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DVC。某所で話題にされていたので(笑)こちらでも自分なりの考察を書いてみたいと思います。

Dual Voice Coil。略してDVC。

大昔からある構造ですが、これって何ためにあるんでしょうね?… という考察が今回の話題です。
現行商品ラインナップとしても、むっちゃくちゃ沢山在りますね。百花繚乱です。だからそれなりにニーズがあるって事なんですが…。

先に結論を書いてしまいます。そもそもDVCにする目的とは?を図示してみました。

私の知る範囲ではDVCはカーオーディオをメインステージとして、一挙に普及したと考えています。

そこにはカーオーディオ特有の図式というか、、、都合があったからだと思っています。

カーオーディオのウーファーというと、ピュア派の方々はあまり良い印象を持たれませんよね。ズムズム言ってるだけの大黒ふ頭的な。もちろん私もあまり良い印象を持っていない人の一人です。

カーオーディオの潜在的欠陥というと、まず「部屋が狭い」というところです。車内ですからね。これはどうにもならない。次に、「エンクロージャーも狭い」というのが続きます。これも仕方がないですよ。車内ですからね。ラゲッジスペースいっぱいいっぱいに箱に使ったとしても内容積としては1発あたり50l程度しか取れないです。ワンボックスとかなら頑張って100Lとかいけるのかな。とにかくマトモにアプローチしたんじゃ、HOMEなみの満足な重低音再生は無理です。

そこでカーオーディオで常識化してきたのが、Mms(振動系の質量)をひたすら重くするという手法です。これは効果がありました。Fsは下がるし、Vasも下がる。でもね、致命的な欠陥がありました。それはQesがとても上昇してしまうというところ。わかりやすく言えば重すぎて電磁制動が掛からなくなってしまったんですね。

だって・・・カー用のサブウーファーって、たった8インチでMmsが80gとか90gとか有るんです、90gですよ?? さらに調べた30cmのDVCウーファーは270gですって。狂ってます。この辺に常識感のあるリテラシの高い方なら、考えられない重さです。そうすると、Qesが楽勝1.5とか越えちゃうんですね。Qesが1.5を越えているということは、トータルQ(Qts)も1.0を越えてます。

Qtsが1以上あると、最早どんな箱持ってきても、どうにもならないです。いわゆる「詰んでる」という奴です。Boxシミュレーターにも、「アカン」と叱られ、計算してくれないしまつです。

こんなf特にしかなりません。まぁコレが好きという人も居そうですが。実際、そういうカーウーファーもあるし。

さてこのQes上昇の対策で出てきたのが、DVCです。
手っ取り早く、VCをダブルにして、BL積を稼いでしまえ。
そうすると、見かけ上のQesを 1/2 にできます。1.2くらいだったものが、0.6くらいには出来るわけですね。

厳密にBLが倍にできるわけではない。ギャップ長が増えてしまうので、やや低下します。が、同一構造条件でVCを切ったら1/2だから、やっぱり2倍と言えるのです。

現行製品、T/Sの実例:

Specsingle-VCDual-VC
BL7.2514.5
Qes1.180.59
Qts0.90.49
Le0.641.28

次に、Qesが半分にできることの効果。

周波数/振幅特性がどのくらい変わってしまうのかを見てみましょう。

こちらはDayton Audioの10インチウーファーを使ってみました。すさまじい違いですね。

水色がヴォイスコイル1層で駆動した結果。
オレンジがヴォイスコイル2層で駆動した結果。

水色のラインは不自然なかたちをしています。
電磁駆動力が2倍にできるから、Qesも1/2にできるのですね。
(見かけ上の中低域の能率が原理どおりx2倍になってます)

小さな箱で十分な低域再生をしたい。でも、そのためにはQが高くなりすぎる。
→そうだ、BLを2倍にして、Qを下げよう。

このように、ヴォイスコイルが1本だけではマトモな特性にならない作り(Mms)をしているから、VCを2本にして特性補償しているのです。このウーファーは10インチなのにMmsは75g!? 常識的数値に比べるとかなり重めで頑丈です。

そして、オレンジ線のように23Hzまで再生できながらも容積は65リッター。かなり小さめに作れます。体躯が限られているカー用途では最適化された設計ができるということですね。

また、このDVCというのは、カーオーディオのスキームとも深く関係があります。
1本のVCが2Ωなどと高負荷で、パワーアンプは8chなどが常識的であたりまえだから、2本のVCを2台のアンプで別々に駆動するのです。それで、低能率でも1600W出力とかの爆音ウーファーがいっちょ上がり。です。

【References】

こちらがDVC化によるT/Sパラメーターの差分をリサーチしたページです。

Qesが半分になってます。

こちらも同じことを言っています。

シングルにするとQesが2倍になっちゃうよ。

・・・ということは、ダブルにするとQesが1/2。つまり、同じことを言っています。

———————–

まとめます。

DVCは、カーオーディオ等の限られた内容積で、重低音まで良好な再生を可能にするため。

←振動系が極端に重くなっても適切な電磁制動力を担保するため。

さらにわかりやすく言うと、小さな箱で重低音再生を容易にするための仕掛け。ですね。。。

HOMEオーディオだと、やっぱりInfinity, PIONEERさん辺りが先駆けかなぁ。重いウーファーで、他社比1oct.くらいは低音伸ばしていましたからね。HOMEでも、スペースの限られたAV用サブウーファーなどには好適なスキームと言えます。

2アンプで専任駆動させない限り、並列VCで2ウーファー駆動しているのと同じになり、アンプには過負荷になっていきます。低負荷でアンプが「気絶」しはじめたのも、このInfinity辺りからじゃなかったかな?

私個人は、いかんせん重すぎるMmsや、また制動を掛けるため妙にカチカチのスパイダー(Qmsを下げる)など、良い印象が持てないので、今後も購入予定はありません。

ところで、自作派にとってDVCはイタズラが出来ると云うか、実は「いろいろと遊べる」らしいのです。

  1. カンのいい人ならすぐに思いつくこと。
    そう、以前ご説明した「バッフルステップの解消」にも、このDVCが活用できるのです。クロスオーバーをカスケード様にするのですね。ただ、DVCは概して振動系が重く、あまり高い周波数まで使うのは感心できません。詳しく調べていませんが、過去のPIONEERの3wayはこの手法を使っていた予感がします。海外では、DVCをBSCに使うのってどうなの?と相談されている方をみかけます。  
  2. DVCの1本の先端に、可変抵抗器を付けると、低域調整器になります。なぜなら、片方のショートの仕方でシステムのQtcが変わるからです。低音を持ち上げたり締まらせたりが出来ます。ただし、本当にアッテネーターを使うと接点が逆起電力で焼けちゃうから、セメント抵抗等の方がいいですね。
    先程のグラフの「オレンジから」~「ブルーまで」が音質の調整範囲になるということ。まるでトーンコンだ。  
  3. 2とも関連しますが、DVCの1本を開放端にしておくと、だらしない(しかし豊かな)低音とすることが出来ます。そっちが好みの人も多いかもです。現実、シングルの真空管アンプが人気ですからね。

面白いですね、DVC。軽い振動系のDVCもどんどん出てくればいいのに、と思います。

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投稿者

KeroYon

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