×

本稿も思いつくまま、殴り書きの長文です。読み飛ばしてください。
最近 MX-1000H の調子が良くて。
ブレイクインが進んだからなのでしょうか、

それなりに初期ブレイクインはしてきたつもりだったのですが・・・
鳴らしてどんどん音が良くなってる気がします。

これは所謂耳エージングというやつなのか?(ヒト側が装置のクセに適応してゆく)
例えば、

高域は柔らかくキレが無いみたいなことを言っていたのですが、最終調整その後はかなり鋭さも増しており、そうとう際どい音も出るようになってきました。そればかりか、サラサラとした微粒子感も徐々に感じられるように。これは聞き取りづらい高域に対して、ヒト聴覚側が感応変化でどんどん受容特性を可変・改善させているのだろうか?(笑)

低域も軟調だったのが、相当にグリグリ、モリモリ、力強く音程が明確になっています。一方で、ANDROMEDAのような透明な超低音は出ず、なんとなく汚らしい重低音。そして軸上から外れて聴く音は悪い。その辺りは相変わらずです。

最近は優秀録音というのではなく、そのへんの好みのプレイリストを適当に掛けていても不快さを感じず、そのままずっと聴いてしまいます。それって個人的に凄いことなのです。ANDROMEDA以外は大概なにかが気に入らなくて長時間の鑑賞はできず、停めてしまいます。
真相は何とも言えませんが、その理由の一端にはWiiM Ultraの導入もあるのかもしれません。

ただ、WiiMおよびそのコントローラーであるWiiM Homeにはいくつかの不具合と課題が見られます。今回はその辺りをつまびらかにしてゆきます。

DLNAで聴く際の手数の多さ

DLNAで聴く場合は、再生媒体やプレイリストを彫り込んでいく都合上、けっこう操作の手数が多いのですよね。そのへんを回避するために、WiiM Homeにはショートカット的なUI工夫がいくつかあります。

上層の「マイミュージック」。WiiM Home側での「独自プレイリスト」。「プリセット」。「最近再生した曲」などがそうです。これらがショートカット的に深層の曲を表層へ浮かび上がらせることによって、操作の手数を減らしてUXを向上させようという姿勢は見られます。
これまでは、Mac上のApple Music(iTunesみたいなアプリです)上で曲を指定し、Apple Musicがレンダラーとなってストリーム信号を形成し、AirPlay2経由でWiiMに飛ばして再生するというのがメインのシグナルルートでした。

多少の音質劣化はあってもそれが最も使い勝手は良かったからです。
ところがWiiM UltraになってAirPlay2は封印されてしまった。そこで、これまでサブで使っていて余り問題視しなかったWiiM Home、ならびにDLNA時のUXやレンダリングの課題が表面化したということです。

よく使うUI上の入口

もちろんAmazon MusicやQobuzもたまに直接聴きます。が、あくまで私のメインはDLNAからのローカルファイル再生なのです。そこで、DLNA側から掘っていったときの使い心地について説明します。

まず下図は

  「ブラウズ」

 →「ホーム音楽共有(DLNA)」

 →「メディアサーバー」

 →「音楽」

と堀ったあとのリスト。(手数、多いでしょう?)

この中で、最もよく使うのは「プレイリスト」
WiiMはm3uを始めとする外部プレイリストに対応しています。
したがって、Synology DS Music等で作ってあったDLNA上のプレイリストがそのまま読み込まれて表示されるのです。

良く聴くオーディオ用のテストトラックや、ヘビロテの曲はプレイリスト化されていて、これを一番便利に使っています。

次に良く使うのは「アーティスト/アルバム」です。
まずアルバムアーティストを選択すると→ 次にそのアーティストのアルバム一覧が表示される、という手順のリストになります。

曲をつまみ聴きするユーザーは余り使わないかも知れませんが、アルバム一枚鑑賞型のユーザーは頻繁にアクセスする機能になるでしょう。

私もアルバム名は覚えていても曲名までは諳んじていないので、1曲だけを聴きたくてもこれを多用することになります。

ところが、です。
このリストの使い勝手があまり良くない

上記はWiiM Homeのアーティスト一覧表示です。アーティストに限らず、WiiMのリスト表示はこんな感じになっています。

右側にスクロールバーひとつ無いのです。延々と指でスワイプスクロールするしかありません。AからZのアーティストにたどり着くまでで2分掛かります

曲名リストになるともっと悲惨で(6万曲くらいだっただろうか)末端までたどり着けないのです。

そこで、リストスクロールの代替となるのがフィルター機能です。

まず、なんでも良いから対象のリスト表示にしておきます。

「アーティスト/アルバム」でも「曲名」でもなんでも良いです。

例えば上記はDLNA内の「アーティスト」一覧表示です。
この状態で、上部「フィルター」の所で文字列を打ちます。

「Allan」と打って、Allan Holdsworthを見つけます

タップしてAllan Holdsworthのアルバムリストが表示できます。
まぁここから先は簡単ですね。
数分かけてスクロールするのはアホらしいです。頭が「A」なら早いですけど。

・・・・・・

とまあ、そんなこんなで。Apple Music (/iTunes)でサクサク再生 の頃に比べると、だいぶ使い勝手は落ちました。
使い勝手の悪いWiiMで苦労するより、fooberでも使うか?今だったらRoonのサーバー立てて(Synologyは対象サーバーです!)そちらで操作するというのもスコープに入っていくる。Roonは月額有償ですけどね。音質がいいらしいからカナリぐらつく。

Chromecastが動作しない

WiiM Ultraは、AirPlay2が無くなってしまった代わりに、Chromecastが付きました。前者の方が良かったけどな。。。
まずGoogle HOMEアプリからLAN上のWiiM Ultraをデバイス登録し、LAN上でWiiM-Ultra Chromecastが見えるようにはなりました。
各種の音楽プレーヤーから、WiiM Ultraの姿が見えています。

しかし、DS AudioからWiiM Ultraを選択して再生指示しても、再生が始まらないのです。(DS Audioとは、Synologyの提供するNASプレーヤーです)

コネクションは張られている様子です。なぜなら再生を指示すると、これまで他のメディアから再生していたプレイリストは自動停止し、アラートが鳴るためです。しかし肝心の音楽再生は始まらないのです。DS Audioで音楽再生状況になりません。DS Audio側の不具合なのか。それともWiiM側からエラーで蹴られているのか。ストリームが通りません。

これは”Chromecast Audio”という規格だと思います。まだまだ一般的ではないし、AirPlayほど厳格な互換性を維持したプロトコルではないかもしれません。仕方がない、開通できるまでは少し様子見します。ファームウェアの改善か、それとも私の側の環境改善か。
Chromecastは私にとって本線ではないし、DS Audioからも再生できると便利だな、程度の存在だったので、これが通らなくても不満はありません。

 

ギャップレス再生の課題

ところで、コレが目下の最大のWiiM Ultraの不具合。というか課題です。

ギャップレス再生ができなくなってしまったのです。

昨今の「歌い手さん」や「VTuber」のショートシングルしか聴かないならいざしらず、メドレー、プログレ、ジャズ、クラシック大好きな私にとってはギャップ有り再生なんて音楽破壊機です。音が途切れると興ざめしてしまいます。

公式ではWiiMのファームはギャップレス再生に対応した、とあるので、私の環境固有でなんらかの問題が内在していると想定しました。

実はWiiM Miniの時代からギャップレスはできて無かったのか?(これは検証すれば判ります)

Mac-Apple Musicのころは、Apple Music(レンダラ)がギャップレスのストリーミングを形成し、AirPlayでWiiMに流し込んでくるから、完全なギャップレスでした。まぁAppleがALACをギャップレス出来るようになったのも、ほんの数年前なんですけどね。

それが、今度はレンダラがWiiM Ultraになった。最初はレンダラであるWiiMが悪いんじゃないの?と思ったのですが、どうやらSynology側にクセがあるらしく、曲信号を送る際に曲間でギャップ(遅延)が出てしまうケースがあるらしいです。WAVだったら出ないのかも知れない。しかしALACではバッチリギャップが出てしまう。

WiiM のサポートとブランディング

WiiMには、WiiMが運用しているフォーラムがあります。

待ってました。
フォーラムが存在している事実だけで、WiiMという企業がどれだけ顧客体験を重視しているのかが判ります。優秀なUXやブランディングを志向する企業は必ずこれに類するダイレクトなコンタクトポイントを運営しています。

ここでは顧客間で、あるいは顧客対ベンダーで日々活発な議論が交わされています。ユーザーはログインしこのフォーラムを活用して不具合報告、改善提案、トラシューができます。

また、このForumには「Support」への導線もあって直接エンジニアとのトラシューもできます。早速、その窓口からギャップレスについての問い合わせをしてみました。

すると、迅速に丁寧かつ的確なアドバイスが返ってきました。感激したのでそのまま共有しますね。

(返信は日本語変換しています。)

Hi カスタマー,  

WiiM Ultra はギャップレス再生をサポートしています。ただし、すべての DLNA サーバーがギャップレス再生を完璧に処理できるわけではありません。特に、特定のファイルタイプではその傾向が顕著です。特に、Synology の DLNA サーバーは、ALAC ファイルのギャップレス再生に完全に最適化されていない可能性があります。

DLNA では、トラック間にわずかなバッファリングが発生し、短いギャップが生じることがあります。これに対処するには、Synology デバイスが最新のソフトウェアと設定を使用していることを確認してください。一部の Synology モデルでは DLNA 設定を微調整する機能が提供されており、ギャップレス再生が改善される可能性があります。

可能であれば、Plex や Roon (Synology で設定されている場合) などの別のプロトコルを介して ALAC ファイルをストリーミングすることをお勧めします。これらのシステムは通常、DLNA よりも確実にギャップレス再生を処理します。

また、すべての曲がシームレスに再生できるわけではないことにご注意ください。最高の再生体験を得るには、再生するトラックがギャップレス対応であることを確認してください。

ご理解とご協力に感謝いたします。

よろしくお願いいたします、
WiiM サポート

すばらしい。

顧客は、ブランドのこうした真摯な対応や改善姿勢を見せられると、仮に現状の姿に不備不満があっても未来へ期待し、ファン化し、製品に共感するのです。

さて、上記を受けて今後の改善方針ですが。
まずはRoonサーバーを構築してみるか。インストールは済ませています。
もうひとつの選択肢は、DLNAの利用をやめてしまう。すなわち当初から計画にあった「WiiM に直接音楽ストレージ(SSD)をぶら下げる」です。これならばネットワークを介してのストリーミングやノイズ混入は発生せず、WiiM Ultraのレンダラが最高性能を見せるはず…という思惑です。

音質以外の要因でこれをする意図はなかったのですが、ギャップレスも立派な音質。がぜんスコープに入ってきました。


投稿者

KeroYon

関連投稿