この原稿は必要に応じて加筆改訂されます
ANDROMEDA とは?
[ANDROMEDA] プロジェクトは当ブログの管理人 KeroYon 自宅の旗艦ラウドスピーカーシステム。フルスクラッチでのDIY自作スピーカープロジェクトです。
ただ、ちょっと解りにくいのが、これは4種のスピーカーシステムの総称なんです。

[ANDROMEDA]とは、Xbassと呼んでいるサブソニック帯域を含むコンビネーションシステムの総称です
ANDROMEDAは4つあるって?
フロントバッフル交換システム。4種の異なるドライバの組み合わせに対応しているので「メインスピーカーが4種類ある」という言い方ができます。
それぞれ、ANDROMEDA – Alpha / Beta / Gamma / Upsilon というサフィックス(別称)を持っています。
画で見ていただけばすぐ理解できるかと思います。

ANDROMEDA-Alpha (4way)

ANDROMEDA – Beta (3.5way)

ANDROMEDA – Gamma (3way)

ANDROMEDA – Upsilon (3way)
余談ですが、サブバッフルを追加制作すればいくらでもシステムは新規拡張ができますし、実際にその計画もあります。
利用ドライバーとクロスオーバー構成

各モデルのドライバー構成をご紹介します。
極端に高額なドライバーは採用していませんが、それなりに高額で高級なもの、高品位なものをセレクトして採用しています。また、各クロスオーバーポイントにおける理想的な特性を勘案して選ばれています。
基本的にはハード系メンブレンやリニア駆動が中心ですが、軟質のメンブレンも混成させて両方楽しめるようにしています。
| Specs | Alpha | Beta | Gamma | Upsilon |
|---|---|---|---|---|
| Mutiway | 4way | 3.5way | 3way | 3way |
| Xover Frequency | 40 / 710 / 4.8k Hz | 45 / 450 / 3.5k Hz | 45 / 950 Hz | 45 / 5k Hz |
| High | Accuton C25-6-013 |
Thiel Audio CS2.4 4.5″ Coax 2way |
Dayton Audio AMT-PRO4 |
PRV Audio D280Ti-B +ME10 |
| Mid | Accuton C50-8-044 |
Telefunken 25x18cm OvalCone Full-Range |
||
| Low | SB Acoustics SB23CACS45-8 |
Fountek FW222 |
ETON 8-612/c8/32 |
|
| PR | SEAS SP22R | SEAS SP22R | SEAS SP22R | SEAS SP22R |
| Super-Low | Scanspeak 18W8545K00 x 4 |
Scanspeak 18W8545K00 x 4 |
Scanspeak 18W8545K00 x 4 |
Scanspeak 18W8545K00 x 4 |
Alphaは純粋な4way。
Betaはメカニカル・コアキシャルドライバーを中高域に使っているので、準4wayというか、メカニカルには4wayで、電気的には3way+位相保証で、したがって3.5wayと呼ぶべき特殊な存在です。
それ以外のGamma, Upsilonは3wayです。
Gammaは1kHz以上をたった1本で再生できる平面型のAirMotionTransducerを用いているので、3wayといえどかなり特殊な存在の3wayと言えます。
Alpha, Beta, Gamma, Upsilonいずれも低域はファンダメンタルエンクロージャー側にPassive Radiatorを装着した位相反転型で補助されます。ただし、このPRsは「低域を伸ばすため」というよりは、「Xbassとのクロスオーバーのスロープ特性を4次系に近づける調整をして接合するため」という存在です。ほぼ何言ってるんだか解りませんね。
3D モデリングの導入
ANDROMEDAの計画期初から3D ModelのFusionを導入開始しました。
これが大変大きかったです。

ANDOROMEDAは比較的複雑な構造を採っています。
設計段階から寸法矛盾や寸法の最適化をビジュアライズして行える。また、デザインの仕上がりを想像しながら設計できる。これはとても大きな要素でした。
組み立て工程においては、組み立て工程さえもビジュアライズして確認と再現が可能となりました。

3Dのモデリングで最終デザイン検討していたものが、実際の制作物として具現化されていくさまを観ることは、とても感動的かつ衝撃的な体験でした。本当にデザインした通りに実現できるものなのだなと。


Xbassシステム
Alpha / Beta / Gamma / Upsilon 4モデルのすべてについてボトムエンド・サブソニック領域の下支えしているのがこのXbassです。

15Hzまではほぼ平坦で、F3が8〜10Hz付近というお化けのようなシステムです。
Linkwitz Transform… それそのものではないのですが、密閉システムが2nd. Order HPFの伝達関数と線形近似できることを利用し、その逆伝達関数を充てて補償したシステムとなります。
市販製品でもここまできっちり伸ばせているシステムはあまり見当たりません。当然ながら、バスレフのような4次系で低域を伸ばしたものとは本質的に異なり、可聴帯域の群遅延が原理的にほぼなく、極めて軽く自然な超低音、圧倒的なスケールを聴かせます。これを一緒に鳴らすと全ての楽音が生々しく豹変します。
軸上振幅特性

ANDROMEDA – Alpha。V6と呼んでいたころの特性です。
スムーシングは 1/12th 程度が掛かっていると思います。
20 〜 16,000Hz で ±1.5dB といったところ。可聴帯域内は大変優秀です。
低域のF3は8〜10Hz付近に達します。

同じく、Alpha V6 のクロスオーバー接合を見ている様子。
40Hz / 700Hz / 5.8kHz 周辺での4wayクロスオーバーとなっています。

ANDROMEDA – Beta。これはV5の頃です。
なんだかあまりちゃんとした計測データが残っていなくて。
スムーシングは1/24th位かな? 位相特性=グリーンが非常に優秀です。

同じくこれは、Betaの V9 の頃。
48dB/Oct. (=LR8) を試していた頃の画像です。グレーは設定したクロスオーバースロープを表しています。
スムーシングは1/6th だと思うが、中・高の凹を除けば極めて優秀。

ANDROMEDA – Gamma。V6と呼んでいたころ。
上位3兄弟の中にあっては最も特性が暴れている方だと思います。それでもこの整い。そして、少々暴れていても音はいいんです。これ「ならでは」の独特な魅力があります。
音質の特徴
「個性を感じない」のがANDROMEDAの個性です。



まったく違う音質なのかというと、Upsilonは少し個性がありますが、それ以外の3モデルは音質が拮抗しています。一歩も引きません。非常に似通った再現性を持ちながら、微妙な味わいの違いを持っています。
私はANDROMEDAの完成を通じて、「本当の高忠実度を突き詰めると同じゴールへ漸近してゆき、音質が似てくるのだ」ということを初めて体験しました。Alpha, Beta, Gammaの3モデルは驚くほど音が似通っているのです。アンプ並みに音が酷似しているので、もしかすると完全ブラインドでは正答するのが難しいかも?と感じるほどです。
ただ、それぞれ発音方法が違いますのでもちろん微妙な個性の差はあります。特にサウンドステージのでき方や空間感の漂いなど、微妙なところでは個性が出ているようです。
ANDROMEDAシステムの完成後、私は生まれてはじめてラウドスピーカーの存在の消失を感じました。ソースの録音品質や録音環境の違いだけが音質を形成するのであり、ソースの音質差ばかりが気になり、オーディオの存在がとても希薄になったと感じます。これは「オーディオっぽい音を聞いてオーディオの性能に感動する」という、オーディオデバイスコンシャスな視点では、少々物足りない世界観かもしれません。
DSPクロスオーバーによる圧倒的なアドバンテージ

私にとって、3Dモデリング以上にエポックメイキングだったのは、DSP – Xover導入による本格的なマルチアンプシステムです。これは昔からある「チャンデバによるマルチアンプ」と本質的に違います。ドライバー非線形オプティマイズを含む真のクロスオーバーを、音質劣化を伴うパッシヴ素子ではなくディジタル演算で音質劣化なしに実現するという世界観です。
各測定グラフのVer.番号でお気づきかもしれませんが、各モデルともにクロスオーバー調整は「完成」という概念がなく無数のトライアルをしているのです。そんなこと、パッシヴ・クロスオーバーでは絶対にできないですよ。パッシヴのパーツは高価ですからね、計算通りでほぼ整ったら、そのままほったらかしです。2万円のインダクタをそんなにホイホイとは買えないでしょう?
つまり・・・ パッシヴXoverを使う限り、(調整幅が狭くなるので)ディジタルクロスオーバーでの「追い込み」と同じ次元には決して到達できないということなのです。
仮に物理特性が同じ”整い”でも、スロープやクロスポイントや線形近似補正を変えれば”音”は変わります。私が試しているのはその”音感”なのです。
当然ながら、ディジタルクロスオーバーでは、音質に悪影響のあるキャパシタやインダクタをすべてスキップできます。十m〜数十mのコアレスインダクタを通した音質とは決定的に違います。コア入りのインダクタならさらに音質差は開きます。キャパシタによる音質変動に頭を悩ます必要もありません。
パーツによる音質劣化も調整チャレンジ数による音質の極めも異次元に違うのです。よって、パッシヴXoverがディジタルXoverに勝てる日は永遠に来ません。
公称スペック
メーカープロダクツ並みにスペックを列挙してみます(笑)
まあほとんどギャグですが。
| 項目 | 仕様 |
|---|---|
| 形式 | DSPディジタルクロスオーバー / マルチアンプ方式 4交換式システム |
| 寸法 | ファンダメンタル W300 x H1156 x D450 [mm] ウーファー部 W320 x H1242 x D600 [mm] |
| 各部質量 | ファンダメンタル 46 [kg](最も重いBeta, ベース除く) ウーファー部 94 [kg](ベース除く) ファンダメンタルベース 12 [kg ウーファー部ベース 16 [kg] |
| 総質量 | 168 [kg] / 片ch |
| 形式 | Alpha : 4way Beta : Mechanical 4way Gamma : 3way Upsilon : 3way |
| 再生周波数帯域 | Alpha : 8Hz – 40kHz Beta : 8Hz – 22kHz Gamma : 8Hz – 20kHz Upsilon : 8Hz – 18kHz |
| 周波数偏差 | 最も優秀なAlphaで : 20Hz – 16kHz ±1.5dB |
| 低域再生限界 | Alphaにおいて、10Hz / @-3dB |
| 全高調波歪率 | Alphaにおいて、0.8%未満 @100Hz – 20kHz |
写真集












ANDROMEDAの構想初期から、制作、完成まで、下記の一連の記事でご覧いただけます。
2年越しのプロジェクトでかなり長大ですが・・・もしご興味があれば。