カビだらけっ！ 中古盤の徹底洗浄と脱臭

ネットでアナログディスク中古盤を買いました。
ネットのストリーミングでは聴けないようなライブラリです。
（Qobuzで聴けるようなモンだったら買っていません）

4枚セットで500円（送料別）と、激安です。
「アナログだから買った」というより、聴きたいから買ったのです。CDでも良かったですが、CDはほぼ流通していないような時代の盤なので、必然的にアナログ一択になります。・・・つまり・・・ほとんど流通されていないマイナー盤です。

いやマイナー盤と言ってもですね、泣く子も黙るあのノヴェラ(NOVELA)ですよ？

今の若い方々はノヴェラなんてご存知ないのでしょうか。伝説のJapneseロックバンドです。
ジャパニーズプログレの魁であると共に、元祖ビジュアル系と言われています。現代まで連綿と続くビジュアル系の系譜。BOOWYやX Japanが原初ではないのです、NOVELAこそが始祖です。
70年代末期から80年代初頭のライブハウスに行けば（私は行けませんでしたが）ほぼ若い女の子達で埋め尽くされて大変な熱狂ぶりだったそうです。画質は悪いですが、当時のライブの様子はYouTube等でもご覧いただけます。

私は解散時期か解散直後くらいに彼らを知り驚嘆しました。日本にもこんなテクニカルで本格的なバンドがあったのかと。ただ、プログレも終焉を迎える時期のバンドでしたから。ほどなく空中分解したり、また10年も経ってから気の迷いのように終結したりを繰り返しました。

私が持っているノヴェラは以下3枚。どれもアナログで、

• 魅惑劇
• In The Night
• Sanctuary

で、久々に魅惑劇を聴いていたらどうしてもこれら以外も欲しくなってしまったんですね。

到着した段ボールを開けてすぐ気づく、鼻をつく強烈な匂い・・・！うっぷ。
これはカビだ。超カビ臭い。墨汁の匂いに似て、剣道のお面の匂いにもそっくり。。。
う〜ん。。。＊＊＊オフならこういう事態はまずないのですが、通販やオークションだとこういう経験もありうるのですね、もちろん初めてですが。

早速、カビの徹底清掃／洗浄をすることにしました。
こんなモノを大切なコレクションと混在させて収納するなんてもってのほか。絶対に嫌です。かといって捨てるのも忍びない。もしかしたら洗浄後も違う場所に収納するかもしれません。

分解して調査したところ、カビが集中していたのは外スリーブと紙ジャケットでした。「カビ臭い」ではないです。「カビが生えている」でした。紙ジャケットの袋の中にかなりの黒カビが・・・！

特に、左上の FROM MYSTIC WOLD が酷かった。THE WORDS の中にも少々。それ以外は無事でした。
ジャケット袋内は酷かったのですが、盤面は比較的ミント。カビの侵食も見られません。外袋と中袋はすべて捨てました。

徹底洗浄のために準備した百均の道具類です。（こんなことばかりやっているから500円で買ったのに余計な出費が嵩む一方　笑）
準備したのはレコード洗浄に使うマイクロファイバーぞうきん（定番）、炭脱臭剤、重曹、レコードの下に敷くすべり止めシート、それからカビをふき払うファンデーションブラシ、といったところです。

まず紙ジャケットですが、風呂場であらかたの埃とカビをファンデーションブラシで優しく擦って落とします。

袋になっている部分に思い切り手を突っ込んで、ダスターやブラシで可能な限りカビを拭き取りました。もうジャケットが破れようが少々痛もうが、どうでもいいですね。カビの方が重要。それで少なくとも見た目のカビは除去できました。
次に、その紙ジャケットは袋部分を開くようにして天日干しです。数日。
乾燥させることでカビの生存可能環境を奪っていくわけです。

その後は重曹と活性炭を一緒に入れて、乾燥と脱臭を同時に行います。これを何ループか繰り返していきます。密閉ケースが到着したら、蒸発アルコールによるカビ滅菌も行う予定です。（後日報告）

次にディスク本体です。
カビの侵食は無いようですが、気持ち悪いので風呂場で徹底洗浄しました。

準備したのは水2リッター。0.2%濃度の中性洗剤と1%濃度の無水エタノールを混入した洗浄液です。
洗剤やエタノールの濃度がこれ以上強くなると、盤面、レーベル、スタイラスチップに悪影響が出ます。

風呂場で、買っておいた養生マットの上にアナログディスクを載せます。
このシートはレコード表面に優しく、水も弾くし下方へ捌けるし、用途に大変適しています。

びしゃびしゃに濡らしながら洗浄/すすぎをしている様子。
びしゃびしゃとは言ってもレーベルには極力掛からないようにします。洗浄液がレーベルにかかると色落ちします。
すすぎを徹底的に繰り返して洗剤成分が表皮に残らないようにします。（カートリッジに悪影響ありです）

こちらは洗浄とすすぎが終わって拭きあげたところ。一見するところ新品ですね。

終わったら安全な場所に立てかけて乾燥させます。
とはいえ、この姿勢を長時間続けるとレコードは反ります。できるだけ垂直の状態で保管するのが基本です。

次回は、さらなるジェケットの徹底清掃・滅菌・脱臭をつづけます。