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当家の自作スピーカー終(しまい)の形、ANDROMEDAが製作中ですが、大型重量級で骨が折れます。

場繋ぎの手慰みオモチャとして、小型で遊べるPIONEERのS-X3IIをゲットしました。

https://audio-heritage.jp/PIONEER-EXCLUSIVE/speaker/s-x3ii.html

1982年初出だから、もうかれこれ40年も前のスピーカーなのですね。
当時小学生の私には垂涎の的でしたが当然買えるはずもなく。
店頭でちらりと聞いたことはあり。小型ながらズシリと重い鈍器エンクロージャー(金属製ではなくレジンコンクリート製らしいです)。

さぞや良い音で鳴るだろう。鳴るに違いない。・・・・本当にそうか?

入手したブツは、外観それなりで、磨くとビカビカになりました。
ただし片CHはトゥイーターが半断線状態であり、音質がモコモコしています。まぁハナから改造予定なので、断線していようがドライバーが潰れていようが問題はありません。

さて、オリジナルの音質ですが、期待や想像と違い、あまり感心できる音ではありません。決して古い=音質が悪い という常識ではありませんが、これは設計の古さばかりが目立つ音質でした。
高域は透明度や鮮明さがなくノペっとした音。
鈍器箱から期待される低域も思ったほど伸びていませんし、重低音は期待できません。

エンクロージャーに手を触れるとほとんど共振しておらず、鮮明で濁りのない音質が期待できますが現実は逆。エンクロージャー剛性が全てウーファーダイアフラムへ仇になって跳ね返ってしまったような音。中低域にはゴウゴウという嫌な付帯音が常につきまとい、濁って不鮮明な音

ナローレンジ、透明感なし、空間感なし、楽器の実存感なしと、ほぼほぼ良い所がありません。

佇まいは素晴らしい

ただし、この鈍器エンクロージャーは(素材として)大いに買えます。
この箱にそれなりのドライバーを突っ込めば、まったく別物の音も出てくるんじゃないでしょうか。
ただし2リッターもないような密閉箱ですから、使えるドライバーも限定されます。改造前の生成りの周波数レスポンスを測っておけばよかったと悔やまれます。

大した音質ではなかったので、さっさとフル分解・清掃・測定へと移行していきました。

トゥイーターも断線させずバラしに成功。

ただ、こんなもの使う予定もありません。片ch断線以前で音が悪い。

ダイヤフラムに付いていたアルミリングは転用する予定です。

エンクロージャーは上部だけグラスウールがギチギチに突っ込んであります。下部はがらんどう。

ここで強い共振が起きているかもしれません。

コストと容積からして、仕方がないでしょうね。
クロスオーバーネットワークはひたすらしょぼい。細線による鉄心コイルと、電解キャパシタによって構成された二次。必要最小限という感じです。かつ、LPFとHPFで定数が同じだから、計算式から導出された安直なネットワークで、当然ドライバーにオプティマイズされていません。
古臭~~~~~い(50年前の)設計技法となります。

ウーファーもトゥイーターも換装時に備えて寸法を測っておきましょうね。
幸いにして、リプレースできそうなドライバーはネット検索で腐るほど見つかります。ただ、コレにコスト投入するのも馬鹿馬鹿しいので、まずはオリジナルウーファーを改造するところから屠りたいと思っています。

徹底清掃と研磨で、箱もドライバーもそれなりにキレイになりました。

投稿者

KeroYon

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