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前稿

…前稿ではモノクロ画像のデータ化をご説明しました。
今回はカラーで描かれたグラフから、データ起こしをやってみましょう。
カラーなだけに、実はモノクロよりも数段簡単なのです。
 
 

カラー画像からグラフを起こす

被験画像データを準備します。
今回はこんなグラフ画像を用意しました。

Sonus Faber Lumina II というコンパクトモデルの周波数振幅特性図になります。特性プロットはグリーンの実線で描かれていますね。こちらを画像から数値として抽出していきます。

まずはautomeris.ioのサイトにアクセスし、[Launch V5]を押します。

https://automeris.io

起動すると、画像ファイルを指定するダイアログが出ます。
[ファイル選択]から画像リソースを指定し、[Load]を押します。

背後にグラフ画像がロードされました。
一番単純な [2D XY Axes]を選択します。前回同様に、X axisとY axisを手動で指定します。

画像上でX軸、Y軸の軸の端点をできるだけ正確にクリックし、次のように入力します。

X-Axis = Log
X1 = 20Hz
X2 = 20000Hz

Y-Axis = Linear
Y1 = 30
Y2 = 90

余談ですが、私の場合は 80dB=0dB, Y1=-50dB, Y2=+10dBと置くことで特性ノーマライズし、自作品と比較を行ったわけです。

セットアップができたら [Calibrate]を押します。
 

右上の拡大図を見ながら、スポイトを使って、グラフをプロットしている「グリーン」をできるだけ正確に抽出します。
分解能「ΔX, ΔY」をそれぞれ3pix.に設定します。

さて、この設定状態で [Run] (自動認識)を押して結果を確認してみましょう。
 

あらあら〜っ?
グラフのグリーンだけではなく、スケール線やスケールの数字とかまで選択されてしまいましたね! なぜこんな事が起きるのか。抽出したグリーンと文字や目盛線の色が近接しているがために、余計な場所まで選択されてしまうのです。たとえばラインがピンクや真っ赤っ赤だったらこのようにはならなかったでしょう。

しかし慌てる必要はありません、こういう時には右側ペインにある [Distance] で調整します。

Distanceとは、設定した色に対する色域距離の許容度を表しています。距離を小さくすればほぼ一致した色しか拾わなくなります。逆に現在は「120」と大きくなっていますので、かなり広範囲で似たような色を拾ってきてしまう設定になっているのですね。ここの数字を小さくして、許容範囲を狭めます。

試しに「5」を入力して、そのまま再チャレンジしてみましょう。 

巧くグラフだけがプロットされはしました。しかし今度は範囲が狭すぎたようです。プロットはされていますが点がスカスカですね。
5は小さすぎたようなので、今度は30を入力してみましょうか。

今度はかなり巧く行きましたね。
いつも30が巧く行く、というわけではありません。グラフのプロット色や周辺色によって最適値が変わりますので、何度かリトライしましょう。
ちょっとプロットドットが歯抜けの所が目立ちますね。ここが気になる場合は、右側ペインにある「Add Point」を使って自分でドットを足せばOKです。

グラフが出来上がったら、左側ペインからView Dataを選択します。
 

「Download CSV] を押して保存して完了です。
CSVは整形の必要があります。
カンマセパレーターはタブへ変換。また、比較検証するソフトウェアによっては有効桁数を調整したりPhaseを足す必要がある場合があります。

前回と併せ、数値化してできあがったFRDデータを比較してみましょうか。
こんな感じで。

赤はAndromeda、緑はLS3/5a、青はLumina II。

これまではなかなか難しかった、DIY:市販製品。市販製品:市販製品の比較が容易になります。
また、ビルダーの方々は、概してボード上で「***のドライバーのFRDやZMAが欲しい」といった相談を持ちかけがちです。そして、大抵においてそれは見つかりません。
しかし仮にデータが見つからなくとも、ベンダーが発表している実測グラフ画像さえ入手できれば、それを使ってFRD化、ZMA化が容易になるわけですよ。

これは全てのLoudspeaker Builderに対して有効で福音と言えるのではないでしょうか。

長い記事に最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。

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投稿者

KeroYon

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