら以外にも、氷のシャーベットをザクザクと削る音、氷の表面を鉄パイプみたいなものでガリガリと引っ掻く音、氷を踏み鳴らす音、ヒューヒュー、ハッハッと震え息づく人声・・・それらすべてが楽音として利用されます。人声も歌というよりは楽器や環境音の一部として扱われます。
「2度と、同じ音は出ない」と彼は言います。氷は凍って/溶けて〜音響特性を変えて行ってしまいます。一期一会なのですね。現場(もちろん超低温です)での即興演奏が氏の真価でもあるので、ライブパフォーマンスには定評があります。

音楽性
最初に思いつくのが「音を使っての空間デザイン」でした。個々の音質そのものも練りに練られていますが、それ以上に、残響音も含めた空間デザインが素晴らしく、音楽というよりは「部屋」「空間」を味わっている。そんな感じです。空間的で立体的な音楽です。
「静謐」「神秘的」「呪術的」といった単語もしっくり来ます。
いわゆるリズム・メロディー・ハーモニーといった世俗的な音楽の価値観や愉しみ方とは異質。ただしハーモニーは感じるのです。使っている楽器が多彩であることと、倍音成分が豊かだから、重層的な音のうねりと和音を感じます。
楽器によっては「グラスハープ」や「グラスハーモニカ」みたいな音色だな、と思うことはありますが、あれらのように単調ではなく、スケールは雄大・壮大です。巨大な空間感を感じる。
金属とは異なる、「氷特有の」豊かでかつ鋭すぎない柔らかな共振・倍音の漂いを存分に味わう。そんな音色だけを楽しむような音楽要素もあります。
この幻想的な音楽性は、たとえばタルコフスキーのSF映画(しらねーか)などにピッタリだと思いました。
録音品質
さて、ようやく音質の話です。
とにかく「物凄い音」(こればっか)。

音が出たとたん、巨大な音響空間が幻出し、そのあまりの凄さに身体が金縛りに遭います。まさにアイスパワーでリスナーが凍結されたかのよう。
打音や擦過音は克明に鋭いエッジで空間定位するかと思うと、ある打音は茫漠として空間定位します。そして地を揺るがして押し寄せるアイス・バスドラムの波動(音というよりまさに波動)。
どの楽器(?)の音色も氷のイメージそのもの。全ての音色がひたすら冷え冷えと透明・繊細で、そして澄み切っています。倍音がまるでプラズマやドライアイスのように空間へ漂っていく様子も実に美しく、幻想的。瞑想的。音色と余韻の美しさだけで聴けてしまう、妙な音楽性もあります。
繰り返しになりますが、音や音楽を聴いているというよりも、「空間を聴いている(感じている)」という感覚が強いソースです。音色よりも音場を特に優先的に扱う装置なら本領を発揮するかなと思います。
氷を叩いた澄み切った音色、氷を引っ掻く音、削る音、こする音・・・様々な音色が凄い解像力で空間を描き出します。生々しく澄み切ってあたりに飛散する余韻。そして、ゴジラの足音のような、音にもならないような押し寄せる風圧。一番近いのは、マンションの階下で階上の人が床を踏み鳴らす音でしょうか?
部屋そのものを威圧し揺さぶるようなパワーで、部屋のいたるところがガタガタ、ビリビリと共振を始めます。ホラー体験。
実は、この風圧、一般的なラウドスピーカーでは聴こえないのです。例えば、DIATONE DS-25B, ONKYO D-N7XX, KENWOOD LS-11ES… 何も起きないのです。「無かったの」と同じ。
踏み絵のようなソースとなっており、しかるべき装置で聴けば物凄い。凄まじい。巨大な空間感と質量感は、残響の美しさだけでなくこの超低域に依るところが大きいのだと思います。
それでは、いくつかのスペクトラムも観てみましょう。

Track1の”Blue Holizon”。
もう、のっけから大変な騒ぎです。滅多に聴けない凄い音。
27Hzの鋭いピークが風圧と部屋鳴動の正体ですが。大太鼓やバスドラと違って、基音=27Hzだから、太鼓的な皮の張りの倍音はしない。いきなり、風圧だけがどっふーんとやってくるわけです。そして、27Hzだけではなく、その下の超低音も、レベルがまるで落ちてゆかない・・・!!アナログディスクでは収録不能なスペクトルが示されています。これは本当にアイスバスドラムなのか、それとも氷の床を踏み鳴らす音なのか。とにかく強烈です。
そして、低域だけでなく高域も。普通の音楽では、スペクトル上高域はもう少し大下降するのが自然なのです。なのに、これは落ちていない。これが澄み切った音色の正体か。そして、スペクトル上に時折現れる鋭いピークが、楽器(?)の基音です。いかに、倍音列が豊かなのか分かりますね。

Track2 “Snowflake”。
こちらも、27Hzに同じピークがあります。ということは、やはり同じ楽器(アイスドラム)ですかね?
こちらはすごく高い周波数にもピーク、つまり楽器基音が見られます。Track1も透明感や定位は素晴らしいが、輝きと繊細感はTrack1以上かもしれません。

”Silent Folk”。
こちらもTrack1、2ほどの低域ではないものの、暗騒音のレベルは高く、雰囲気と空間感は凄いものがあります。空気感が澄み切って、どこまでも見通せるような音像とステージ。
高域も・・・見てください、20kHz付近まで伸びきっている。
こんなスペクトルを見せるソースって、滅多に無いのです。(一見やかましくても、超高音は記録されていない)
コマーシャルな音楽ではないから、音楽的には人を選ぶかも知れませんが、サウンドマニアは必携盤。特にサウンドステージやワイドレンジを大切にされている方は一聴の価値ありです。
サウンド目的ではなく”音楽鑑賞”も、ということであれば、取っ掛かりとしてこちらの方が適しているかもしれません。こちらも凄い音ですからオススメです。

Terje Isungset : Winter Songs
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氏らの演奏はYouTubeでも観られます。ご興味があれば。
ただし、くれぐれもYouTubeの音で音質までは語らないでください。全くの別物ですから。

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