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本日はルーム定在波の話題。
真っ向から戦う? または折り合いを付けてつきあう?
定在波と真正面から戦うのはナンセンスです。だって基本どうにもならないモノなんですから。

定在波とは、部屋やスピーカーの寸法で決まる共鳴現象によって主に低域~中低域の特性に影響を及ぼすものです。

以下によって、定在波の傾向のほとんどが決まってしまいます。

  • 部屋の寸法はどうですか
  • その部屋のどこへスピーカーを置きましたか
  • その部屋のどこで音を聴いていますか

それら以外はすべて「オプション」です。

部屋5面を無響室のように消音エンドで覆い尽くせば話は別ですが、部屋の容積が1/2くらいになってしまいます(笑)住環境でオーディオをやっている以上、現実とはどこかで折り合いを付ける必要はあるかなと思っています。

とはいえ、基本を理解してスタートするのと、ノーガードのメクラ撃ちで挑むのとでは難しさも結果も大差が出そう。

  1. 部屋の寸法はどうですか
  2. その部屋のどこへスピーカーを置きましたか
  3. その部屋のどこで音を聴いていますか

こと定在波に関する限り、このキホンの1, 2, 3をないがしろにし、吸音素材をぺたぺた壁に貼り付けたり、スピーカーの位置をほんの10cm20cm動かしてみたりの効果は期待薄です。

部屋の寸法は諸事情で現状から変えられないことが大半でしょうから、せめて「スピーカーは何処へ置くのか」「自分は何処に居て聴くのか」最低限これは基本中のキホンとして抑えておくのが良いと思います。定在波で発生した-15dBのディップは百万円のルームアコ機材を設置したって埋まらないですからね。それが定在波ですもんね。定在波は部屋の寸法と励起するスピーカーの置き場所によって決まる共鳴現象で、極めて自然なものです。自然であるが故に強烈で、完全抑止するのは生半可ではありません。

最近は、ソフトウェアを使って定在波をシミュレーションできるものが本当に増えました。それはOdeonでもいいし、VituixCADでも何でもいいんです。とにかく何か使ってみること。私が最近使い始めたREWにもRoom Simulatorが付いていますので、今日はこれを使って見てみましょう。

下図はウチの定在波の状況を模擬したものになります。

我が家はLenghtを9.1mと書くべきか、6.5mと書くべきか、悩む処ですがとりあえず短い方の6.5mを記入しました。

  • 部屋の寸法
  • 各壁面の吸音率
  • スピーカーの置き場所
  • 聴取位置

上記を記入するだけで、定在波の生じる周波数、そのレベルを右側の折れ線グラフで確認することができます。

定在波は「起きているもの」。

では、その定在波を「部屋のどこで聴きますか?」

これがまさに定在波の本質です。特定周波数で、節になっているポジションで聞けば、当然そこは深いディップになりますし、腹になっているポジションで聞けばピークになります。つまり、定在波対策で最も重視すべきは、ジブン自身。部屋の中でのリスニングポジションの決定であると言えます。

実際にREWのRoom Simulatorを触っていただくと判りますが、スピーカーを10cm20cm動かしても特性は余り動きません。リスニングポジションを動かしていくと、グラフが大きく変化します。節/腹からの距離が変わることと、影響を受ける周波数がシフトするためです。

リスナー(+)にフォーカスを当てた状態で、上下左右↑↓←→カーソルを押すと、1cm単位でリスニングポジションを動かすことが出来ます。この操作はスピーカーの設置位置についても同様です。

リスナーを動かすと、面白いようにグラフが変化する様子をご覧いただけると思います。

定在波は主に低域で大きな影響を受けるものだと考えれば良いです。中音~高音では吸音処理などがある程度有効に働くのですが、低音部にはほとんど効果が出ないため。さすがに1壁面をロックウールや有孔ウォールで覆うなど本格的対策をすれば100%ではないにしろそれなりに効くようです。ただし、その場合も厚みが10cm以上~必要など、、、つまり低音定在波に対抗するには絶対的な体積の大きさが必要になります。

REWにはSurface Absorptionsの設定があります。これはカンタンに言うと壁面の吸音率を表したものです。

ここの設定も地味に重要です。

一般家屋で、なんの吸音対策をしていないAbsorptionは、0.02とか0.03とかの吸音率しか無いのです。Absorption=0.03ということは、音響エネルギーの97%が反射してしまうということを表しています。ここが本当に1.00ならば定在波は起きないことになります。

このAbsorptionは周波数によって変動するものなのですが、一般には低音が難しいので、125Hzあたりの数値を記入すればよいと思います。以下の素材表を参考にしてください。

https://www.acoustic.ua/st/web_absorption_data_eng.pdf

この付表を見てもわかりますが、「高音部は跳ね返して」「むしろ低音側は吸収する」という、一般的壁材とは逆の特性を示すような「音響専門パネル」が存在します。このようなソフトウェアシミュレーターで見ておけば、各壁にどんな対策を施すとどのような効果が現れるのかも見当が付けやすくなりますので、効果的な対策が可能になります。一般常識で言われている「前方ライブ」「後方デッド」が良いと言われている所以が、この定在波対策です。

リスニングポジションよりも後方の吸音率が悪いと、特性は大きく暴れます。

上図が、後方の対策を施した特性で、

上図は後方の対策をしていない場合です。ピークディップが誇張されますので、音も荒れます。

住環境を汚染しないカンタンな後方対策として:例えば、ソファに座って視聴されている場合には、そのソファをクッションだらけにする、マットなどの吸音性の素材で覆うなどがあります。ヒトやソファは体積がありそれだけで十分な吸音材ですので、クッションや人まみれにするというのも対策ではあります。家具や調度品をどかどか置くというのも、それだけでかなり有効な対策となり得ます。

Absorption(壁面の吸音率)を少しいじって頂くと判りますが、高価な音響パネルを少々設置したからといって、状況は改善されません。それよりもリスニングポジションの方が大切です。プライオリティで言うなら

  1. リスニングポジション
  2. スピーカーのポジション(特に低音ドライバーの励起位置)
  3. 後方吸音処理
  4. 前方吸音処理

くらいの順位になるかなと。

<身近で出来る吸音処理>

3~4番、もちろん市販の高価なルムアコ商品を購入するのも手ですが、いかにも頑張ってます的に大袈裟にせずとも、身近にあるもの/安価なものでも状況改善できます。マット、カーペット、タペストリ、カーテン、本棚等のラックなどです。共振しないことが前提ですが、それら異種素材、複雑な構造が特性を散らして有効に働いてくれます。ウチは前方に日よけの巨大なタペストリを垂らしていますが、たったこれだけで前方のAbsorptionが0.1くらいの影響が出ます。ラグマットやぬいぐるみも良いでしょう。1次輻射も防げて一石二鳥。そうそう、お部屋にドアがあればそこ開け放っておくと、重大な低音の定在波対策になります。

また、2番スピーカーのポジションはもっと重要です。

何とも美しい絵面ですよね。。。オーディオの為だけの部屋。よく見る光景です。広い部屋にぽつんと孤立するスピーカー。美しい。後壁からの一次輻射をできるだけリジェクトするという方針によります。

この景色に憧れて、壁面から遠く、ラウドスピーカーを手前に引っ張り出してしまう事があるかもしれません。しかしそれは(必ずしも)良い結果とはならないことも多いので注意が必要です。計算結果でやっている人は大丈夫ですが、見た目の憧れだけで盲目的に前に引っ張り出すと、思わぬ手強い定在波に苦労する結果になるかも知れません。

例えば、これは拙宅でスピーカーを2mほど手前に引っ張り出した様子です。

ご覧のとおり、定在波だけに限って言えば、壁面近くに比べて特性が大きく暴れています。
リスニングポジションの条件はむしろ良くなっているのにです。つまり、前に引っ張り出せば良くなるとは限りません。そしてこの定在波に起因する強いカラーレーションは、へたすると壁面の一次輻射以上に大きなカラーレーションとなり、再生音を汚してしまいます。

手間に引っ張り出して巧く行くことだって勿論あります。

ただしそれは綿密な計算による。たとえばこのREWを使い、好結果の得られるポジションを粗算定し、「狙ったうえで」そこへ置くのであれば、最良の選択肢になりますね。

まずは自分の部屋ってどうなんだろう?どこに手を入れると効果的なのかな?
盲目的に試行錯誤するのでなく、アタリを付けに行くというのが重要に思います。

日本のオーディオファイルは測定も伴わず聴感だけでメクラ打ちすることが多いようですが、こうしたシミュレーターを使うだけでも当確率は上がります。

スマホアプリが良ければ、スマホでもこんなモノもあります。

まとめると:定在波の

  • でかいピークやディップはL.P.とラウドスピーカーの置き場所で
  • 中高域や細かい/鋭いヒゲは吸音処理で

という対策になるかなと。

(再掲)

ピンクが我が家のリスニングポジション・長時間窓におけるエネルギーバランスです。(実測値)

一番大切なのはこんな風に、答え合わせをすること。仮説・検証でPDCAサイクルを回すのが、この領域でも早道かもしれません。

[註]この投稿はエイプリルフール固有の大ウソで塗り固められているかも知れません

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投稿者

KeroYon

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