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昨年は、FMトランスミッターを利用してFMチューナーの性能検証や音質検証をしていました。

このネタを、暫定的に復活させたいと思います。
というのも、新しいオモチャ、FMモジュレーターを入手したからです。

このプロジェクトのポイントは、FM放送ではなくて自宅のソースをあえてFMチューナーを通して聴く。という所にあります。なんでそんな事をするの?っていうと、少し昭和の香りを嗅いでみたいというのですかね、FMチューナーを通すことで、FMっぽいというか、「レトロっぽい音質が狙えるのではないか」、という仮説があるからです。またもう一つ、「レトロFMチューナーも自宅のソースで聴けば驚きの高音質に変貌するのではないか?」という期待感もポイントです。

これまでは、実験において無線の「FMトランスミッター」という商品を介在してテストをしていました。

PCからBluetooth EDRでコイツに電波を飛ばし、さらにコイツがFMチューナーに電波を飛ばすという。2段階の無線経路を辿る、という代物でした。

今回は上記の代替として、有線経路でFMチューナーへ入力できる装置を手に入れたのです。

FMステレオ・モジュレーターという物です。
アナログのRCA入力端子が備わっており、そこへ音声信号を入力すると、FM電波信号へ変調してチューナーのアンテナ端子へ入力できるというモノです。元々はホームオーディオではなく、カーオーディオ用途でAUX端子の無いステレオへFM介在でスマホ音声などを入力するための商品です。が、今回の私の使徒にジャストフィットでしたので白羽の矢が立ちました。

これまでのFMモジュレーターも不満があったわけではないのですが、性能不信はゼロではないですね。なんらかの音声劣化があったのではと疑ってしまいます。あくまでも心理的な問題ですが、有線なら無線より一層音質劣化が無いのでは?との期待もあって、導入してみました。

さぁ、コイツを使って新たに実験開始です。まずは、音が出るようにセットアップしていかねば。


モジュレーターの端子加工

この新商品はカーオーディオ用途なだけに、端子形状が特殊でそのままでは接続ができません。まずはケーブルの末端処理からやっていきます。

RCAジャック以外の端子はなくケーブルが直出しです。

意外かも知れませんが、私はこの手の商品に極めて疎いです(笑)表記の意味が分かりません。
POWERはカー用だから+12V-GNDラインだろうとして、CAR ANTとは? AUDIO ANTとは? マニュアルなんて無いのが当然ですので、勘と調査で凌ぎます。どうやら、

  •  CAR ANT = 車に設置されているFMアンテナケーブルに繋ぐ
  •  AUDIO ANT = カーオーディオ側のアンテナ端子に繋ぐ

という意味なのでしょう。
で? どれが? 4本共出しになっているのでどれがどれやら・・・

普通に考えればシルク表記順どおりになっているだろうから、

多分こうなんだろうなと、
とすれば、

こっちのメスはカーアンテナへ向かうラインだから無関係。放置。

こちらですね。これがカーステのアンテナ端子へ向かうライン。
私はカーステ側を見たことが無いのですが、こういう特殊なプラグを使っているらしいです。F接などとはかなり形状が違いますね。もちろんFMチューナーには挿せません。

このケーブルをぶった切って、

こちらを使います。5CV型は太すぎて使えませんので、他のケーブルから引っこ抜いてきたパーツです。
 

着きました。芯線には同軸Fケーブルのような腰がありませんので、ふにゃふにゃ。上手く刺さらない可能性がありますが、多分大丈夫でしょう。意外と知られていない事ですが、アンテナケーブルはオーディオと違って「しっかり接触・電気抵抗ゼロ」である必要はないのです。高周波ですからね。容量性の結合が起きるように近づいていればしっかり受信ができます。

次はDC12Vラインです。既存のDC電源ケーブルを中継機として使いますので、こちらの端子を

はんだ付けして装着。
これでモジュレーター側の準備ができましたので、設置していきましょう。

 

モジュレーターの設置、配線

今回の音出しのスキームはこんな感じ。
自分でも図を描かなければ混乱する位に、ワケワカで複雑な構成になってます。

  • 一旦、WiiM Miniに高品位音声信号を飛ばして、
  • それをWiiM MiniのD/Aを通してFMモジュレーターへ入力し、
  • FMモジュレーターで変調されてFMチューナーへアンテナ入力
  • FMチューナーがそれを復調して、WiiM Ultraのアナログ入力へ・・・

で、そのあとは普通の音楽再生と同じです。

これらのスキームをスマホやPCのUIを介してセットアップするのですが、特に入力切替とルーティングは分かりづらく、実際に音が出るまでは自分でも不安いっぱいです。

DCラインには、以前DSP-408で使っていたこの電源ケーブルを使います。
+12VDCはMOS-FETパワーアンプの背面のオプション電源から取ります。

WiiM mini – FM Modulator間はいかにも高級そうなこのRCAケーブルを(笑)
写真じゃ分かりづらいがかなり太く、WiiM Miniがグラグラ引っ張られるほどです。過剰品質。

ラック背面。WiiM Miniには四方からごん太ケーブルが繋がって悶死状態です。

WiiM mini出力をFMモジュレーターのINPUT RCAへ繋げます。

Phonoイコライザーから出力していたケーブルをチューナーへ繋ぎかえます。これで、Ultraのアナログ入力にはチューナーが繋がります。

背面のタップに空きがない。しょうがないからPhonoイコライザの電源を落としました。
そして、FMチューナーの電源ケーブルだけが細ダサい(笑)
昭和の機器だから仕方がないのです。なんかケーブル交換したくなっちゃいますね。しないけど。

 

電源投入・・・!

いよいよチューナーに電源を入れる。
モジュレーターは88.3MHz側に設定してあるので、ノブをそれに合わせてみます。

おぉおおお〜?

シグナルレベルが5のフルスケールまで振れる!
チューニングメーターがバッチリセンターに合う!

この段階で、FMモジュレーターが正常に動作しておりANTシグナルも受信できている証拠です。ほっと一安心。音が出そうですよね。

WiiM MiniにLAN経由で音楽を流し込み、FlexEightの音量を徐々に上げます。
音が出たぁ〜♪
うん、いい音じゃないですか!
以前のFMトランスミッター(無線)よりも良い音の気がする!気のせいかも知れないけど・・・。

ボトムエンドが薄く何となく音が丸まって解像感が無くなってステレオイメージがぼんやりする、という全体印象は以前のままですが…。
次回、測定や試聴に取り掛かります。

やっぱりレトロなチューナーの雰囲気は良いですねぇ。

3件のコメント

  1. 久々の続編楽しみです。
    うちで買ったモジュレーターが悪いのか、チューナーが限界なのか、まずS/Nの悪さが気になってしまい中断中です。
    PLLシンセサイザー式は無調整無整備で永久に使えるものだと現役時は思ってましたが。
    バリコン式並みにアナログ的で。
    いくつか入手困難な部品を交換しないといけなさそうです。
    最後まで残るのはバリコン式チューナーなのか。
    測定編を楽しみにしてます。

    1. YAS-NORIさん
      コメントありがとうございます!
      何か、今回は新しい発見もいくつかあったりして。とても楽しいです。
      その辺も記事にしますね。

      > うちで買ったモジュレーターが悪いのか、チューナーが限界なのか、まずS/Nの悪さが気になってしまい中断中です。

      S/Nっていうと、もしかするとアンテナシグナルが不足かも知れませんよ。
      ウチも最初の出音はそれでした。もしかして室内アンテナをご利用でしょうか。

      > PLLシンセサイザー式は無調整無整備で永久に使えるものだと現役時は思ってましたが。
      > バリコン式並みにアナログ的で。
      > いくつか入手困難な部品を交換しないといけなさそうです。

      いやーアナログだって相当なもんですよ。
      うちのも初期性能が出ていない可能性が高いですね。
      100MHzのSGが「タダ」で手に入るんなら今すぐにでも調整するんですが。(笑)

      1. 前のトランスミッタの時は直結でもフィーダーアンテナを通してもレベル4(5段階)くらいで。
        これもS/Nは悪かったのですが。
        今回買ったものは直結前提なので直結して、そうしたら5まで振り切りました。
        でもこの状態でS/Nがいまいちなのです。
        でも内容は全然違って、前のトランスミッタは不良品だろうレベルで悪かったのですが。
        今回は音はかなりきれいなものの静かになるとノイズが目立ってくるという。
        チューナーもトランスミッタも新品状態がわからないので、これが仕様なのか劣化によるものなのかがよくわかりません。
        もう1回チューナーを調整に出してみてから挑戦しようかと思ってます。

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投稿者

KeroYon

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