Welcome to the analogue world !
トムさん天国で観てるかぃ… あんたのプレイヤーはまだまだ人に愛されてるよ。
hkhk321様が、Nottinghamのプレイヤーをご召喚されました。大変めでたいことです。
ノッチンガム教徒が増える・・というだけで、オラワクワクすっぞ。![]()
ご購入記念特番・・・というわけではないですが。国産プレイヤーに比べればちょっと(というよりかなり?)クセのあるトーンアーム調整方法などをご紹介します。ちょっぴり難解な話も混ざりますが、最後までお付き合いいただければ幸いです。
1. カートリッジの装着と、オーバーハング調整
まずはカートリッジを仮組みしましょう。

ノッティンガム(Spacearm)のリードワイヤは大変繊細で簡単に切れてしまいます。
カートリッジ交換の際は、アームを取り外ししてから結線した方が無難かもしれません。(マニュアルでもそう指示されています)
または、先にカートリッジをねじで仮止めした後にリードチップをピンセットでつまんでインサートした方が良いと思います。無茶は厳禁、慎重に。

アーム先端のシェル部分とカートリッジが並行となるように取り付けます。
まだオーバーハング調整する前の「仮」ですからネジは緩めに止めておきます。
リードワイヤーの結線ができたら仮締めしていたネジを緩めて、オーバーハングを調整してからネジを本締めします。
写真のようなオーバーハングゲージがあると便利です。

Nottinghamの標準的なアーム(ロングアームではないもの)について考えると、
オーバーハングは+15mmくらいが適切です。
センタースピンドル上をカンチレバーが通過した際に、センタースピンドルよりも針先が15mmくらい前に突き出した状態が正しいです。
(上記はSpacedeck。Interspaceの場合は数値演算させると、16.2mm付近と出ました)
大体のアームが15〜17mm内外なのですが、アームの仕様書に推奨オーバーハングが載っていますから、確認するようにしてください。
これでカートリッジの装着は完了です。
全くの余談ですが、私の使っているSpacedeckはネジを緩めたり取り付けし直す必要がないのです。なぜって、アームベースごとアームが自由自在に動かせるから、それでオーバーハング調整も手抜きができてしまいます。
2. アーム高さ調整の意義
まずはトーンアームベース根本にあるはずの2箇所のボルトを緩め、大雑把な高さ調整を済ませます。そこは「出来ている」前提で話を進めます。
その段階で先に針圧を適正(または掛けたい)針圧にあらかた調整してしまいます。
なぜかというと、針圧が正確に掛かっている状態でないとVTAの調整ができないからです。
VTA (Vertical Tracking Angle:垂直トラッキング角) とは?
皆さんはアームが水平になるよう調整するのが大事。と教わっていると思うんですね。
でも、なんでそうなの?理由まではっきり認識していない場合が多いんじゃないでしょうか? アームが水平で、適正針圧ならばVTA(∝SRA)が正常になるはずなんですね。つまり、それがVTAの調整に帰着するから水平にしようとするんです。
ややこしい話なんで、VTA=アームを水平にすればいいんでしょ?と覚えてもいいのですが、スタイラスの垂直度を確保するために水平にするのだという目的は覚えておいてください。
VTAってどこか?

ズバリ、この角度のことです。20-22度。
どうしてVTAが重要か?
カッターマシンがメタルマスターに溝を掘る時の垂直角度(VCA)というのがあるんですが、カンチレバーがレコードをトレスする時も、その角度を再現すると最高音質になると言われているんです。だから多くのカートリッジもそのように設計されています。
→ その時のアングル: 20〜22° が標準
本当は、SRA(Stylus Rake Angle)つまり、スタイラスチップが溝に接触する垂直度こそが一番重要なんですよ。だけど、スタイラスチップは微細すぎて再生中に見えないじゃないですか。だから便宜的にVTAを調整する →VTAが合ってればSRAも正しいはず、となるわけです。
アーム高さ調整の意義、ご理解いただけたでしょうか。アームの高さと針圧を使って、スタイラスアングルを作りに行く。これが真意かつ極意です。
ここまで説明すれば「アーム=水平は必ずしも正解ではない」と理解できますね?
VTA (SRA) が狂っていると何が起きるの?
まず、単純には音溝を早期に痛めます。知識のないアマチュアが再生したVinylが大体ダメージを受けているのはこのためです。
そして、音質は悪くなります。代表的なところでは、
1. 高域の歪み・ざらつき・曇り
2. 左右チャンネルのバランス異常
3. 定位が前後に振れたり、音像の高さ・奥行に悪影響
一般的評価では:
SRAが浅いと(アーム支点下がり)?
→ 高域のエッジをうまくトレースできない
→ ふくよか、温かい、やや滲む
SRAが深いと(アーム支点上がり)?
→ 溝の反対側の壁が強めに摩擦 → カマぼこ感や逆にシャリつき
→ シャープ、定位明瞭だが音が痩せる
左右の壁の角度は45°なのですがVTA(SRA)がズレると片側の壁に負荷が偏ったりします。=偏摩耗、バランス、盤質劣化
非常にざっくり説明すれば、
- アーム支点下がり=ふっくら低域寄り
- アーム支点上がり=カリカリ高域寄り
これは針圧調整の結果とも符合しています。
蘊蓄はこれくらいで、調整を始めましょう。
3. 針圧を調整する
前稿のうんちくで分かったと思いますが、VTAを正しく見るには先に針圧が正しくないとダメなのですよね。ですから、この段階で針圧を仮調整してしまいます。

ノッティンガムのアームは針圧の目盛りは付いていませんから、適切な針圧計を使って測ります。
<ポイント>
ノッティンガムのリフターのオイルダンプは大変優秀で、だからすごくゆっくりなのです。
変化していきますので、針圧を見るときも性急に判断せず30秒以上放置してから判断した方が良いでしょう。針圧を合わせたらVTA(アーム高さ)を調整する準備完了です。
4. VTA(アーム高さ)を調整する

こちらの丸印が、我が家のSpaceArmのVTA微調整ボルトです。
ですが、ノッティンガムだったら必ずついているのか?というとそうでも無いようで・・・。Interspaceの写真をかなり漁りましたが、このボルトを見つけられませんでした。
見つからない場合は、ベース根本のボルトを緩めて調整いただくしかありません。(清原代表の説明ではinterspaceに無さそうでした)
調整ボルトが見つかった場合でも、針を下ろした状態でボルトを回すのは絶対にやめましょう。万が一、アームやウェイトに手が触れてしまったら、カートリッジが吹っ飛んでダメージを受けます。ご面倒でも、リフターを上げる〜調整する〜リフターを下ろしてみて水平(またはVTA角)を測定する〜 ・・・これをしつこく繰り返してください。
前の説明でわかったと思いますが、針圧によってVTAは変わります。その場合、必ずしもアーム水平が正しいわけではない、と理解できましたね。例えばダンパーの垂れた古いカートの場合・・・?
本来的にはVTAを見て厳密に合わせるべきですが、健康なカートリッジを推奨針圧ピタリで使う限りにおいて、アームの水平を合わせるだけでも十分な効果があります。
アームの水平を取るには、ヘッドシェル部の上に軽い水準器などを載せると判断しやすくなります。

<ポイント>
再生中にアームを水平にしたいわけです。
リフターを上げた状態では水平が測れない。
そうかといって、水準器を乗せてリフターを下げ切ってしまうと重針圧がかかってカートリッジを痛めます。そこはリフターを加減するなどして、巧いことやってください。
もう一度しつこく言いますね。
リフトした状態で水平取ったってなんの意味もないです。
再生状態で水平にしてください、もっと言うならVTAを適正にする
5. インサイド・フォースの原理
最後にインサイドフォースの調整を行います。
調整に入る前にまずスケーティング力(インサイド・フォース)の原理をご説明します。なぜ事前に原理を説明するのか? 原理を分かっていないと誤った知識として身についてしまうからです。
アームに掛かるスケーティングフォースをFsとして、式で表すと、
Fs = μ*W*sinθ
μ = レコード溝/スタイラス間で生じる摩擦係数
W = 垂直方向の荷重=針圧
θ = アーム/カートリッジ間のオフセット角
はい、ここでカンの良い方は気づかれたかもしれませんが、
スケーティング力は摩擦力に比例する
と言うことは、レコード盤が回転していない時は摩擦がゼロですから、内向きの力は掛からないのです。また、
スケーティング力はアームオフセット角があるから生じる
稀ににありますよね。全くカートリッジにオフセット角のないストレートロングアーム。オフセットアングルがなければ sin(θ)はゼロになりますので、内向きの力は掛からないのです。
<スケーティング力の向き>

緑色がスタイラスチップに掛かっている摩擦力の方向です。摩擦力はレコードが回転していないと生じません。この時に「カートリッジとアームで角度が違うから」幾何学的なベクトルがずれてピンクの方向へ力が掛かります。これがスケーティング・フォース(インサイドフォース)です。
実際に針を下ろしてレコードを回さないとインサイドフォースは働かないし、効果確認や調整はできないと言うことです。
ピンクとは逆向きにアームを引っ張ってキャンセルしてやる必要があります。それが「アンチスケーティング」ないし「インサイドフォースキャンセラー」と呼ばれるものです。原理が理解できたら、いよいよアンチスケーティングの調整をやっていきましょう。
6. アンチスケーティング調整
NottinghamのアームはSAECのような釣り糸方式ではありません。スライダーの上で錘を滑らせる方式を採っています。このアンチスケーティングフォース量がBiasと呼ばれていることから、ノッティンガムでは「Bias Slider」と呼んでいます。

BIas Sliderを写真の右脇、軸根本に持ってきた時がアンチスケーティングの最小値です。
そこが「針圧0g」と思いたい所ですが、この構造だと原理的にアンチフォースを0gにはできません。錘を外してしまえば限りなくゼロにはできるかも知れませんが・・・。
バーに切ってある溝=目盛も単なる目安。意味はないと考えた方が良いでしょう。(つまりSAECの糸吊に比べるとかなり不便です)
基本的には目盛に頼らずに、目視または歪率計測などによって正確に合わせる方針だと思います。そう言うわけで、ここからは目視やカメラ併用での調整にチャレンジします。
カメラのセットアップとBias Slider
別にカメラじゃなく目視でもいいのですが、人間の目には視差という厄介なものがあり、またズームもできるわけでは無いので、目視でカメラ並みの正確な判断は不可能です。したがって目視だけで調整したアンチスケーティングは大体狂っています。
カートリッジやアーム調整の際には本物のレコード盤が必要です。傷ついても構わない・要らないレコードを使いましょう。私は佐野元春のVISITORSやマリーンを使っています。ごめんよ、モトハル。(笑)

カメラの視点がカートリッジとほぼ正対するように三脚をセットアップ。
= レコード音溝の接線方向へカメラを向けます。不安な場合は糸などで方角を測れば良いと思います。

塩梅を観察しながら、Bias Sliderの錘をスライドさせて調整します。
右側へスライドするとアンチフォース小。左側へスライドするとアンチフォース大。

くどいですがレコードが回っていて摩擦が起きていないとインサイドフォースは生じません。検証は必ずレコードの再正状態で行ってください。
外周部と内周部、両極端で検証しておくとベストです。こだわらなければ、外周部だけでもOK。
”適正”の判断方法

簡単に言ってしまうと写真のように、再生中のカートリッジを正面からみた時の鉛直中心線と、カンチレバーの傾きが一致して、一直線になれば調整成功です。簡単でしょう?
ただし単純な目視確認だと、どうしても人間には「視差」と言うものがあって判断の狂いが生じやすいです。カメラでズームして撮った方が分かりやすく、確実であったりします。1枚だけでなく連続で何枚も撮影しておきます。再生中にカートリッジが移動してきて”アングルが一致”する点を探します。複数の全ての写真でカンチレバーが同方向に傾いて見えたら、調整失敗ってこと。
(失敗例)

アンチスケーティングが弱いと、図のようにカンチレバーは外向けに傾きます。

逆に、アンチスケーティングが強すぎると、カンチレバーは内向きへ傾きます。
傾いていたら失敗ってことです〜 ただ、
「強すぎるよりは、やや弱い方がまだマシ」。
これも、ネタとして覚えておきましょうね。強すぎるアンチスケーティングは音質劣化が激しいのです。
これより、もっと厳格な調整方法があります。
それはテストレコードを使って歪率を測るというやり方。
ちょっとハードル高くなるので今回は説明割愛しますね。
アンチスケートにはトレードオフがあります。極度のロングアームやオフセットゼロアームでは、アンチスケートを割愛できますが、最高というわけではない。代わりに違う問題点が生じています。全てについての最高はない、最後はバランスと、オーディオファイルの方針です。
アンチスケートが調整不良のままで長時間再生すると、カンチレバーは簡単にひん曲がり、そして元には戻りません。ヤフオクで無惨に斜行した中古品をご覧ください。
ここまでの調整が済んだら、最後にもう一度、針圧をチェックすると良いでしょう。
アーム高さが変化したりインサイドフォースが変化すると針圧にも影響があります。

最後までご覧いただき、お疲れ様でした。Nottingham使いの方々にとって、これが何らかの知見になって、最高音質が降臨すれば幸いです。

シリコンパワー ノートPC用メモリ DDR4-2400(PC4-19200) 8GB×1枚 260Pin 1.2V CL17 SP008GBSFU240B02
Synology NASを拡張した時に入れたメモリーがコレ!永久保証の上、レビューも高評価。もちろん正常に動作しており、速度余裕も生まれて快適です。

フィリップス 電動歯ブラシ ソニッケアー 3100シリーズ (軽量) HX3673/33 ホワイト 【Amazon.co.jp限定・2024年モデル】
歯の健康を考えるのならPhilipsの電動歯ブラシがお勧めです。歯科医の推奨も多いみたいです。高価なモデルも良いですが、最安価なモデルでも十分に良さを体感できる。

