UltimateMicroSub はわずか7ℓ内外の小容量で20Hz付近まで平坦に再生する…”小さなモンスター”ウーファーです。
特殊な設計のドライバと、6次バンドパス構造で驚愕の特性を実現しています。
ワールドワイドで見ても、たったの7.数リッターでF3が20Hzを切っている。これは自作品でも市販製品でもほぼ前例が無いと思います。探してみました。見つかりません。そんなもの。
本稿は、そんなUltimate Micro Subの過去記事をまとめたものです。UMSは旧ブログ上でも大変な人気アーティクルでした。もしかしたらどなたかがこれをそのまま追試される可能性も加味し、設計制作プロセスをできる範囲で丁寧に再現したまとめ記事に再構築しました。
目次
プロジェクト設計思想
6th Order Bandpass とは何か?
使用ドライバー
箱の設計
部材の事前加工
箱の組立
塗装とワイヤリング
測定
試聴
振り返り
プロジェクト設計思想
Ultimate Micro Subは、テレビ音声の重低音補強を目的にスタートしたプロジェクトです。拙宅ではTVスピーカーは自作のTVラックと一体化されていますので、そのラック内に収納できる高さ/大きさでなければなりません。必然的に、小型のサブウーファーとなります。

実のところ、最初から20Hz未満を再生できるウルトラウーファーを狙っていたわけではないんです。ただ、私は雄大なスケールのSFやアクション映画、ディズニーピクサー系のアニメを大画面で鑑賞するのも大好きでした。だから、テレビ音声とはいえ、それら超の付く低音再生にも妥協はしたくない。小型のサブウーファーでもできる限り低域下限(F3)を伸長することを構想しました。
低域再生に有利そうな小型ドライバーをチョイスし、それを使って6th Order Bandpassで設計構想を繰り返す。そのうちにシミュレーションレベルながら20Hzまでの再生が現実味を帯びてきました。こんな小型でそんなバカな、とは思いつつ、作ってみたら本当に20Hzまでの再生を達成してしまった。ほとんど偶然に近い産物なのです。
設計値ではF3は22Hzになる予定でしたが、現実ではこれも少し狂い。F3=18〜19Hz付近というとてつもないワイドを達成してしまった。これには自分でも驚きました。
たかだかテレビ用のスピーカー、普段使い。そんなに力をこめて設計したわけではないのです。しかし結果は違った。ライブ音楽再生はもちろんのこと、このサブウーファーを伴って再生される自作スピーカーでのテレビ・映画鑑賞は異次元。風圧や気圧変動に近い帯域まで再生するウーファーですから、空気感・威圧感・スケール感が圧倒的です。国産製品のようにスペック上20Hz〜と記述があっても実際には-16dB落ちだったりするマガイモノとは訳が違います。
ただし、小型で超低音まで再生するトレードオフとして大音量は全く出せません。そこがウィークポイントです。
6th Order Bandpass とは何か?
6次バンドパス system。
日本人のオーディオファイルには耳馴染みのない単語かもしれません。しかし海外のビルダーにはお馴染みであり、極めて常識的な方式です。また、同じ日本でも一部カーオーディオの世界では一般性の高い単語になっているかもしれません。
そのネーミングはまんま電子回路から来ています。すなわち、バスシステムにおいて、

密閉方式の低域特性は、2次ハイパスフィルターの電気回路に線形近似できますよね。ドライバと密閉サスペンションで形成される極が一つで、一つの極は2次関数を形成するから、2次系というわけです。
そして、

バスレフ方式の低域特性は、4次ハイパスフィルターの電気回路に線形近似できます。ドライバー(+箱)で1極。バスレフポートで1極。合計2極だからx2で4次系というわけです。
さらに、

6次バンドパスシステムは、6次バンドパスフィルターの電気回路に線形近似できます。
だから、6th Order Bandpass Systemと呼ばれるんです。(そのまんまやないかい)
- ドライバー(+箱)
- ポート1
- ポート2
合計3つの極を持っており、これによって6次関数で表現できる回路を形成します。
6次バンドパスで通じなければ、長岡一派なら「DRW」とでも呼べばわかるでしょうか。あれも6次バンドパスの一形態です。DRWを「電子回路の設計ができない人が勘と経験だけで作った回路」だとすれば、6th Orderは「電子回路の設計ができる人が設計した回路」と言えますね。ちなみに Double Resonance Woofer はネーミングとしてもおかしいですね。共振極が3つあるのだから、それを表現したいなら Triple Resonant Woofer が正解でしょう。
上図、━━赤グラフで低域特性を記しました。ご覧の通り帯域制限のフィルタ次数が高くなると遮断特性が急峻になります。それと共に帯域端の肩が張って尖ってきますね。だから、そのことを利用して低域限界を下へ引っ張っているのです。バスレフも同じですよ。それを極端にしたのが6次や8次です。
一方で、– – – – –緑グラフで群遅延特性の傾向を記しました。低域が伸びるのとトレードオフで、高次システムは軍遅延時間が大きくなります。皆様も電気回路は次数が大きくなると位相特性が劣化することは何処かで学んだかもしれません。オーディオの世界で位相特性の劣化は群遅延特性の非平坦だと考えれば良いです。教科書通り、位相特性劣化→群遅延劣化となっています。
2次密閉 → 4次バスレフ → 6次バンドパス と次数が上がるにつれ、低域は伸びるが群遅延は劣化する。明快なトレードオフがあります。UltimateMicroSubの場合は位相特性劣化は全て諦めて、低域の伸びへ全振りしています。ここまで説明して何となく分かってしまったかもしれませんが、DRWと呼ばれるウーファーシステムも群遅延特性(位相特性)は劣悪です。ここでは脱線になりますので詳しく触れませんがバックローデッドホーンの位相特性も劣悪と言って良いでしょう。
使用ドライバー
今回のドライバーには Tangband の W3-2108 という3.5″‘ ウーファーを採用しています。

少しでも小容量で低域伸長を実現したい、ということでピックアップした小口径(たったの8.5cm!!!)ですが、採用してみれば「特異点」と言っても良い変わったパラメータを有するウーファーでした。今回の成功は6次バンドパスというだけでなく、ひとえにこの特異なドライバーの採用が大きく寄与したと思います。
開発したDaytonのメンバーですら、恐らくこんなに低い音階の狙えるドライバーだという認識が無いのではないでしょうか? Fs=45Hzの小口径ドライバ。これで電気的補正もなく19Hzがマトモに出るなんて、異常事態だとは思いませんか?
このまとめ記事を書いていて知りました。もうディスコンなのですね。
実に残念です。非常に素晴らしいのに。特異点なのに。オンリーワンなのに。
DIAPHRAGM MTL PP Composite
SURROUND MTL Santoprene
NOMINAL IMPEDANCE 4 ohms
DCR IMPEDANCE 3.6 ohms
SENSITIVITY 1W/1M 77 dB
FREQUENCY RESPONSE 45 – 1 K Hz
FREE AIR RESONANCE 45 Hz
VOICE COIL DIAMETER 32 mm
AIR GAP HEIGHT 4 mm
RATED POWER INPUT 25 W
MAXIMUM POWER INPUT 50 W
FORCE FACTOR, BL 6.17 TM
TYPE OF MAGNET Ferrite
MOVING MASS 17.96 g
FERROFLUID ENHANCED No
SUSPENSION COMPLIANCE 621.58 uMN^-1
EFFECTIVE PISTON AREA 0. 0044 M^2
Levc 0.21 mH
Zo 38 ohm
Xmax +-7 mm
Vas 1.71 Litr
Qts 0.46
Qms 4.67
Qes 0.51
箱の設計
TVラックの隙間に滑り込ませる。ほとんど自由度がなく、最初から確保できる大きさと容積は決まっていました。
Boxシミュレーターで占っていると、なんだか20Hz内外まで再生できそうなことが見えてきて、俄然色めき立ちます。

これは当時のSimグラフ、限界まで引っ張った値ではF3が19Hz!! 信じられない値ですが、実際に作ったら本当にF3が20Hzを割ってしまったわけです、音も数値も常識破れすぎてアタマがおかしくなりそう。ここで得られたシミュレーション結果がプロジェクトの強いモチベに繋がったのは間違いありません。

設計で苦労したのはやはりポート設計ですね。小容量な上にFpが極端に低いものだから、ダクトが常識はずれに長大になります。当然ながら内部で折り返さないと収まらない。こんな設計、誰もやらないと思います。流速が高くなるから、フルートノイズも凄そう。こんなもの、マトモに動くわけがない。期待半分不安半分で、設計が進むにつれ段々と自信が無くなってきます。こりゃ大失敗作じゃないのか。それでも、面白そうだから手は止まりません。
小さいから設計や設計整合は大変です。それでも小さいことが幸いして、サブロクのMDFたった1枚で全ての部材が取れ、まだ余ります。

角穴、丸穴など、一部に二次加工が必要です。二次加工は木材屋さんにオーダーしてもいいでしょうが、ご自身で加工すれば圧倒的にコストを低く抑えられます。私は最小限を発注し、部分的には自身でトリマー加工を行いました。
部材の事前加工
ウーファーバッフルの切除とボルト穴
今回のウーファー、W3-2108はバスケットの裏面が特殊でデコボコした形状をしています。一般的ドライバーのような、単純丸穴ではインサートできないのです。このため、干渉する突起部をザグってやらなければなりません。これはフラッシュマウントともちょっと違います。少し厄介なフレーム形状ということ。
部品番号6番の表皮をトリマーで図のように切除します。(私の場合は現物合わせです)

鉛筆でけがいておいて、慎重にザグる。これはこれで楽しかったですよ。見えない部分ですから少々粗いのも大丈夫です。

図示はしていませんが、この段階でドライバーのボルト穴も開けておき、裏側に鬼目または爪付きナットを打っておきます。
ダクトの端面フレアード加工
バスレフダクトを形成している部材1番と2番。その端面をR加工しておきます。
この加工は必須ではないが、気流を滑らかにして開口端反射を抑え、ポートノイズを減少させる効果があります。

加工にはR刃のトリマーを使うもよし、しかし粗いサンドペーパーでも十分に綺麗な加工は可能です。
ポート間仕切り板の穴あけ
ポート室と空気室を仕切っている部材10番に角穴を開けます。これは加工屋さんに開けてもらっても良いですが、自分で開ければ千円くらいのコストカットになります。

UltimateMicroSubの上部はダクトが折り畳まれたポート室となっています。下部には第1空気室と第2空気室があります。この10番に開けられた穴はそれぞれ第1空気室、第2空気室に繋がっていて、ポート室の長大なポートへ誘導されるという構造です。
バッフル接続穴とナット装着

本機はドライバーを内部に取り付けたり後からメンテ交換ができるように、バッフルが二重構造になっています。
メインバッフル3番とサブバッフル4番を接合した状態で、適切な四隅、同じ場所に接続ボルト用の穴開けをします。爪付きナットを使う場合は当然ながら板と干渉しない場所を選んで穴を開けます。
4番の裏側に、鬼目ナットまたは爪付きナットを装着しておきます。
スピーカーターミナル用の穴

裏板5番にスピーカーターミナルを装着したい場合は予め穴を開けておきます。場所は任意。後から手を突っ込んでナットを回しやすい場所。
これで二次加工は終わり。
箱の組立
組み立ての工程は以下。LEGO風に図で説明します。


ポートの間隔は各々21.25mmです。できるだけ等間隔となるよう工夫して接着をしてください。







この接着が最も精度を要求される工程です。
下に板などを敷き、水平と垂直を保って可能な限り正確に接着をしてください。ここが歪むと後工程が全て台無しになります。








7番を貼った段階で、閉じ切る前に内部を目止め塗装します。これをしておくと防湿効果があり、経年劣化に天地ほど差が出ます。また振動抑制で音質も向上します。

一見塗装がはみ出しているように見えますが大丈夫。木口にマスキングテープがしっかり貼ってあるので塗装は乗りません。

7, 8両方とも十分に目止め塗装したら、5番で閉じます。5番の裏側も軽く塗装してあるとベスト。接着後に表側から筆を突っ込んで手当たり次第メクラ塗装するのでも良いでしょう。

最後にサブバッフル4番を接着して、箱の接着工程は完了です。
終わってみれば意外にあっけないですよ。構造は複雑怪奇ですが、左右チャンネルがなくモノラルというだけでもかなり楽なのです。
音質が良くなるから複雑な構造にしたわけではありません。また、好き好んで複雑化したわけでもありません。長大なダクトを小さな箱に収納しなければならないので、必然的に構造が複雑化しただけです。ただ、この複雑な構造が補強として働き、大変な高剛性の箱に仕上がったのは事実です。
塗装とワイヤリング

必要な部位をマスキングしたら、塗装をしていきます。
特にマスキングが大事なのはネジ穴ですね。ボルトに塗料が掛かるとボルトが回らなくなります。


まずは下塗りです。黒いサーフェイサーを吹きました。

そして最終塗装=上塗りです。サブバッフルは掛からないようにマスキングして養生します。
今回はローラーはけを使いましたが、塗料の塗りやすさと相まっていい仕上がりです。


マステを剥がしたところ。

ウーファー取り付け部がご開帳。開口部が狭いから、ボルトナットでないと取り付け作業は厳しいと思います。力が入らない。

サブバッフルの塗装端面。融着を防ぐため、表層を軽くヤスっておくと良いかもしれません。

フックアップワイヤーをはんだ付けした状態で、ターミナルを装着。
ついで、第二空気室に吸音材を設置します。全壁面にハーフ一層程度。

ファストンを繋いでウーファーを装着します。

このタイミングで第1空気室にも吸音材を設置。四隅軽くで良いと思います。

メインバッフル3番。
塗装の融着を防ぐ&密閉度を上げるため、裏面はマスキングテープが隙間なく貼られています。このまま接合します。中央部はウーファー直接波が当たる部分にウレタンを貼り込んでいます。


メインバッフルをねじ止めします。
優秀な塗装で、木口のつなぎ目がまるで見えません。唯一、接続しているメインバッフル/サブバッフルの継ぎ目だけが目立ちます。


とうとう完成しましたね。
ラック内に設置して測定や試聴を行っていきたいと思います。
周囲のTV用スピーカー(3本)より微妙にトーンを落としてみたのですが、これはあまり意味はなかったかも。完全同色の方が落ち着いたと思います。
測定
出来上がったサブウーファーの特性を実測していきます。
有響室内における擬似無響計測で低域特性を観測するには、有響室での反射影響を排除するため、近接場計測が基本です。密閉型なら観測対象がウーファーのみで楽ですが、バスレフ4次以上になるとポートサミングも必要になるなど中々に面倒臭いです。
その点、このUltimateMicroSubは計測が非常に楽ちんです。というのも、

第1ポートと第1ポート出口が一体成形できているので、そこにマイクロフォンを近接するだけ、一発で擬似無響計測が完了します。
ごまかし無し、無響室相当の計測データがこちらです。

グラフ直読で、F3 (Half Power Point) は約18Hz。
たった8.5cmのドライバー、たった7リッターの小容量で、18Hz/@-3dBのシステムが完成しました。
考えられません。常識はずれです。
このシステムのウーファーはツナ缶よりも小さな振動系しか持たないのです。重低音といえば大口径ウーファーが「必ず」必要では無かったのか?必ずしもそうではない、ということをこのシステムは証明してみせました。
しかし、試聴結果はもっと常識はずれでした。
試聴
視聴記は主観です。何を言っても嘘に聞こえるかもしれません。
とにかく視覚とのギャップのある驚天動地の音が出てきました。音出しした瞬間、部屋の空気感・空間感が一変。これは超低域まで再生できる系特有の現象。目の前にあるUltimateMicroSubから低音が出ているのだと考えながら聞いていると頭がバグりそうです。どう考えても(というより、ほとんどの人が)左右に鎮座しているANDROMEDAやXbassから低音が出ていると勘違いすることでしょう。やはり外観から想像していた音とあまりにもかけ離れており、茫然自失とします。こんな衝撃体験は、長いオーディオ歴の中でも中々あることではありません。
音階だけでいうならXbassとさほど遜色ない音が出ています。負けているのはエネルギーの総量、ドッと押し寄せる空気の巨魁。波。透明感、軽やかさ。しかし言ってみればそれだけ。それと、やっぱりANDROMDAシステムに比べれば多少は不自然でしょうか。

手をかざしてみれば、ポートから凄まじい風圧。まるでサーキュレーターのよう。
空気感や空間感、威圧感を見事に再現しています。実測レスポンスからも判るとおり、不要帯域のリジェクト能力が秀逸。中低音以上が全く出ない(実際、鳴らしても通常低音さえ出ない)から、濁りがまるでありません。そこは6th バンドパスならではと言えそうです。中高域の漏れが少ないから、方位感もまるでなく左右の小さなTV用スピーカーから超低音が出ているか?とも錯覚します。
30cmブックシェルフよりずっと低い音階・・・おっと、それどころではないですね。JBLの4344よりも1オクターブも低い低音が出ているのです。ほとんどのオーディオファイルは、本物の超低音を聴いた経験がありません。なぜかというと、市販製品にはそこまで伸びているプロダクトがほんの一握りしか存在しないからです。そして、それにも妥当な理由はあります。
このプロジェクトの最大の弱点は、やはり大音量が出せないこと。それとポートノイズ(歪)が多いことです。無理難題を押し付けているので、トレードオフとして致し方ない部分があります。
振り返り
本当に、こんな小さな箱で20Hzなんて出るのか?(出っこない)(まあ、出ないなら出ないでいいか。TV音声だし)
半信半疑で始めた半分お遊びのプロジェクト。
でしたが、結果はオーディオ歴の中でも悶絶級のショッキングな結果となりました。私はYAMAHAのYST-SW1000というサブウーファーを使った時期もあるのですが、それよりずっと低い音階が再生されるのです。ここまで帯域が広がるとたかだかTV用、AV音声といえ、表情が一変します。
ブルーレイやサブスクをはじめとするライブ音源はもちろんのこと、映画音声。圧倒的スケールと迫力で楽しめます。

ただ、あらゆるシーンで汎用的に優れているのかというと、かなりとんがった存在です。弱点が沢山あります。
致命的弱点: 大音量に弱い
Excursionのシミュレーション段階から分かってはいたことですが、とにかく大きな音が出せない。オーディオ的快感を堪能できるような大音量再生は不可能です。映画館並みのど迫力の大音量なんてもってのほか。これが低域を伸ばし過ぎたこととのトレードオフなんです。低い音階が出せることに全振りしていて、他は諦めている。
コイツで大音量を出すとどうなるのか?
あっさりと壊れます。また、壊れるまで行かずとも盛大にノイズが出ます。
例えば、16Hz周辺がまともに収録されているソースでは、たった1ワットでも破綻します。ウーファーがボトミングしてパカパカという雑音が聞こえはじめます。ボトミングまで行かずとも、ポートからパルパルパルパル・・・と耕運機なみのノイズが盛大に出始めます。つまり、大音量域での歪やノイズも多いのです。
本機のように小口径のポートは、大概の場合において性能が悪い方向に働きます。開口面積が狭い→ポート内の流速が上がる→非線形が強く出る→ノイズと歪の上昇・・・だから本当はポート開口を広く取りたかったが、ただでさえ長いダクト、小容量。色々と設計制約がありました。
こんなUltimate Micro Subは性能限界も低いですが、それでも普通の音量でTV鑑賞するような常用域では大満足です。ほとんど不満がなくなりました。どれくらい素晴らしいのかというと、例えば娘は推し活でよく推しのライブをTVで鑑賞しているのですが、たまに他のシステムからTV音声を流していると、「いつもと音が違う。いつもの音に戻して」と叱られます。低音がよく収録されているソースでは「重低音がすごい」と感想を漏らすようにもなりました。
ー もし今から再設計できるなら? ー
こんなに広帯域を欲張らず、ポート断面積をほんの少し増やす = ポート共振周波数を少しずつ高めにする = 低い方は欲張らずに24Hzあたりで止める。そういう改良をすると思います。それだけで大音量にも相当強くなります。ただ、そうした時にも今と同じような感興が得られるのか? ・・・こればかりは作ってみないことには見えない領域です。だから現状満足。
ちなみに、このプロジェクトの実装成功がMX-1000Hのウーファー部につながりました。
UltimateMicroSubの巻。これにて校了です。
長々とお読みいただき、ありがとうございました!