新しいMac OSでの日本語入力。
この非常に素晴らしい、まさに「新世代の」日本語入力。それの美点と欠点を書き留めておこうと思います。
昨年、Macを最新のM4に刷新しました。と同時にOSはCatalinaからSequoia, そしてTahoeへと刷新。
これらにより、最も驚いたのは日本語入力フロントエンド(Windows風にいえばIME)の進化。なんと賢いのだろうと。使い始めの頃はそのインテリジェンシーに狂喜乱舞したものです。
しかし・・・しばらくすると、その学習による弊害と、過剰なオートメーションが鼻につく。もっとハッキリ言い切ってしまうと「私には」使い物にならない、使えない、ということが分かりました。よって、今はほとんどの自動セクションを切って、手動文節変換で運用しています。本当に「使えない」のでこれは仕方がありません。
使えば使うほど、蓄積する弊害と過剰補正
前述のとおり、最初の頃は素晴らしいインテリジェンシーで感動さえ覚えたMacの日本語フロントエンド。しかし、日を追うにつれそれは違和感と疑念へと置き換わっていきます。
例を挙げます。
私はオーディオ好きですから、「FM」という単語を入力したいのです。
そこで「FM」とキーボードを打ちます。すると、Mac日本語入力はそれを
FM → FEP
FM → FEPれていますので、その
と勝手に変換してしまいます。私は単に”FM”と打ちたいだけなのに、どうしても”FM”を入力することができません。”FEP”とか”FEPれていますので、その”などの意味不明の語句に変化させられてしまい、どうしてもFMで確定ができないのです。これがMac日本語入力の瑕疵であり、致命的な欠陥です。どうしてこんなことが起こるのでしょう?
新世代Mac日本語入力はAIに近い。もはや単なる日本語変換エンジンではない。文書推定コンプリートエンジンとして暴走します。
macOS標準IME(旧ことえり/現在の「日本語入力」)は、以下を過剰に重視します。
- 過去の入力履歴(自己学習)
- 文章全体の文脈予測
- ローマ字の曖昧一致
その結果、
・「FM」という意味を持たない短縮語
・しかも 技術文脈(FMチューナー、FM変調、FM音源 等)
に対して、IMEはこんなふうに考える。
「F + M」 ?
→ 以前 ‘FEP’ が使われた
→ ”FEPれていますので、その”という“文章の塊”が履歴にある
→ それを丸ごと出せば“賢い”はずだ
入力者の意図を汲むのではなく、わずかな入力の切片と、過去の履歴を照らし、わずかな入力だけでオートコンプリートを強制する。これが致命的欠陥の正体です。
学習すればするほど悪影響は増してゆく
普通は「学習」という単語を聞くと、使えば使うほどに賢さを増すイメージがあると思います。しかし、これに限っては逆。使えば使うほどに弊害と違和感が増してゆくメカニズムになっています。最初の頃は「FM」と打っただけで「FEP」などという素っ頓狂な候補を出すことは無いんです。
この症状をリセットすることは可能です。文字通り、学習状態をクリアリセットすれば良いのです。ただ、だとしたら何のための学習インテリジェンシーなのでしょうか。学習もオートコンプリートも弊害以外のなにもないのです。
新世代Mac IMEは、余計な操作はしないで全文入力し、その推定に委ねる部分にこそ真価があります。そこで、一切学習しない状況で、「変換」キーを一切押さないで全文入力してみましょうか。前段が私の意図した文章。そして後段がMacの変換結果です。
その段階で先に針圧を適正(または掛けたい)針圧にあらかた調整してしまいます。なぜかというと、針圧が正確に掛かっている状態でないとVTAの調整が出来ないからです。
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その段階で先に針圧を適正(またはかけたい)針圧にあらかた調整してしまいます。なぜかというと、針圧が正確にかかっている状態でないとV T Anochouseigadekinaikaradesu.
レコーディングは2014年10月のツアー中。スイスのベルリンツォーナ教会 (Chiesa Collegiata Dei Santi Pietro e Stefano) で録音されたライブアルバムです。
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レコーディングは2014年10月のツアー中。スイスのベルリンツォーな教会(智慧さDella Collegiate Dei Santi Pietro e Stefano )d e r o kuonnsaretaraibuarubamudesu.
まあ・・・初期状態では全くダメという訳でもないですね。
ほんの僅かに納得できない/不正なパートがあるだけ。でも、文章ってそんなものではないです。1字でも意図に沿わない部分があればNGなのが日本語文章です。US言語とも少し異なる領域かもしれません。そして、1文字以上ダメな以上「全文入力が前提」なんてそんな日本語入力はハナからあり得ない。それが結論です。
しかも、この「壊れ方」はMacの変換学習が進むにつれ、重篤で深刻な症状となっていきます。なにしろ、おかしな変換を強要してそれを直す手段さえ奪われていきます。学習をリセットすればこの症状は軽減されますが、まさか四六時中学習をリセット操作するわけにもいきません。
この課題に対して、チャッピーとの壁打ちで徐々に明白になってきたのが、私の文章の特質と、私のかな漢字変換の習性がAppleの設計思想と衝突するということでした。
IT/技術文章との衝突、文節変換による弊害
Appleの新世代IMEはもはやIMEではない。推定型の日本語オートコンプリーターとして働きます。設計思想は日常文・チャット・ライトユーザーへ全振りしており、それらにとても強い。逆に、技術的な文章には極端に弱くなります。具体的にいうと、
- 技術的文書
- 専門語の多用
- 半角英数字の混在
- 文節確定
これがApple-IMEの弱点です。
振り返ると、私が(特にBlogにおいて)取り扱う題材はIT、ロードバイク、オーディオなどです。必然的に横文字や専門用語が多くなるわけです。そうすると、必然的に文節区切り変換を多用することになります。それが、Macの学習にとって大きな弊害となるのです。
それでは、ということで途中での文節変換のお作法を諦める。全文を先に入力して確定してみる、すると、前述のとおり意味不明の文章が出来上がってしまう。そちらも利用不可。
例を挙げると分かり易い。
「Macが悪い。」と入力したいとする。このとき、文節変換を用いずに文章を打つと・・・
(shift)macgawarui.<変換>
→
Macgawarui.
そう・・・文頭のMacというアルファベットに釣られて後続も全部がアルファベットで変換・確定されてしまうのです。これじゃ「全文一挙打ち」は出来ないですよね? 全部一挙入力ができない時点で、Apple IMEは破綻するのです。「FMチューナーが欲しい。」
(shift)fm<確定>chu-na-gahosii.<変換><確定>
→
FEPれていますので、そのチューナーが欲しい。
なんですか??それ。学習が弊害となって、どうあがいてもFEPれて・・・を「FM」に訂正することができないのです。これをMac上で回避するにはどうすればよいかというと、
<英数>FM<かな>chu-na-gahosii.<変換><確定>
そう・・・「英数」と「かな」を逐次切り替えながら入力するしかありません。従来比、非常に効率の悪い変換システムとなります。いずれにせよ、「全文一括入力」「一括インテリジェント変換」というAppleの野望は最初から破綻しているわけです。
さて、もう一度まとめると:
1. 私の文章の性質がAppleの思想と衝突する。
日頃の何気ない会話や和語のみの文面にはめっぽう強い。ちょっとした漢字やかな送りの齟齬に目を瞑れる人にとっては最高のツール。一方、私のように技術寄り理論寄りの文面を書きたい人間にとっては極めて相性の悪い日本語入力システムと言えます。未知の専門用語や半角アルファベットの混入にめっぽう弱いのです。
2. 私の古臭い文節変換の作法がAppleの思想と衝突する
私は技術文章を書くことが多いことからも、大昔から文節変換を多用する「くせ」が付いています。「専門語も多く一発で候補が出ないのが当たり前」のため、文節で漁るのが常識化しているのです。また、上記1の課題を回避するためにも文節変換が必須になります。だって「Macgawarui. 」になってしまうのですから。(笑)
ところが、この文節変換は新世代Apple日本語入力の学習にとって大きな弊害となり、じわじわと悪い学習を蓄積させていき、最終的には使うに耐えない日本語入力へ育て上げてしまうのです。
障害の回避
新世代Apple日本語入力と「私」の相性が最悪であることは分かりました。
しかしこれの回避策はすこぶるシンプルです。Mac上でこのインテリジェントの設定をOFFしてしまえばいいだけです。

Macの「システム設定」から「キーボード」「入力ソース」「編集」を選びます。

図のところ「ライブ変換」や「タイプミスを修正」をOFFにします。
これだけで、Macは余計な自動制御をしなくなり、従来IME相当へ変化します。
現在、私はこの設定で従来通りの文節変換で、文章作成を楽しんでいます。
進化しすぎたフルオートマチックは、熟練者を切り捨てる
今回の一件は、古臭い思想の人間が新すぎた道具に拒否される、という図式でした。すべて私のお作法が古臭いのがいけないのです。世の中の80%の人間はこの新しいかな漢字変換に満足してしまうかもしれません。しかし私は嫌悪と拒絶感しか感じませんでした。思想が決定的にコンフリクトしているのです。
考えてみれば、この図式は今にはじまったことじゃない。大昔から繰り返されている「お約束」だ。
クルマ。マニュアルトランスミッションで数10msの研ぎ澄まされたミッションコントロールに慣れた人間には、初期ATのかったるくて賢くないシフトチェンジは我慢のならないものだった。しかし8割の人間にはそのトロ臭いシフターで十分に満足なのです。
カメラ。一眼レフで、フルオート露出フルオートカラーで出力される映像は「ばかちょん」と揶揄され馬鹿にされ、写真にこだわる人間にはナンセンスなものだった。しかしながら、一般大衆の望むのはばかちょんであり、フルオートはマニュアル露出を席巻した。
何事にも分岐点はあり、クルマもカメラもオートのインテリジェンシが極限にまで達すると、未熟なスキルのマニュアルを凌駕する場合がある。残念ながら現状のMac-IMEは到底その高い次元にはありません。
今や、AIの台頭によって文章入力はもちろんのこと、「思考」すらも人間を外へ押しやろうとしています。これらに少しでも抗える領域を見つけ、もがくことこそが人間のレゾンデートルを生み出し、生きる領域を確保する術になるのです。おしまい。

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