夏季休暇に入りました。しかしだからと言って何だということもありません。例年であれば旅行にでも行っているところですが、今年は休み中に子供のバレコンを控えている我が家はバレエ一色になっていて、余計な予定は入れないよう、厳命が出ています。
いつもの「夏休みスピカー工作」が控えている訳でもありません(爆)
だからという訳でも無いですが、暇なので大昔のステサンを買ってみました。何となく表紙や見出しに惹かれたもの、4冊を。

実は、小・中学生の頃に図書館でバックナンバーを散々借りてきて読み耽っていました。しかし出本が図書館なだけに最終的には返却しなければなりません。
ペラペラめくってみましたが、意外と内容を覚えていないものですね。はて、こんなものだったのか?と、とても新鮮でした。

国内外の著名スピーカーを集めての視聴会。
当時はまだJBLやALTECが幅を利かせていた時代だったので、JBLやALTECの評点が高くなっています。一方で、日本でもSONY APM8というペア200万円のラウドスピーカーが参加しており、凄いなの一語に尽きます。今作ったら800万円ですかね。
特筆すべきは、長島達夫さんがビクターの無響室を借りて、被験全モデルの実際の無響室特性(擬似無響ではない!)を添付していること。各モデルとも、言い訳の効かない特性が丸裸にされています。
後年、大学生になってからショップでJBL 4344を大音量で聴かせてもらい、何だこんな音なの?と随分がっかりしたことは鮮明に覚えています。その後も4343, 4344は聴くチャンスに恵まれましたが、何処でもあまり良い印象がなく、私はJBL派ではないとハッキリ認識できました。ただ、この辺のモデルになると鳴らす部屋、人、鳴らし方に著しく左右されるものなので、鳴らすのが難しいスピーカーなのかもしれません。
とにかく、この時代のステサン誌面は4343(または4344)一色の感があり、いかに大きな影響力を持っていたかが分かりますね。
私は没後にこの雑誌で瀬川冬樹氏という評論家の存在を知ったのですが、この頃はまだご健在で独特の批評が冴えていました。とにかく必死というのですかね、情熱的というのか求心的というのか、私も多少影響を受けたかと思います。
瀬川氏の大きな影響もあってか、日本での4343(/4344)は神格化された存在だったようですが、一方で海外では様子が違いました。
録音モニターとしてはともかく、「派手で印象的だが、高級なモニター/リファレンスとしては中域にクセがある、音場(定位)がやや粗い」といった批判が散見されました。要約すると「スタジオ用としては素晴らしいが、これを家庭でそのまま“精密に中立な再生”と見るのは議論がある」といった評価傾向です。こちらは私も同感です。カラレーションが強いしあれがニュートラルとも思えない。サウンドステージもこんにち的ではありません。
オイロダインという歴史的なトーキースピーカーもこの号で知りました。
遂に聞くことは叶いませんでしたが、きっと現代Hi-Fiをせせら笑うような音で鳴るのでしょう。

こちらは2103モデル集めて518機種選定するという、途方もないテスト。こんなテストが出来たのもステサンだけでは無いでしょうか。まさにオーディオの全盛期だったのでしょうね。ただ、モデル数が多すぎるせいか内容的には54号より薄めです。
菅野沖彦氏がXRT20を入れた直後だったのか、いたく興奮し嬉しそうに語るご様子が掲載されています。

46歳の若さで、最も著名なオーディオ評論家と言っても良い瀬川冬樹が急逝した。緊急で掲載された評論家諸氏の追悼文がある。このことだけは今でも鮮明に覚えていた。奇しくもこの追悼文が瀬川冬樹という人間を強く認識する契機に。
誌面内容としてはヨーロピアンサウンドとなっており、ジャパニーズ、アメリカン、ヨーロピアンと強引に括ろうとするところが如何にもステサンらしい。
ESL63pro, KEF105, キャバッセなど、そろそろ論理的な次世代ラウドスピーカーが出始めた頃でもある。

ヨーロピアンの次はジャパンか。
国産高級スピーカーが一堂に集められ、評論が展開される。
欧米かぶれ(?)の評論家諸氏だから、さぞやコクサンはボロクソに・・・との想像は見事に裏切られて。至極まっとうというか、ニュートラルな評価が下されている。ただ、その一方で「なにかが足りない」的なことを皆さん異口同音に仰られている。そして諸氏が個人でも国産品を買われる事はない。この時代で「何か足りない」はとても頷けるところがあります。
この巻は、前巻の緊急での追悼文と違い、瀬川冬樹の本格的な追悼特集が組まれ、生い立ちから始まる氏の物語やオーディオへの向き合い方が掲載されています。とても読み応えがある。そういえばAXIOM80という特異な構造を持った古代のレトロドライバーの存在を知り興味を持ったのもこの記事がきっかけでした。遂に入手は叶いませんでしたが、猛烈に欲しい訳でもありません。
この頃のステサン巻末には今でいうメルカリ。売ります買いますコーナーというのがあって、皆さん実名とご自宅の住所、電話番号を載せてらっしゃる。度肝。今では考えれない、古き良き時代の風習だったかなと。
ところで、非常に面白かったのですが難点は・・・とても臭い。(笑)
なんか、酸っぱいというか・・・加齢臭のような匂いがする(笑)AIに尋ねたら古本の脱臭方法をいくつか提案されたので、これから試してみようかと。

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